アウザール
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アウザール(Authaal、1983年 - )は、アメリカ合衆国で生まれ、アイルランドとオーストラリアで調教された競走馬。僅か1世代の産駒を残し誘拐されたシャーガー産駒の1頭。1986年にアイリッシュセントレジャーを、1988年にクイーン・エリザベスステークス、アンダーウッドステークスを制した。全18戦7勝。引退後日本に輸入されるが、イブキラジョウモン(中日スポーツ賞4歳ステークス)以外に大した産駒を残せず2001年に種牡馬を引退している。日本におけるフェアウェイ系(ファラリス系の分枝の1つ)の支配率は低く、また世界的に存続の危機に瀕しており、またシャーガー産駒唯一のG1勝ち馬だっただけに残念がるファンもいる。
[編集] 父に関するエピソード
父のシャーガーは1981年のイギリスダービーをレコードで勝ち、同年引退した。フェアウェイの血を受け継ぐ種牡馬として期待されたが、2年後の1983年2月8日、謎の6人組の男に誘拐された。くしくもその年に生まれたのがアウザールであった。引退後アウザールは種牡馬として日本に輸出され、加えて他のフェアウェイ系種牡馬の多くも早世、失敗したことでヨーロッパにおけるフェアウェイの直系は先細りになった。今日欧州ではエラマナムー(キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス等)等の後裔が僅かに残っている程度である。一方、当時の日本ではフェアウェイ系の種牡馬は少なく、新しい血統として期待されたが、アウザール以下フェアウェイ系は今尚日本においてもその勢力を拡大できずにいる。詳しくはシャーガーの項目を参考にされたい。