アレクサンドル・グラズノフ
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アレクサンドル・コンスタンチノヴィッチ・グラズノフ(Александр Константинович Глазунов | Alexander Konstantinovich Glazunov, 1865年8月10日 - 1936年3月21日)は、ロシアの作曲家。リムスキー=コルサコフに学び、ロシア5人組に代表されるロシア国民楽派とチャイコフスキーの両派の音楽性を融合し、新しい世代のロシア音楽を確立した。
目次 |
[編集] 生涯
1865年にサンクトペテルブルクで生まれる。リムスキー=コルサコフに教えを受け、11才から作曲を始めた。作曲家としては早熟で、15才で交響曲第1番を作曲した。
30歳台がグラズノフの創作の全盛期で、34歳でペテルブルク音楽院の教授に就任した。
1897年には、自作の交響曲第6番と併せてラフマニノフの交響曲第1番を初演した。このラフマニノフ作品は酷評され、ラフマニノフは自信喪失から神経衰弱にまでなったが、その原因は演奏のまずさにあり、原因の一端はグラズノフの指揮にあったともいわれる。
グラズノフは40歳代の半ばには作曲活動に行き詰まり、アルコール中毒になる。ロシア革命の後、1928年にパリに移住したが、ホームシックにさいなまれながら1936年に客死した。
作風はロシア国民楽派を受け継いだ民族主義と、チャイコフスキーの流れを汲む西洋ロマン主義との折衷的な様式である。オペラ以外の管弦楽作品、特にバレエ音楽に才能を発揮し、管弦楽の色彩的表現に長けていた。「ロシアのブラームス」の異名がある。
[編集] 主な作品
[編集] 交響曲
8曲の完成された交響曲がある。交響曲第9番は未完に終わった。
- 交響曲第1番ホ長調『スラブ』 作品5(1882)
- 15歳で作曲、16歳で初演。すでにグラズノフの音楽スタイルは確立されている。師であるバラキレフが初演を指揮した。フランツ・リストに注目され、1884年にヴァイマルでも演奏された。1885年と1929年に改訂されている。
- 交響曲第2番嬰ヘ短調 作品16(1886)
- 敬愛していたフランツ・リストへの追悼として書かれた逸品。
- 交響曲第3番ニ長調 作品33(1890)
- チャイコフスキーに献呈された作品。
- 交響曲第4番変ホ長調 作品48(1893)
- ロシア的情緒を全面に押し出した作品。冒頭に現れる憂鬱な旋律が曲全体を支配する。
- 交響曲第5番変ロ長調 作品55(1895)
- 「ワグネリアン」の異称を持つ。堂々とした響きの作品。
- 交響曲第6番ハ短調 作品58(1896)
- 交響曲第7番ヘ長調『田園』 作品77(1902)
- ベートーヴェンの田園交響曲を意識した作品。
- 交響曲第8番変ホ長調 作品83(1906)
- 交響曲第9番ニ短調 (1910、未完)
- 9つめが最後の交響曲になるとする俗説(第九の呪い)を忌んで中断した。後に第1楽章をガヴリル・ユーディンが管弦楽法を実施した。
[編集] 管弦楽曲
- 交響詩『ステンカ・ラージン』 作品13(1893)
- リストの影響を受けて作られた。明確に交響詩と銘打ったのはこの曲のみである。
- 勝利の行進曲 作品40(1893)
- フィンランド幻想曲 作品88(1909)
[編集] 協奏曲
- ヴァイオリン協奏曲イ短調 作品82(1904)
- 比較的短い曲。
- アルト・サクソフォーンと弦楽オーケストラのための協奏曲変ホ長調(1934)
- ドイツ生まれのサクソフォーン奏者シグールト・ラシャーのために作られた曲。協奏曲としては当時は異例であったが、ロシア情緒は健在である。まれにヴィオラ用の協奏曲として演奏されることがある。
- ピアノ協奏曲第1番ヘ短調 作品92(1911)
- ピアノ協奏曲第2番ロ長調 作品100(1917)
[編集] バレエ音楽
- 『ライモンダ』作品57(1897)
- 全3幕からなる。このバレエ音楽からは演奏会用組曲も編まれている。
- 『四季』(Времена года)作品67(1899)
- 1幕4場からなる小バレエ音楽。冬に始まり秋に終わる。特定の物語を持たず、自然の情景を表現している。
[編集] ピアノ曲
- 3つの練習曲 作品31(1889 - 1991)
- 演奏会用大ワルツ変ホ長調 作品41(1893)
- ピアノソナタ第1番変ロ短調 作品74(1901)
- ピアノソナタ第2番ホ長調 作品75(1901)
[編集] 室内楽曲
- サクソフォーン四重奏曲 作品109(1932)
- サクソフォーン協奏曲と同じくパリ在住期に作曲された。クラシックにおけるサクソフォーン(四重奏)のための最も重要なレパートリーのひとつ。変奏曲形式で書かれた第2楽章のみがとりあげられることも多い。