うちわ
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うちわ(団扇)とは、竹で作った放射線状の骨組みに紙を貼り、扇ぐことによって風を起こせるようにした日本の伝統的な冷房器具。団扇の語は、中国から伝わった。扇風機やエアコンなどの冷房器具が多くある現在においても多様な場面で使用され、夏の風物詩の一つでもある。
最も古い団扇の例は、古代エジプトの壁画に巨大な羽根団扇を掲げた従者の図が見られる。
安価な実用品であるうえ、目立つため、日本では販売促進品(販促品)の一つとしてよく用いられる。夏になると町中で広告を印刷された団扇が配られることもある。
加工しやすいことやコストが低いことから、骨組みには伝統的な竹に換わってプラスチックが用いられているものが大半となっている。ただ、プラスチック製は、重いため扇ぐと竹のものに比べて疲れる。そこで、持ち手がなく、丸く切った厚紙に指を通す穴のみが開いている製品もある。こちらも販促品としてよく用いられる。ただ、傷みやすい。
また、持ち歩きやすいよう、折り畳みのうちわというものも存在する。
うちわは非常に簡単な作りであるため、近年はパソコンなどで自分の好きな写真などを加工して印刷し、オリジナルのうちわを作ることのできるキットも販売されている。
涼を取る以外の用法として、風送りとして炭などを効率よく燃焼させたり、寿司飯を作る際に手早く米飯を冷ましたりするのにも用いられる。
神事にも使用され、例えば祭では両手で持つ大きなものが用いられ、相撲においては軍配団扇(ぐんばいうちわ)として行司が使用する。
[編集] 種類
- 網代うちわ
- うちわの面の部分が網代になったもの。
- 絵うちわ
- 面に絵が描いてあるもの。江戸時代には浮世絵風の絵柄が好まれた。
- 岐阜うちわ
- 岐阜で産出されるうちわのことだが、漆を塗った漆うちわと、雁皮紙(がんぴし)と呼ばれる薄い紙を貼ってニスを塗って透明感を出した水うちわがある。また渋うちわを含むことがある。
- 絹うちわ
- 京うちわ
- 別名都うちわ。面の部分と柄の部分を別々に作成して最後に柄に面を挿す、挿柄と呼ばれる技法が特徴。宮中でも用いられた歴史があり、優美な雰囲気を持つ。
- 渋うちわ
- 羽うちわ
[編集] 関連項目
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