ウォーレス・カロザース
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ウォーレス・カロザース(Wallace Hume Carothers, 1896年4月27日 - 1937年4月29日)はアメリカアイオワ州バーリントン出身の科学者。
1924年にイリノイ大学から化学で博士号を取得し、1926年にハーバード大学教授に就任。1928年、請われてデュポン社に研究員として入社。ドイツの化学者ヘルマン・シュタウディンガーによるポリマーの高分子説を実証するため、ポリマー合成を研究班の研究テーマとした。
1930年4月17日、実験段階ではあったがクロロプレンの重合による合成ゴムと、ポリエチレンのポリマー合成に成功。 1931年、合成ゴムの研究は史上初の商品「ネオプレン」として実を結ぶ。1934年、アメリカ科学アカデミーの会員になった。
その後もポリマーの研究を続けた結果、1935年に世界初の合成繊維6,6-ナイロンの合成に成功した。
デュポン社入社当時からうつ病気味であったが、ポリマー合成成功の頃から精神状態が悪化し、フィラデルフィアのホテルで青酸カリを飲んで自殺を遂げた。ナイロンが公式に発表されたのは彼の死の2年後のことであった。