アフターコロニー
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アフターコロニー(あふたーころにー、After Colony:A.C.)とは、アニメ作品群「ガンダムシリーズ」のうち、『新機動戦記ガンダムW』およびその派生作品の舞台となった架空の紀年法。
コロニーへの宇宙移民が開始された年を元年とする。慣用的に3桁の整数で表示され、例えばA.C.195は「アフターコロニー195年(いちきゅうごねん)」と発音されることが多い。
また、それらの作品の世界観そのものを指して「アフターコロニー世界」、もしくは「コロニー暦」という場合がある。ただし、宇宙世紀作品と比して、該当する作品数は少ないため派生作品も「ガンダムW」でまとめて呼ばれる場合もある。 他にも機動武闘伝Gガンダムに続いて描かれた宇宙世紀ではない世界観のため、機動新世紀ガンダムXと3作品あわせて「アナザーガンダム」、「アナザー3部作」などと呼ばれる場合もある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] アフターコロニーの世界観
アフターコロニー世界のうち、アニメ作品で描かれたのは『新機動戦記ガンダムW』の舞台となったA.C.195 と、『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』の舞台となったA.C.196 である。
この時代においての設定の大半は機動戦士ガンダムの宇宙世紀と基本的に同じである。地球圏、すなわち地球と月の周囲に多数のコロニーが建設され、そこに多数の人々が生活している。しかしこれらコロニーの自治権を巡り、コロニー住民との間で衝突を繰り返すのは地球圏統一連合と言う組織である。そしてA.C.195 連合に反目する一部のコロニー居住者達は、流星に偽装した5機のMSガンダムを地球に降下させる作戦に出た。これがオペレーションメテオであり、ここから物語は始まる。
ただし、宇宙世紀系の作品とは異なる点もいくつか見られる。例えばコロニーは機動戦士ガンダムに登場するようなシリンダー状の島3号型ではなく、トーラス型(円環状)及びその派生型である。また、最初のコロニー建造開始からその完成までに約100年の歳月を要している。宇宙世紀におけるミノフスキー粒子に相当する設定は存在せず、レーダー技術やジャミング技術、ステルス技術の発展と、コロニー建設に用いられた汎用機器からMSが誕生したとされる。
なお、この世界におけるコロニー市民の多くは、試験管出産により、精子レベルで遺伝子操作を受けた親あるいは先祖を持つ、という設定がある。これはコロニーへの移住が始まった当初、コロニーにおける胎児及び母親の死亡率が極めて高かった事(胎児死亡率79%、母体死亡率55%)がその背景にある。これには宗教的理由から反対する声があり、アラブ系のウィナー家は当初、試験管出産及び精子の遺伝子操作を『神への冒涜』として反対していた。その姿勢を改めたのが、ガンダムサンドロックのパイロット、カトルの父であるザイード・ウィナーであり、29人いるカトルの姉は全員試験管出産である(カトル自身は母胎出産)。また、この遺伝子操作は、あくまでもこの問題を解決し、人口を安定させるために行われたものであるため、『機動戦士ガンダムSEED』におけるコーディネイターとは異なり、身体能力等には差はない。
[編集] アフターコロニー年表
- A.C.001 - 宇宙移民及びコロニー建設開始に伴いコロニー暦(After Colony/アフターコロニー)制定。
- しかし、未知の疾病や未発達なコロニーに起因する計画の失敗や、コロニー同士の紛争衝突が多発。
- A.C.102 - 最初のコロニーがラグランジュポイント1、通称L1ポイントにて完成。続いてL1コロニー群と呼ばれる軌道集落群が形成される。一方、地球上では国家間紛争が頻発し始める。
- A.C.133 - 紛争解決手段として「地球圏統一連合」発足、つづいて、統一連合軍創設。
- 激化していた紛争は圧倒的な軍事力をもつ連合軍によって制圧。
- 以降紛争の沈静化にともない、連合軍による組織存続のためのコロニーを含む小国への軍事介入が増加。
- A.C.147 - 地球圏統一連合、圧倒的軍事力によってコロニーへの武力侵攻、駐留を開始。
- A.C.149 - 各コロニーが母国の主導、管轄下で運営される事が承認され、一時的な安定を取り戻す。
- 各コロニーに第2次移民時代到来。
- A.C.165 - 指導者ヒイロ・ユイ登場。各コロニーの連帯感が啓蒙され、さらに高揚。
- A.C.175 - 指導者ヒイロ・ユイ暗殺。コロニーは再び統一性を喪失、混乱に陥る。
- A.C.175 - コロニーの治安維持を名目に連合軍が再派遣され、各コロニー間の連絡は断絶。
- A.C.175 - 北欧のサンクキングダムにおいて連合軍の介入による軍事クーデター発生。
- 王は死去、王子と姫を含む一族は行方不明。
- A.C.195 4月 - オペレーション・メテオ実施。秘密結社OZ打倒のため、5機のガンダムと5人の少年達が地球に降下。
- A.C.195 - オペレーション・デイブレイク実施。連合内に潜伏していたOZ決起により、地球圏統一連合崩壊。
- A.C.195 - オペレーション・ノヴァ実施。月生産されたMDが大量降下。OZトレーズ派と財団派による戦闘激化。
- A.C.195 - サンクキングダム崩壊。ロームフェラ財団MD部隊によるサンクキングダム制圧作戦。
- A.C.195 - アルテミス・レボリューション実施。ホワイトファング決起。巨大戦艦リーブラ、ホワイトファングに奪取される。
- A.C.195 - 宇宙要塞バルジ攻防戦。ガンダムエピオンによりバルジ陥落。
- A.C.195 12月24日 - EVEWAR終結。リーブラAブロックが大気圏に突入するもヒイロ・ユイ搭乗のウイングゼロにより撃破。
- 戦後、地球圏統一国家が発足される。
- 事件後アルトロンガンダムを除くガンダム4機を廃棄資源衛星に載せて太陽に向けて射出。
- A.C.196 12月25日- 「マリーメイア事変」発生。極秘裏に開発されていた新型モビルスーツサーペント、軌道上より大量降下。ガンダム5機とプリペンターの活躍により鎮圧。首謀者デキム・バートン死亡
- A.C.197 - テロ組織「次の政府」によるサンクキングダム城占領事件発生。
- A.C.19X - コロニーキャノン爆破事件。崩壊するコロニーキャノンから離脱するガンダムが確認される。
[編集] モビルスーツ『Mobile Suit』
モビルスーツを参照
[編集] 他のガンダム世界の紀元
- 宇宙世紀(U.C.)
- 未来世紀(F.C.)(『機動武闘伝Gガンダム』)
- アフターウォー(A.W.)(『機動新世紀ガンダムX』)
- 正暦(C.C.)(『∀ガンダム』)
- コズミック・イラ(C.E.) (『機動戦士ガンダムSEED』、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』)
[編集] 関連項目
- 新機動戦記ガンダムW
- 新機動戦記ガンダムWの登場人物
- 新機動戦記ガンダムW デュアルストーリー G-UNIT
- ガンダムシリーズ関連用語一覧
- スーパーロボット大戦64(本作の舞台がアフターコロニーの為。)