アニマルズ (アルバム)
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アニマルズ | ||
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ピンク・フロイド の アルバム | ||
リリース | 1977年1月23日 | |
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |
時間 | 41:39 | |
レーベル | キャピトル・レコード | |
プロデュース | ピンク・フロイド | |
レビュー | ||
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ピンク・フロイド 年表 | ||
炎~あなたがここにいてほしい (1975) |
アニマルズ (1977) |
ザ・ウォール (1979) |
アニマルズ (Animals) は、1977年に発表されたピンク・フロイドのアルバム。ジャケット写真や社会風刺の内容も相まって、話題を呼んだ作品。全英2位、全米3位を獲得した。
当時、既に世界的なビッグ・バンドとなっていたピンク・フロイドにとって、ひとつのアルバムを出すことすら大きなプレッシャーであった。そんな苦しい状況下で制作されたアルバムである。
本作は人間を動物に喩え、痛烈な社会批判のメッセージが込めらたコンセプト・アルバムである。資本家や政治家が豚に、エリート・ビジネスマン(いわゆる「勝ち組」)が犬に、平凡な労働者が羊に、それぞれ喩えられている。この着想はジョージ・オーウェルの寓意小説『動物農場』に影響を受けたとされるが、豚はともかく、犬や羊の位置付けは、この小説とは異なっている(『動物農場』では犬も羊も「権力の走狗」的存在)。
『狂気』(1973年)以降はロジャー・ウォーターズが全作詞を行ってきたが、本作においては「Dogs」でのデヴィッド・ギルモアとの共作を除いて、すべての作詞作曲を手掛けている。「Dogs」は、自分達のことも含めて語っているようで、やや屈折した歌詞である。「Pigs (Three Different Ones)」の資本家・政治家批判は、過激ではあるが単純過ぎると評されることもある。一方、アルバムの冒頭と末尾に置かれた小品は、奇妙なラブソングで、不思議な余韻を残す。
サウンド面では、それまでの立体的・幻想的なものから、非常に平面的でタイトな音に変わっている。プログレッシブ・ロックというジャンル自体が衰退している中で、彼らの音楽思考も大きく変わりつつあった。それでも、SE(効果音)やシンセサイザーを駆使したサウンドは流石と言える。
アルバム・ジャケットは、ロンドンのテムズ川沿いにあるバターシー発電所の上空を豚が飛んでいるという印象的なもの。CGによる合成写真ではなく、実際に巨大な豚の風船を飛ばして撮影された。 ただし、このジャケットのクレジットを巡る行き違いで、ウォーターズは、古くからの仲間であるヒプノシスと決別している。
[編集] 収録曲
- Pigs On The Wing 1
- Dogs
- Pigs (Three Different Ones)
- Sheep
- Pigs On The Wing 2