アルパカ
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アルパカ | ||||||||||||||||
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アルパカ (Alpaca、ケチュア語:allpaqa)は、有蹄類ラクダ科の家畜動物の一種で、グアナコから派生したものである。パコとも呼ばれる。
アルパカは50-55kgの体重がある。体長2m、背中までの高さは0.95mほどで、グアナコとほぼ同じ大きさ。アルパカの祖先はビクーニャである。毛を利用するために品種改良された。その毛は今日でもとても利用されている。大きさはビクーニャよりやや大きい。ペルー、ボリビアやもっと南のアンデス湿潤高原地帯でよく見かける動物である。アルゼンチンにはほとんどいない。現在はアメリカ合衆国やヨーロッパ、ニュージーランドにもたくさんいる。毛の太さは12-28マイクロメートル。
ペルーのアンデス地方、ボリビア北部、チリ北部の、海抜およそ3,500-5,000mの高原に群れをなして一年中放牧されている。リャマのように荷役用に用いることはなく、毛を有用とする。その毛で、インディオ伝統のマントやポンチョ、その他の様々な衣類を作り、自分たちで着たり輸出したりしている。色は4種類で、茶、黒、白、ネズミ色。長さは地面に届くくらい長い。姿形はリャマを小さくしたようなものであるが、つばを吐きかけるという悪い癖はそっくりである。染色のしやすさから白アルパカ以外の飼育がされにくく、有色のアルパカは絶滅のおそれを指摘されている。
服飾業界では「アルパカ」は複数の意味で用いられる。毛についていう場合、たいていはペルー産のアルパカのものを指す。しかし、生地としてはより広く、アルパカの毛でペルーにて作られたものだけでなく、イタリアやイギリスのbrillanteなどを混ぜて作ったものもアルパカと呼ばれる。
生地として最も高級なものは、生まれて初めて刈り取ったアルパカの毛で作ったもので、「ベビー・アルパカ」と呼ばれる。
南米古来の動物で毛を用いるのは、リャマ、アルパカ、グアナコ、ビクーニャの4種である。アルパカとビクーニャはいずれも毛が重要視されるが、アルパカの場合毛の品質と量の点で優れており、ビクーニャはやわらかさ、きめ細かさ、希少さと高品質の点で珍重されている。グアナコの毛はビクーニャより若干劣るが、量はやや多い。
なお、スペイン語のアルパカ (alpaca)には、銅、亜鉛、ニッケルの合金という意味もある。この合金は日本語では「洋銀」または「洋白」と呼ばれる。