イタリア社会共和国
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イタリア社会共和国(Repubblica Sociale Italiana, RSI)は1943年9月から1945年4月までローマ以北のイタリアに存在した国家である。ガルダ湖湖畔の町サロに政府をおいたことから、別名サロ共和国(Repubblica di Salò)と呼ばれる。
第二次世界大戦で枢軸国として参加したイタリア王国は、アメリカ軍のシチリア島上陸等で劣勢に立たされた。1943年7月25日にムッソリーニは国王により首相を解任され、逮捕監禁された。9月8日、後任首相に任命されたピエトロ・バドリオは連合国に対して無条件降伏した。 ヒトラーの命によるドイツ軍の救出作戦で解放されたムッソリーニは、9月15日ミュンヘンで彼と会談しファシスト政権を樹立する事を約束し、9月23日イタリア社会共和国(RSI)が樹立した。その事により、イタリアはドイツの勢力下にあったローマ以北の共和国と、アメリカ軍の後援するバドリオ政権の南部イタリアの王国にわかれる統一以後初の大規模な内戦状態となった。 共和国は当然連合国側には承認されなかったが、枢軸国側の日本は新政権を承認し大使館をヴェネツィアに置いた。 ドイツとの鋼鉄条約やヒトラーとムッソリーニの友情を元にしたこの政権は、ドイツの傀儡政権とも言えた。 1945年には連合軍の北上やパルチザンによる抵抗の結果衰退し、4月27日にムッソリーニがパルチザンに殺されると同時に終焉を迎えた。