オールズモビル (自動車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

改名：この記事のタイトルに関して議論や投票が行われています。詳細はこの項目のノートを参照してください。

1905年に流った歌In My Merry Oldsmobileの楽譜の表紙に描かれたオールズモビルカーブドダッシュとそれに乗った男女。当時の運転時の服装がわかる

オーロラ

オールズモビル(Oldsmobile)はランサム・E・オールズが1897年米国ミシガン州ランシングに設立した自動車メーカー『オールズ・モーター・ビークル・カンパニー』のち『オールズ・モーター・ワークス』の呼称。1908年11月からは現在のゼネラル・モーターズ・コーポレーション(GM)社の前身企業であるゼネラル・モーターズ・カンパニーに買収され「自動車ブランド」となり、107年間使用されたのち、2004年に廃止された。

[編集] 自動車メーカー

ランサム・E・オールズは、『オールズ・モーター・ビークル・カンパニー』(Olds Motor Vehicle Company, Inc., )を1897年ミシガン州ランシングに創立、四輪自動車の生産を開始。オールズモビルが誕生した。この年すでに4人乗りを作っていた。

1899年、サミュエル・スミスにより会社が買収され、『オールズ・ガソリン・エンジン・ワークス』(Olds Gasoline Engine Works)と合併し、『オールズ・モーター・ワークス』(Olds Motor Works)となる。会社はデトロイトに移り、スミスが社長となり、オールズは副社長兼事業部長となる。米国初の自動車専用工場がデトロイトに誕生する。

1901年、オールズは、ダッシュボードが美しいカーブを描いている『カーブドダッシュ』オールズモビルの生産を始める。同年、アセンブリーライン利用による初の大量生産を始める。(2番目はランブラー、3番目はフォードが初期のA型で行なう。フォードはのちにベルトコンベアを使用してこの行程の効率をあげT型を生産する。)

スミスとたびたび意見が違っていたオールズは1904年社を離れ、ミシガン州ランシングに『REオールズ・モーター・カー・カンパニー』(R.E. Olds Motor Car Company)を設立するが、オールズ・モーター・ワークスの訴追を恐れ、社名を『REOモーター・カンパニー』と変更した。オールズはここで社長となり、自動車の開発生産をつづけた。

[編集] 自動車ブランド

ビリー・デュラントを中心として現在のGMの前身となるゼネラル・モーター・カンパニーが1908年9月16日に創立され同時に1903年創業のビュイックを傘下とした。オールズ・モーター・ワークスは1908年11月12日にGMに売却されGMの2番目の自動車会社となった。

デュラントの元では買収されたそれぞれの自動車会社は従来どおりにちかい独自の開発がおこなえていたが、フォードT型により米国自動車市場が席巻され再度のデュラントの登場でも経営が悪化し、デュポンからアルフレッド・スローンが社長となった1920年代以降はGM流マーケティングに組み込まれ階層型のブランド構造として統一され、従来の会社の特色は薄れていった。GM流ブランド・マーケティングでは、ポンティアックとビュイックの間に位置する、中級ブランドとされ、フルサイズからミドルサイズの車となった。

現存する中ではアメリカでもっとも長い歴史を誇るブランドであったが（1896年設立）、販売台数の低迷を受け2000年に発表されたGMの大規模リストラ計画に基づき段階的に縮小、2004年に消滅し107年の幕を閉じた。

[編集] ランサム・E・オールズ

詳細はランサム・E・オールズを参照。

このブランド名は創始者で『アメリカの自動車の天才』といわれる、ランサム・E・オールズに由来するもので、「古いクルマ」という意味ではない。オールズはのち会社をはなれ別の会社REO自動車を設立し活動する。オールズと離れたところでオールズモビルという名前は宣伝され続けていたが、アメリカ人はランサム・E・オールズを『アメリカの自動車の天才』と呼び、尊敬した。