こどものじかん
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『こどものじかん』は、私屋カヲルによる漫画作品。「COMIC HIGH」(双葉社)で2004年3月創刊号に読み切り作品として掲載され、第5号から正式に連載されるが同誌が6号で一旦休刊したのに伴い連載終了。その後、2005年4月に新装刊した「コミック・ハイ!」Vol.1(漫画アクション増刊・2005年5月22日号)で「COMIC HIGH」時代の設定を全てリセットした上で連載を開始し、現在に至る。
単行本化されているのは「コミック・ハイ!」掲載分のみであるが、旧「COMIC HIGH」掲載分の単行本未収録話(全3話)は双葉社とデジブックジャパン他が2006年4月28日にオープンしたWebサイト「COMIC SEED!」で順次、無料配信されている。
略称は「こじか」。
目次 |
[編集] 作品概要
年度途中で、とある小学校に赴任した、まだ新任の青年教師・青木。着任してすぐ、3年1組の担任になるが、そのクラスはある問題が起き、前任の教師が辞めたところであった。
教師による児童いじめ、逆に児童による教師いじめといった、現実の教育現場で起きている問題をモチーフに、個性的すぎる児童たちに振り回されつつ、困難な問題の解決に努力する若き教師の苦悩と成長を描く。
りんの奔放さ、とくにあけっぴろげに青木を誘惑するシチュエーションで話題を呼び、1巻の初版は瞬く間に入手困難となった。後に専門店では新刊を900冊近く山積みにするところも出た[1]。
ただしあくまで一般向け作品であり、扇情的な場面で読者を引っ張りながら、子供と大人の交流の難しさなどのシリアスな要素を読ませる面もある。作者自身もまた「一般誌の限界に挑戦」しつつ「エロ漫画ではない」と語っている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 主な登場人物
- 青木 大介(あおき だいすけ)
- 本作品の主人公。男性の小学校教師。まだ教師になりたての23歳。恋愛に関しては奥手で、独身。特定の彼女はいない。“初体験”も、まだ。
- 眼鏡をかけている。体格は普通で、心身ともに健常。
- 双ツ橋小学校に、年度途中から赴任。「子どもたちに頼られる、お兄さんのような先生」を目指している。3年1組の担任。仕事熱心だが、経験不足ゆえマニュアルに頼りがちなところもある。
- 基本的には優しく、また若干優柔不断なところはあるが、悪いことは悪いと叱ったりできるだけの正義感と厳しさも兼ね備えている。
- 動物が好き。学校に迷い込んで来た猫を追い出すようなことはしない。
- なぜか、りんのきわどい姿(パンツ1枚や、ベビードール姿など)を目にすることが多い。
- ファーストキスは、りんに奪われた。
- 九重 りん(ここのえ りん)
- 小学3年生の少女。双ツ橋小学校の3年1組に所属。
- 朱鷺色でボリュームのある超ロングヘアーを、大きな玉が2個ずつ付いた髪留めゴムでツインテールにしている。それぞれのテールの先端付近も、同じ玉つきの髪留めゴムでまとめている。ツリ目。
- 体格は、小学3年生としては標準的な身長だが、やや痩せている。
- 表面上は、明るく活発。それだけに、ショートパンツや裾の広いスカートなど、動きを妨げない服装を好む。
- 性格も表面上は明るいが、大人(特に教師)を恐怖に陥れる手段はいくらでも知っていて、なおかつそれらを効果的に使う術も知っている。
- 非常に友だち思いで、親友がいじめられたりすると、相手が教師でも容赦しない。前の担任(中村)を辞職に追いやった張本人。
- 実は、根は非常に素直で、自分が正しいと思うことに対して、それを主張するために、あらゆる手段を使うというだけ。
- 新たに担任になった大介が気に入ったらしく、「彼女」になろうとしている。しかし「子供」扱いしかされず寂しく思うことも。
- 大介へのアタックは積極的で、何かと気を惹こうとする言動を取る。男子トイレで用足し中の大介の背後から、脇の下に頭を突っ込んだりしたほど(当然、この時に大介の股間を“直接”見ている)。
- 母親はすでになく、父親とは別居中。親戚の青年と2人暮らしをしている。
- 成績は、ふだんはあまりよくないが、本気になれば簡単に100点を取る。実は、頭は非常によい。嫌いな科目は全く勉強しないのか、大介に「教科によってムラがあり過ぎる」と注意されたことも。
- 携帯電話には「RIN」というロゴのついたストラップを付けている。
- 鏡 黒(かがみ くろ)
- りん、美々のクラスメイトで親友。
- 深緑色のロングヘアー。特にまとめてはいないが、カチューシャを着けることはある。
- 自宅は金持ちで、お嬢様。私立に入れられそうだったが制服が嫌で拒否し、公立校に通っている。いつも目立つ服装をしている。メイド風や、猫耳・しっぽつきという姿を見せたこともある。
- 身体の発育はあまりよくない。小学1年生程度の体格。
- 性格は、ふだんは物静かで冷めているが、時に激昂することもある。
- 身体に合っていなかった美々のブラジャーをブルセラショップに売って買い替え資金にする等、りんよりも大人びたしたたかさも持っている。
- りんが大好きで、りんの心を奪った大介を敵視している。
- 成績は、そこそこ良い。しかしガタガタだったこともあるのか大介に「やれば出来る!」とやたら励まされたことも。
- 携帯電話には、骸骨のフィギュアがついたストラップを付けている。
- 宇佐 美々(うさ みみ)
- りん、黒のクラスメイトで親友。
- カーキ色の、ボリュームのあるロングヘアーを2本の大きな三つ編みにしている。眼鏡をかけている。
- 非常に内気で、親友のりん、黒以外とはほとんど話さない。見かけの通り、本が好きな文学少女。
- 身体の発育が極めて早熟で、すでに胸がかなり大きくなっている。クラスで唯一、ブラジャーを必要としているほど。本人も、これが大きな悩みになっている。
- 性に関する知識は他の2人に比べて疎く、授業中突然「何でおちんちんが大きくなるんですか?」と大介に質問したことも。
- 前の担任によるいじめに遭い、登校拒否になっていたが、大介により心を開き、再び登校するようになった。
- 成績は極めて優秀。登校拒否になる前は、オール5を取っていた。
- 携帯電話には、2ちゃんねるのアスキーアートキャラクターらしきマスコットのついたストラップを付けている。
- 登校拒否中の学校の様子は、りんや黒が携帯電話のメールで知らせていた。
- 宝院 京子(ほういん きょうこ)
- 大介の隣のクラス、3年2組の担任である女性教師。
- 職員室でも机が大介の隣で、大介の指導担当ということもあり、何かと大介の相談に乗っている。体育会系なのか服装はジャージ姿が多い。水着は学校のプールでも何故かビキニ。
- 大介を、当初は「放っておけない弟」のように見ていたが、次第に淡い恋心を抱くようになっている。ときに、りんに対して激しく嫉妬することも。
- その名の通り (?) 、胸が大きい。大介に初めて名乗った時に、よく聞き取ってもらえず「ぼ…ぼい…?」と驚かれたり、下校時に児童たちから「せんせー、ぱいぱーい」と言われたりするほど。
- 同僚の男性教師
- 本名不明。大介や京子の同僚の教師。
- 角刈り風の短髪で、太めの眉に線目の、少しごつい外観。ふだんからジャージやポロシャツを愛用する体育会系。ただし、性格は穏和。
- 職員室では、机が京子の隣(大介とは京子を挟む位置)。京子が新人の頃、指導担当であった。
- 京子とは、指導担当の頃から体育会系つながりということもあり、仲がよい。後輩の面倒見がよく、大介や京子の相談にもよく乗っている。
- 白井
- 大介や京子の同僚の教師。
- 眼鏡をかけ、ロングヘアーをポニーテールにしている。
- 自分の知性や能力に対するプライドが非常に高く、いつも自信にあふれた態度を取っている。
- 非常に合理的な考え方で、児童のプライバシーに介入することは何の役にも立たないという理由により、家庭訪問廃止論を声高に振りかざす。
- その一方で事なかれ主義的なところもあり、りんの自宅を勝手に訪問した大介を「PTAから苦情が来たらどうするのか」と詰問したほど。
- 中村(なかむら)
- 大介の前に、3年1組の担任だった男性教師。直接は登場していない。児童たちには「ナカムー」と呼ばれていた。
- 美々に対して、様々な傷つける発言を繰り返し、登校拒否に追いやった。
- りんに報復され、指導に悩んだあげく情緒不安定となり、最終的には退職することになった。
- レイジ
- りんと同居している青年。りんとは仲よく暮らしている。
- 落ち着いた風貌だが、ツリ目で、やや謎めいた雰囲気がある。
- りんの母親・秋の従弟。4年前に事故で両親を失い、当時まだ存命だった秋に引き取られた。その時、すでにりんの父親は別居しており、後に秋が死亡したため、現在はりんと2人で暮らしている。
- 秋を愛していて、その忘れ形見であるりんも大事にしている。
- 大介がロリコンではないかと疑惑を抱いている。
- 九重 秋(ここのえ あき)
- りんの母親で、すでに故人。
- かつて、つきあっていた男性との間にできた子(りん)を堕ろせと言われたため、その男性と別れて出産し、女手一つでりんを育てていた。後に、両親を亡くしたレイジも引き取る。
- レイジとはその後愛し合うようになっていたが、肺ガンにかかってしまう。ガンということがわかった時点ですでに手遅れで、レイジの懇願で2か月は治療を受けるものの好転せず、りんの養育費のために延命治療を断り(半年分の延命の費用が、りんの3年分の養育費に相当)、自宅に戻った。
- 残り少ない余命を自宅でりん・レイジと過ごし、りんが小学校の入学を迎える直前、りんが回復を祈って折った大量の千羽鶴の中で息を引き取った。
- ニャー
- 小学校に迷い込んで来た、雄の野良猫。当初はガリガリに痩せていて、りんたちが給食の牛乳などを分け与えていた。
- いじめられていたらしく、人間不信になっていたが、木から降りられなくなっていたところをりんに救われ、りんたちにはなつくようになった。
[編集] 主な舞台
- 双ツ橋小学校(ふたつばししょうがっこう)
- 大介が赴任した小学校。りんたちが通う。
- 大介は、りんたちが所属する3年1組の担任。
- 服装は自由で、特に黒やりんは様々なスタイルを見せている。
- 普通の小学校が抱えている程度の、様々な小さい問題があるらしいが、警察沙汰やマスコミの注目を浴びるような大事件は起きていない(但し、単行本未収録の第1話では校長がりんのパンツを脱がそうとして捕まり、報道されている)。
[編集] 書誌情報等
[編集] 単行本
双葉社より「High アクションコミックス」として刊行されている。
- 2006年1月12日初版 ISBN 4575831778
- 2006年8月12日初版 ISBN 4575832618
米国ではセブンシーズ・エンターテインメントが2007年4月より「Nymphet」のタイトルで刊行予定[2]。
[編集] 外部リンク
とらのあなインタビュー 作者インタビュー記事