アーガス (空母)
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艦歴 | |
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起工: | 1914年 |
進水: | 1917年12月2日 |
就役: | 1918年9月16日 |
その後: | 1946年スクラップとして売却 |
性能諸元 | |
排水量: | 基準:14,450t |
全長: | 172.5m |
全幅: | 20.7m |
吃水: | 6.4m |
機関: | パーソンズ式オール・ギヤード蒸気タービン2基、ボイラー12基、20,000馬力、4軸 |
最大速: | 20.3ノット |
航続距離: | 5,200カイリ(12ノット時) |
乗員: | 495名 |
兵装: | 10.2cm単装高角砲6基、3ポンド単装砲3基(竣工時) |
搭載機: | 約20 |
アーガス (Argus)は、イギリス海軍の航空母艦。設計において前級の「フューリアス」や「ヴィンディクティブ」での使用実績を踏まえて飛行甲板上に構造物を設けずフラットにした、そのため、アーガスは世界で最初の、全通甲板を持つ航空母艦である。
目次 |
[編集] 艦歴
アーガスはグラスゴーで1914年にイタリアの客船コンテ・ロッソ (Conte Rosso) として起工されたが進水前にイギリス海軍に買い取られ航空母艦として建造された。1917年12月2日に進水し、第一次世界大戦終結直前の1918年9月16日に竣工した。
第二次世界大戦では最初は訓練任務に使用されていたが、1939年から1941年にかけカレイジャス、グローリアス、アーク・ロイヤルが沈没、イラストリアスが損傷したため、ハープーン作戦、トーチ作戦などに参加した。
1943年、再び訓練任務に戻り1946年にスクラップとして売却された。
[編集] 艦形について
商船型の船体から上一杯を使用し、上方から見ればアイロン型の飛行甲板を張られた本艦の飛行甲板長は縦143,3m×幅25,9m。二基のエレベータ(昇降機)を飛行甲板の前後に一基ずつ設けた。このエレベータは現代のものと同じく、完全な四角形だが、この後、エレベータ形状は「フューリアス(第二次近代化改装後)」「イーグル(初代)」「ハーミーズ(初代)」「カレイジャス」級では前後両方か片方が飛行機の形に合わせた十字架型形状を採用する迷走の時代に入る以前のものである。
竣工直後の着艦装置は鋼索縦張り式の着艦制動装置と既倒式縦棒型制動装置を併用装備していたが、鋼索縦張り式は着艦制動能力が絶対的に不足しており、機体が横滑りを起して飛行甲板から転落する事を防ぐことが出来ず、既倒式縦棒型制動装置は飛行甲板上に蝶番で繋がれた棒を立てておき、着陸してくる機体を激突させて停止させる乱暴な装置で、プロペラや羽の損傷は着陸と引き換えで損傷する機が続出した。あまりの被害に英国海軍は1926年に制動装置の全てを撤去し、その後の5年間は飛行甲板全面積を使用し、写真で飛行甲板両脇に見える「パリセイド」と呼ばれる折りたたみ式の転落防止柵を立て、着艦する機体に整備員が飛び掛って停止させる危険極まりない方法を選択せざるを得なかった。その間にフランス・アメリカでは安全な鋼線横張り式の着艦制動装置を完成させ、先駆者であったが後塵を拝する事となった英国海軍は1931年にようやく横張り方式に改装し、実用的な着艦制動装置を得た。
甲板の下には一層式の格納庫が設けられていたが、搭載機数は「フューリアス」の10機から二倍の20機を搭載できた。艦橋は計画時は飛行甲板両脇に前後に長い艦橋を配置し、その間を艦載機が離・着艦する予定であったが、実用性の観点から艦橋は飛行甲板下に設けられて飛行甲板上部に構造物は存在しなかった。しかし、艦橋からの見通しが悪く、そのため湾内では飛行甲板上に上下するエレベーター式操舵艦橋(写真で飛行甲板前部に見える四角い構造物)を設け、操艦を容易にする工夫が加えられた。しかし、飛行甲板上構造物に煙突まで撤去してしまったため、排煙路を船体左右に分け、写真で見えるように艦尾ダクトから左右に排煙する方式にするしかなく、煙路により格納庫スペースを狭めた上に煙の熱で格納庫での整備員は苦しめられた。後にこの方式は「フューリアス」の第二次近代化改装後にも採用され、同様の苦情が出た。
元が低速な商船であったが、初めての全通形状飛行甲板で、飛行甲板スペースを広く取れたために後の航空機の発達に伴い滑走距離の増加も対応できた。(長く一線に留まっていられたのも当時のイギリス海軍の艦載機の主流が軽量な複葉機で、低速でも長い滑走路があれば離着艦可能だった事にも一因している)
[編集] 武装について
設計年時が古いために旧世代な設計も残っていたが、これらは本艦の設計時期を考えれば致し方の無いものであったろう。これは航空母艦を軽巡洋艦的な任務にも対応させようとの各国共通の設計思想によるもので、同世代のベアルン級にも共通する点が多い。
主武装の10.2cm(45口径)単装砲は飛行甲板直下主甲板の艦首から格納庫前端部に左右1基ずつ、前部エレベータ左右に1基ずつ、格納庫後端部左右に1基ずつの計6基である。
[編集] 防御について
防御力は開明期の空母らしく、船体の一部に装甲を持っていた。 舷側防御は水線部で51mm、甲板部で51mmと、駆逐艦の砲撃に対してのみ有効な防御を持っていた。