鮮魚列車
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鮮魚列車(せんぎょれっしゃ)とは、日本国有鉄道(国鉄)や私鉄がかつて運行していた魚介類輸送のための貨物列車。ここでは関連して、近畿日本鉄道(近鉄)では「鮮魚列車」の名で運行する、行商人のための団体専用列車である行商人専用列車についても解説する。
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[編集] 鮮魚列車
[編集] 国鉄の鮮魚列車
特に地方の漁港で水揚げされた鮮魚を首都圏や近畿圏といった大都市圏に輸送する貨物列車であり、中でもレサ10000形・レムフ10000形で構成された特急貨物列車「とびうお」・「ぎんりん」は代表的な列車であった。
[編集] 私鉄の鮮魚列車
大手私鉄では、京阪電鉄などが鮮魚などの食品輸送を行っていた。主に電動貨車や貨物列車を使用しており、営業用電車からの改造車や新規に製作された車両もあった。
地方私鉄では気動車の端に「鮮魚台」と呼ばれるカゴを設置して、乗客とともに鮮魚を輸送していた。大手私鉄と同様に電動貨車や貨物列車での輸送も行われた。
[編集] 行商人専用列車
行商人とともに物資を輸送する列車はあまり見られないが、関東大震災を契機に千葉県から東京都への野菜の行商が始まり、専用列車として京成電鉄の野菜行商人専用列車、通称「なっぱ電車」が走り始めた。
また近畿日本鉄道(近鉄)では、魚介類を一般列車に持ち込むと悪臭など他の客の迷惑になるため、「伊勢志摩魚行商組合連合会」のための専用車両・列車を仕立てることになり、1963年に「鮮魚列車」(上記の鮮魚列車とは異なる)として魚介類行商人のための団体専用列車が運行を開始した。このため駅の行先案内表示は「貸切」となっている(車両の表示は「鮮魚」)。
[編集] 近鉄鮮魚列車の停車駅
宇治山田駅 - 伊勢市駅 - 松阪駅 - 伊勢中川駅 - 榊原温泉口駅 - 伊賀神戸駅 - 桔梗が丘駅 - 名張駅 - 榛原駅 - 桜井駅 - 大和八木駅 - 大和高田駅 - 鶴橋駅 - 上本町駅
[編集] 近鉄の鮮魚列車用の車両変遷
[編集] 現状
その後の道路網の拡充により、トラックが幅を利かせるようになると次第に消滅していく。
国鉄の鮮魚列車はJR貨物に承継されることなく、1987年までにその歴史を閉じた。
私鉄で運行されていた鮮魚列車や行商人専用列車も地方私鉄の相次ぐ廃線や合理化で廃止され、貨物を運ぶ鮮魚列車は消滅した。行商人専用列車も縮小し、最後まで運行されていた京成電鉄の「菜っ葉列車」も次第に縮小され、1982年からは最後尾1両だけの貸切で運行されている。また近鉄の「鮮魚列車」は、自動車の普及などにより利用客が減少したものの、現在でも平日・土曜の朝に近鉄大阪線・近鉄山田線の宇治山田駅~上本町駅間で、夕方に上本町駅~松阪駅間で運行が行われている。車両は、2001年以降は2680系3両編成が使用されており、専用車として赤一色の塗装(先頭部は一部白)がなされている。また、車両検査中は2610系が代走することもある。
[編集] 外部リンク
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