アラバスタ王国
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アラバスタ王国(-おうこく)は、尾田栄一郎作の漫画『ONE PIECE』および、それを原作とするテレビアニメ『ワンピース』に登場する架空の王国である。
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[編集] 説明
偉大なる航路上のサンディ島にある砂の王国で、首都はアルバーナ。王位継承と共に密かに継承される歴史の本文(ポーネグリフ)には古代兵器「プルトン」の在処が記されており、それを知ったサー・クロコダイルは、「プルトン」を得るために「作戦名“ユートピア”」と称した壮大な作戦を秘密裏に決行する。配下であるB・Wによって国を奪われる危機に直面したが、麦わら海賊団の力を借りて絶体絶命の危機を脱し、その後まもなく活気を取り戻す。
[編集] 人物
- 人物名の横の()内はテレビアニメにおける声優名である。
[編集] 王族・王室関係
- ネフェルタリ・ビビ(渡辺美佐)
- アラバスタ王国王女。元麦わら海賊団船員。
- 平和を愛する少女で、カルーを供にしている。幼い頃から好奇心旺盛で、リトルガーデンではルフィと共に真っ先に冒険に飛び出していった程である。また、王家の人間としての立場を非常によく知っており、8歳の頃、世界会議ではワポルに悪質な嫌がらせを受けてしまうが、無駄な争いを避けるため、我慢して耐えた。B・Wによる「アラバスタ乗っ取り計画」を知り、イガラムと共に組織に潜入、サー・クロコダイルの野望を阻止しようとした。B・Wメンバーとしての任務中にウイスキーピークで正体が露見し、抹殺されそうになるが、麦わら海賊団に助けられ、アラバスタまで同行する。何故かゾロのことは「Mr.ブシドー」と呼んでいる。「孔雀(クジャッキー)」という小指に付けたアクセサリーのような武器を使う。内乱が治まった後、国内復興の為、涙ながらに麦わら海賊団と別れ、アラバスタに残る。2月2日生まれの16歳。
- ネフェルタリ・コブラ(家弓家正)
- アラバスタ王国第十二代国王で、ビビの父親。
- 「戦争の無意味さ」や「国の本質」を理解している、他国でも有名な賢王。妻である王妃ネフェルタリ・ティテイは既に他界している。娘のビビの成長を幼少の頃より見守っており、(少々度を越した)親バカな一面も見せる。必殺技はキングチョップ。
- イガラム(園部啓一)
- アラバスタ王国護衛隊長。
- ラッパのようなショットガンを使う。ちくわのような巻き髪(しかも大砲が装着されている)が特徴的で、ルフィからは「ちくわのおっさん」と呼ばれた。声がよく枯れ、そのたびに「マーマーマー♪」と発声練習をする。ビビと共にB・Wに潜入した。自分達の正体が露見した後、囮になるためビビに変装しアラバスタへと舵を取った矢先、B・Wによって船ごと爆破されてしまう。その際に亡くなったと思われていたが、アラバスタ編後期で無事に姿を現した。国王にツッコミを入れることが多いが、妻のテラコッタには頭が上がらないようだ。
- チャカ(ジャッカルのチャカ)(植村喜八郎)
- アラバスタ王国護衛隊副官。
- 動物系悪魔の実「イヌイヌの実(モデル”ジャッカル”)」の能力者で、白兵戦では剣術と悪魔の実の能力を合わせて速攻で敵を仕留める戦法を取る。イガラム不在時に隊長代理を務め、反乱軍との戦闘では国王軍を指揮した。
- ペル(ハヤブサのペル)(野島健児)
- アラバスタ王国護衛隊副官。
- 動物系悪魔の実「トリトリの実(モデル”隼(ファルコン)”)」の能力者。アラバスタ最強の戦士と呼ばれ、能力を生かして偵察任務や戦闘でガトリング使い活躍する。時計台に仕掛けられた時限式砲弾を爆発前に空高く持っていき、爆発の犠牲となったと思われていたが、満身創痍になりながらも奇跡の生還を果たす(が、世間では「死んだ」ことにされてしまった)。表紙連載に登場した際に、胸に大きな傷が残っているのが確認された。
- カルー(平田広明)
- 超カルガモ(アラバスタ最速の動物。豹をもしのぐ脚力を持つらしい)。
- ビビのお供にして、超カルガモ部隊の隊長をも務める(隊員はカウボーイ、バーボンJr、ケンタロウス、ヒコイチ、ストンプ、イワンX)。多少ボケていて臆病な性格だが、いざというときは自身を盾にしてビビを守り抜く。B・Wとの激闘の後、ビビを手伝っているものと思われる。
- ツメゲリ部隊
- アラバスタ王国エリート護衛団。
- ヒョウタ(鈴木貴宏) ブラーム(高崎拓郎)アロー(藤原勝也)バレルの四人から成る。「豪水」を飲んで一時の力を得るが、サー・クロコダイルには相手にもされないまま亡くなる。
- テラコッタ(園部啓一)
- アラバスタ宮殿の給仕長で、イガラムの妻。
- 似たもの同士にも程があるほど夫に酷似(女性的特徴+外巻きのイガラムの髪を内巻きにしただけ。女性なのに担当声優まで同じ)。夫のイガラムは無論、国王からも怖れられている程の豪快な性格。給仕歴は30年で、料理の上手さには定評がある。
- メイディ(陰山真寿美)
- アラバスタ王国の王室付き侍女。
- 立志式の際にビビの召し替えを行った。
[編集] 反乱軍
- コーザ(草尾毅)
- 反乱軍リーダー。
- 雨が降らない現状と、ダンスパウダーの疑念が重なり反乱軍を立ち起こす。子供の頃に結成した「砂砂団」のリーダーで、ビビの友人でもある。平和が戻り、現在は父のトトらと共に、ユバの復興作業をしている。
- ケビ&おかめ&ナットー
- 反乱軍の一員。
- かつての「砂砂団」のメンバーで、コーザやビビとは幼馴染。
[編集] その他
- トト(塚田正昭)
- コーザの父親で、西のオアシス「ユバ」を開拓した人。
- アラバスタ内乱の際も、国王を信頼し続け、独りでユバに残り続けていた。妻はアスワ。現在は痩せ細っているが、昔は恰幅の良い姿をしていた。
- カッパ(野田順子)
- ナノハナの靴磨きの少年。
- 反乱軍入りを強く希望していたが、コーザに拒否される。その後、国王に扮していたMr.2ボン・クレーが変身を解くところを目撃してしまったため、Mr.1ペアから大怪我を負わされる。アラバスタ内乱が治まった後、イガラムに連れられてアルバーナに赴き、国王が偽者であったことを証言した。
- マツゲ(山口勝平)
- ナミ命名のラクダ。
- ユバに向かう途中でルフィ達と出会い、後に行動を共にする。女(メス)好きのエロい性格で、「男は乗せねえ派」(実際、彼が作中で背中に乗せていたのはほとんどナミだったが、1回だけ大怪我を負ったウソップを乗せている)。内乱が終わった後、何故か超カルガモ部隊に志願している。
- ハサミ
- ナミ命名の「ヒッコシクラブ」という種のカニ。
- マツゲの友で、そのためか性格はエロい。特に踊り娘が好きらしい。現在は「うっかり温泉島」への海底バスを運行している。
- ゴロー
- コーザの叔父でトトの弟。
- 表紙連載では、空島から落ちてきた元神官ゲダツと温泉島で穴を掘り続けていた。現在は「うっかり温泉島」の店長を務める。
[編集] 地理
[編集] 街
- アルバーナ
- アラバスタ王国の首都にして、国内最大の都市。
- 大きな円状の台地の上に建設された都市で、アルバーナ宮殿を起点に、東西南北の4ブロックに区画分けされている。街に入るための門が、西・西南・南・東南・東の計5つある。
- アルバーナ宮殿
- ネフェルタリ一族をはじめ、政府・国王軍関係者が住んでいる宮殿。アルバーナ市街地を見渡せる位置にあり、巨大で高い城壁に囲まれている。宮殿前の広場で、反乱軍と国王軍の激闘が繰り広げられた。
- 葬祭殿
- アルバーナ宮殿の西に存在する、王家の墓。隠し階段から地下聖殿へと進むことが出来、そこには古代兵器「プルトン」の在所が記された「歴史の本文」が安置されている。侵入者を拒む為か、小さな柱を1つ抜くだけで、全ての重心がずれて崩壊する仕組みになっている。ルフィとサー・クロコダイルの最終決戦が行われた場所。
- ポルカ通り
- 南ブロックにある。サンジとMr.2ボン・クレーが戦った場所。
- メディ議事堂
- 北ブロックにある。この議事堂の前で、ナミとミス・ダブルフィンガー、ゾロとMr.1がそれぞれ戦った。
- レインベース
- 夢の町。国が反乱騒動で揺れている時も、よそ事の様に賑わいを見せていたギャンブルの街。反乱騒動が治まった後街の住人達はアラバスタ復興の為各地に散っていきカジノもしばらく休業になった。
- レインディナーズ
- サー・クロコダイルが経営し、ミス・オールサンデーが支配人を務めるカジノで、レインベースでは最大の規模を誇った。地下にはクロコダイルの秘密基地があり、B・Wのオフィサー・エージェントが集い、“ユートピア作戦”の打ち合わせが行われた。ちなみに政府関係者は立ち入り禁止。
- ナノハナ
- 港町。アラバスタ王国の正面玄関の役割を担っており、航海で訪れた者は大抵この街から上陸する(ルフィ達、Mr.3、エースは、いずれもナノハナに立ち寄っている)。また、特産品として香水が有名。
- カトレア
- オアシスから発展した街。ナノハナの隣に位置し、ナノハナへの水の供給を行っている。首都アルバーナへも比較的近く、ユバを捨てた反乱軍の新しい拠点となった。
- エルマル
- 緑の町。サンドラ河の下流に位置する街。サンドラ河の勢いが衰えて以降、水が不足していたが、それでも稀に降る雨水を確実に保つことで、街は何とか保たれていた。しかし、ダンスパウダーによる旱魃が起きるようになってからは街は決定的に枯れてしまい、現在は人も住んでいない模様。また、ロビンの台詞から「タフ大聖堂」なる建造物が存在することが解っているが、詳細は不明。
- スパイダーズカフェ
- ユバ
- かつては無人のオアシスだったが、アラバスタ西部において旅人や商人の行き交う交差点であった為、国王コブラの要請を受けたトト率いる開拓団によって街が築かれ、以後発展を遂げた。反乱軍の拠点でもあったが、雨が降らなくなって以降街も衰退し、更には度重なる砂嵐の襲撃に見舞われる様になり、反乱軍も拠点をカトレアへと移した。ユバを訪れたルフィ達は、エルマルとそう変わらない街の状況に驚いたが、街に残ったトトは一晩かけて水を掘り出し、まだオアシスが枯れていないことを証明してみせた。反乱終結後、トト親子達によって再建される。
- 温泉島へとつながるトンネルがある。
- タマリスク
- アラバスタ王国の東に位置する港町。多くの四角い塔が存在しこの街の沖で、アラバスタ王国から脱出を図る麦わら海賊団と、海軍本部大差「黒檻のヒナ」率いる黒槍部隊との戦闘が行われた。