ウルトラの父
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ウルトラの父(ウルトラのちち)は、ウルトラシリーズに登場するキャラクター。特撮テレビ番組『ウルトラマンA』で初登場。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 特徴
宇宙警備隊の大隊長。年齢は16万歳。ウルトラの母とは夫婦関係にあり、ウルトラマンAの養父かつウルトラマンタロウの実父。ウルトラセブンは義理の甥である。ウルトラマンなどの他のウルトラ兄弟とは実の親子関係は無いが、その偉大さや人柄から、実の父のように慕われている。
頭の角・ウルトラホーンはウルトラの父の家系のみに伝わるもので、宇宙の情報をキャッチするアンテナの役目を果たしており、14万年かけて現在の長さになった。また、髭はウルトラ族の中でも4万歳以上の者にしか生えず、生やしているのは父とウルトラマンキングのみである。
『ウルトラマンA』第27話で、ヒッポリト星人によってブロンズ像にされたウルトラ5兄弟の救出に現れたのが初登場である。この時、ヒッポリト星人と戦って圧倒したが、長旅の疲労により敗北、Aに後を託して倒れた(※1)。第38話で復活し、サンタクロースの姿で地球に現れる(※2)。また、『ウルトラマン80』第38話において、空に映るイメージ(※3)として登場、80を励ました。
その後のテレビシリーズは“光の国”とは無関係な世界観を採用した事もあり、長らく登場の機会が無かったが、2006年、『ウルトラマンメビウス』では主人公・メビウスを地球へ送り出す宇宙警備隊大隊長として、久々にその雄姿を現す。
- ※1 映画『ウルトラマン物語』では、タロウの角にエネルギーを集める特訓でエネルギーを使い過ぎたために敗北した、となっている。
- ※2 劇中終盤で「なにせわしは魂だけ」と語っており完全に復活したのではなかった様である。
- ※3 ウルトラの国からテレパシーで80に語りかけているとも、ウルトラの父の教えを過去に受けた80の心象表現とも解釈できる。
[編集] 登場作品
- 『ウルトラマンA』(1972年)- 第27話、第38話
- 『ウルトラマンタロウ』(1973年)- 第39話、第40話、第51話
- 『ウルトラマンレオ』(1974年)- 第39話
- 『ウルトラマン怪獣大決戦』(1979年)
- 『ウルトラマン80』(1980年)- 第38話
- 『ウルトラマン物語』(1984年)
- 『ウルトラマン超闘士激伝』(1996年)
- 『新世紀ウルトラマン伝説』(2002年)
- 『新世紀2003ウルトラマン伝説 THE KING'S JUBILEE』(2003年)
- 『ウルトラマンメビウス』(2006年) - 第1話、第27話、第29話
[編集] 人間態
- サンタクロース(演:玉川伊佐男)
[編集] 声の出演
[編集] ウルトラの父の能力
- 身長:45メートル
- 体重:5万トン
- 年齢:16万歳
- 飛行速度:マッハ15
- 走行速度:時速1000キロ
- 水中速度:200ノット
- ジャンプ力:500メートル
- パンチ力:直径100キロの小惑星も砕く。
- キック力:ジャンプキックは原子爆弾10発分の威力。
- ファザーショット
- 両手をL字型に組んで放つ光線。ナマハゲを倒した。
- 別名でファザー光線ともいう。コミックボンボンで連載していたウルトラマン超闘志激伝4巻でメフィラス大魔王に使用。
- クレッセントショット
- 手先から発射する三日月状光弾。ヒッポリト星人にダメージを与えた。
- ウルトラシャワー
- 両手先を合わせて、水を噴射する。ブロンズ像にされたウルトラマンAのヒッポリトタールを洗い流し、ヒッポリト星人が放った炎に巻かれて全滅寸前だったTACを救った。
- エネルギービーム
- サンタクロースに化けた父が右手から放った光線。Aを回復させた。
- パワービーム
- 父の角から放射されるエネルギー光線。映画『ウルトラマン物語』で、ウルトラマンタロウの角にエネルギーを集める特訓の際に使用した。5万年前にジュダが現れた際、父自身も自分の父親(タロウの祖父)から同じ特訓を受けていたと言う。
- ファザーバリヤー
- キングザウルス三世のカーテン状バリヤーを再現したもの。映画『ウルトラマン物語』で、タロウの特訓のために使用した。
- 炎(名称不明)
- 念力で、相手の足元に炎を発生させる。映画『ウルトラマン物語』で、タロウの特訓のために使用した。
- テレパシー光線(名称不明)
- 映画『ウルトラマン物語』で使用した技。頭から光線を放ち、幼少時のタロウの心に、ミクラスとエレキングの戦いを映し出した。
- タイマーシュート(本編未使用)
- カラータイマーから発射する光線。
- ビッグ光線(本編未使用)
- ゾフィーのM87光線によって塗り替えられる以前に光の国公認世界記録である80万度を記録していた光線。
カラータイマーを外して投げると、仲間のウルトラマンを回復させる事ができるが、自分は死んでしまう。長旅による疲労でヒッポリト星人に苦戦した父は、まだ動けないAにカラータイマーを投げ、回復させて倒れた。この際、ウルトラの父はカラータイマーを外したにもかかわらず萎まずにそのままの状態で倒れていた。最終回でゼットンにカラータイマーを破壊されたウルトラマンもそのままの状態であった。だが、ドロボンにカラータイマーを奪われた帰ってきたウルトラマンは萎んでしまった。この点は謎である。
[編集] 武器
- ウルトラアレイ
- 腰のウルトラバックルに隠されている、鉄アレイ形の武器。閃光を発して敵の目をくらませ、一時的に動きを止める。ヒッポリト星人に使用。その後、ウルトラマンメビウスを送る際にメビウスにメビウスブレスを装備させるために使用。
- ウルトラフェザー
- 投げつけて敵に突き刺す、羽根形の武器。刺さると同時にショック波を放ち、敵を粉砕する。首を切り落とされても一晩で再生する怪獣リンドンを完全に倒した。
- ウルトラクラウン
- 花の冠のような道具。生命エネルギーを発生させ、リンドンに殺された珠子を生き返らせた。
- ウルトラキー
- 光の国の第2ウルトラタワーに隠されている、光の国のエネルギーをコントロールする鍵。これを失うと、ウルトラの星は闇に包まれ、軌道を外れて宇宙をさまよう。『ウルトラマンレオ』第38・39話でアストラに化けたババルウ星人に盗まれ、軌道の狂ったウルトラの星が地球に衝突しそうになった事がある。また、光線銃としても使用可能で、ウルトラセブンは子供の頃、ウルトラの父がキーを使って、光の国に接近した悪魔の星デモス一等星を粉砕したのを見たと言う。(ダンの回想シーンで登場)
[編集] その他
- ウルトラの父のデザインは『ウルトラマンA』の放映開始後に一般から公募し、その最優秀作品が採用されている(Aの予告編中で原画が紹介された)。ウルトラの父初登場の回は抽選によるスクリーン公開も行われ、大好評を博し、ウルトラの父登場はウルトラ史上類を見ないビッグイベントとなった。
- 『ウルトラマンA』27話で初登場時のウルトラの父のスーツはゾフィーのスーツを改造して作られたものと思われる(ヒッポリト星人戦の映像で腹部の部分にゾフィーの腹部の線が薄くではあるが確認できる)。
- 『ウルトラマンタロウ』51話登場時、手袋の色が銀色であった。同作52話にて登場したウルトラマンジャック(帰ってきたウルトラマン)の手袋とブーツの色が赤色であったため、それと取り違えたものと思われる。