りんくうゲートタワー

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りんくうゲートタワービル（泉佐野市）

りんくうゲートタワービル (Rinku Gate Tower Building) は、関西国際空港の玄関口りんくうタウン地区（大阪府泉佐野市りんくう往来北＝おうらいきた＝）に1996年に竣工した56階建て・高さ256mの超高層ビルで、大阪ワールドトレードセンタービルディングと同じ高さ、横浜ランドマークタワーに次ぎ日本で2番目の高さを誇る。メートル以下の差があるとして、りんくうゲートタワービルが日本3位のビルとする説もある。

総工費は約650億円で、「全日空ゲートタワーホテル大阪」と「インテリジェントオフィス」（賃貸形式の事務所）・同時通訳設備を持った800平方メートルの「国際会議場」などで構成される。運営会社で大阪府の第三セクター法人のりんくうゲートタワービル株式会社が会社更生法の適用を申請し破綻したため、2005年12月より民間会社のベスト・プロパティ社による運営となっている。

ちなみに、建物の縦横比は1:4.72（横:縦）であり、縦横比は縦の数値が大きければ大きい程美しいと言われる。日本の超高層ビルは、縦横比が1:3前後の建物が多い。

[編集] 開発計画

当初、関西国際空港に付帯する施設として同じ設計のビルを対称に2棟建設するツインビルとしていた。関空島へ一直線に伸びる連絡橋の入り口に位置し、空港交通路の双方に超高層ビルが建ち空中ブリッジでつながるという、正に関空玄関口の象徴になる予定であった。しかしバブル崩壊により資金が不足、現状1棟のみを建設し営業している。

[編集] 現況

24時間空港である関西国際空港の宿泊客を見込み、全日空ゲートタワーホテル大阪（ANA Gate Tower Hotel Osaka=略称はANA GTH=）が核施設として入居しているが、空港には近いが大阪市内へは遠く（和歌山県や兵庫県淡路島方向へは比較的至便）、そもそも関西国際空港の利用者自体が少なかったり、深夜の空港島との交通機関がタクシーに限られ、利便性のあるホテル日航関西空港や、宿泊料が廉価な泉佐野市内の他ホテルなどの競合も有るなどの要因で、一般のレジャーやビジネスによる宿泊客だけで客室が埋まる程の稼働率が平常時には無いが、空港に近いため全日空などの各航空会社の乗務員の勤務上の宿泊施設としても利用されている。

(一般人が入れる最上階である)54階からの展望はゲートタワーホテル内のラウンジ「スターゲート256」か「カラオケ倶楽部256」に入らないと不可能である。

ホテルの客室はシングルルームでも最低28階以上からなので、海上に発着する飛行機や大阪湾岸が良く見え、特に夜景は美しい。

また、ホテル客室は関西国際空港・淡路島方面が眺められる「エアポートビュー」と、市街地側の眺めが広がる「ハイウェイビュー」に分けられており、ハイウェイビューよりエアポートビューの客室料が若干高く設定されている。

[編集] 経過

バブル経済期にりんくうタウンが開発され、現在と比べると高価格な地価と建築費が重荷となり、大阪市内からほど遠い当地のオフィスも空室が目立ち（入居者は民間企業が主体だが大阪府関係の事務所も存在する）、賃料収入も低調な状態で開業以来毎年赤字の状態が続き、さらに前記の通りホテルの利用者数も予想より低調で、ホテル運営子会社であるゲートタワーホテル社の特別清算（負債額77億円）も足かせとなり、2005年4月にりんくうゲートタワービル社は会社更生法の適用を申請し認可された。負債額は約463億円（累積赤字は2004年度で約623億円）である。その後、新生銀行とケネディクスの企業連合がスポンサーとなり、45億円という総工費・負債額の10%未満の価格でビルが売却された。（ゲートタワービル社は更生手続終結まで存在する見込みである。）

大阪府の支援策として、府関係事務所などはそのまま入居を続け、融資(無利子)した63億円全額を債権放棄し、さらに公共性の高い「国際会議場」と「てんぼーるりんくう」の運営維持のために、同じ第3セクターの「臨海・りんくうセンター」（→りんくうタウン参照）に運営を委譲し、大阪府が「臨海・りんくうセンター」（当時）を通じて運営資金として、りんくうゲートータワービルに今後10年間で約30億円（支出額は約34億円）を支払うこととしている。

なお、展望ホール「てんぼーるりんくう」が竣工当時より26階にあったが、入場者数が著しく少なく採算割れの状態が長らく続いたため、ビル運営会社が変わる前日の2005年12月25日をもって閉鎖された。

一方で国際会議場については、同時通訳システムを利用したものが年間0～2件程度（1996年は8件）で、それ以外の一般会議でも3日に1回程度利用されている。ただし中小規模の会議場の稼働率は上々という。