おちんちん
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おちんちん(御珍々、または雄珍々と漢字で書く場合もある)とは、男性生殖器(特に陰茎)を表現する幼児語である。同じく幼児語の同意語で、ちんこ、おちんこ、ちんちん、ちんぽ、ちんぽこ(漢字で「珍矛」とも)、ちんぽうとも言う。このように表現する場合は、主に思春期以前の未成熟な幼児や児童の男性生殖器を指す場合が多い。またMTFの性同一性障害の人たちの中には、陰茎とかペニスといった言葉に嫌悪感を感じる人々も存在し、これらの言葉を回避した婉曲的な表現として「オチンチン」という表現を用いる人達もいる。
[編集] 概要
通常、体の外部前面に飛び出す格好で付いている男性生殖器は、男児が日常生活において、排尿の際に頻繁に目にするものであり、また、介助無しで排尿行為を学習するためにも必要不可欠な単語でもあるため、手や足などと同様の自分自身の体の一部の呼称として、早い段階でこの単語を習得する。幼児言葉とも言われているのはそのような所以あってこそで、本来ならば猥褻な意味を有することのない、いたって健全な単語である。実際に小便小僧などの像などにおいても、殆どの人がこの表現を使用する。しかし、大抵の成人向けの作品では伏せ字にされることが多く、アダルトビデオなどの成人を対象にした性的な内容の媒体において、登場する女性自身におちんちんと言わせたがるなど、卑猥な表現のひとつとしてしばしば誤解されることも多い。
小学生を中心に未成年がふざけて使うことも多い俗語の一種であるが、近年では社会に氾濫する性的情報に対して、早い内から正しい性教育を行うことで、年々低年齢化する性風俗の乱れを正そうという動きもあり、幼児や児童向けに性教育を行う場合において、ペニス等の日常においてはあまり耳にしない専門用語の代用として用いられる。
またそのような社会情勢に併せて、従来は禁忌のように扱われ、その扱いから不浄な物であると言う誤解や、適切な呼称が無い事から来る欠陥や欠落を連想させかねない状況を改善すべく、女性生殖器の健全な呼称として、めちんちん(雌珍々と漢字で書く)という表現を定着させようと言う提案も成されているが、なかなか浸透しにくいようで一部の人々からは「マンコ(俗語)でいいではないか!」と、あえて俗語の浸透を勧める声もある。
[編集] その他
- 犬の学習行動に於いても、おちんちんと言う言葉を使用する事がある。例えば、「お手」は犬から見て左前足、「お代わり」は犬から見て右前足を差し出す事だが、「おちんちん」は両前足を上げて立ち上がる行為の呼び方でもある。「鎮座」に由来するという説がある。
- なお、方言でお湯などが沸騰して熱くなっている様子を表す擬態語に「ちんちん」があるが、男性器とは何の関係もない。イントネーションも異なる。
- 「嫉妬、やきもち」を表す俗語でもあり、男女の仲むつまじいさまを表す「ちんちんかもかも」という言葉もある。
- また、おちんちんと同じ頻度で使われている「ちんぽ」という単語は仏教用語の「珍宝」が由来する。
- 一部の辞書などには、小さいことをあらわす接頭語「ちん-」と槍に似た武器である矛(ほこ)から「ちんぼこ」となり、さらに訛って「ちんぽこ」、短縮化して「ちんぽ」となり、これが幼児語として「おちんちん」と変わったとされている。