都電杉並線
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都電杉並線(とでんすぎなみせん)は、西武鉄道の西武軌道線(せいぶきどうせん)から東京都交通局へ譲り渡され、都電14系統として運営されていたものであり、新宿付近と荻窪付近を結んでいた路線である。
青梅街道上を走る路線であったことから、同じ青梅街道の地下に建設され1962年に開通した営団地下鉄丸ノ内線(旧・荻窪線)と競合関係となったため、1963年と早い段階で廃止。都電では唯一、線路幅が狭軌だった。旧都電杉並車庫の現在は都営バス早稲田自動車営業所杉並支所となっている。
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[編集] 路線データ
- 軌間 : 1067mm
- 路線距離 : 7.3km
- 停留所数 : 19(最終時)
- 複線区間 :
- 電化区間 : 全線
[編集] 歴史
- 1921年8月26日 西武軌道により、淀橋-荻窪間を開業。
- 同年10月1日 西武軌道、武蔵水電に合併。
- 1922年6月1日 武蔵水電、帝国電燈に合併。
- 1922年11月16日 帝国電灯は鉄道部門を独立させて武蔵鉄道に鉄軌道事業を譲渡、同社は西武鉄道(旧)に社名を変更した。
- 1922年12月 淀橋-角筈(山手線ガード下・西武新宿駅)間開業。
- 1926年9月 角筈-新宿駅前(スタジオアルタ脇)間開業。
- 1935年12月27日 西武鉄道(旧社)、東京乗合自動車(青バス)に新宿軌道線の経営を委託。
- 1938年4月25日 青バス、東京地下鉄道に吸収合併される。
- 同社は引き続き西武鉄道(旧社)から新宿軌道線の経営を受託する。
- 1942年2月1日 東京市が東京地下鉄道から新宿軌道線の運営管理を引き継ぐ。
- 1944年 角筈一丁目(上記の角筈)-新宿駅前間休止。
- 1943年7月1日 東京都制施行。東京市電気局を東京都交通局に改組。
- 1951年4月5日 西武鉄道(西武鉄道(旧社)を合併)より正式に同社新宿軌道線を買収。杉並線とする。
- この時買収した区間は、実際に運行していた角筈一丁目-荻窪駅前間。
- 1963年12月1日 杉並線 新宿駅前-荻窪駅前間、営団地下鉄丸ノ内線と競合関係となったため廃止。
[編集] 停留所一覧
最終時点。カッコ内は現在の丸ノ内線の近接駅。
- 新宿駅前(新宿):角筈(つのはず)とも言った。当初は現在のスタジオアルタ脇にあったが、戦後新宿大ガード手前まで後退。当初の場所から後退部分までの箇所(西武新宿駅前)は東京都には譲られず、現在も西武新宿線の新宿駅延伸用の免許路線として存置。
- 柏木一丁目
- 成子坂下(西新宿)
- 本町通二丁目(中野坂上)
- 本町通三丁目
- 鍋屋横丁(新中野)
- 本町通五丁目
- 本町通六丁目
- 高円寺一丁目(東高円寺)
- 高円寺二丁目
- 蚕糸試験場前
- 杉並車庫前(新高円寺)
- 馬橋一丁目
- 馬橋二丁目
- 阿佐ヶ谷
- 杉並区役所前(南阿佐ヶ谷)
- 成宗
- 天沼
- 荻窪駅前(荻窪):当初は荻窪駅南口にあったが、のち天沼陸橋を越え荻窪駅北口に変更。
[編集] 接続路線
新宿駅前
- 都電11系統(新宿駅前~四谷見附~銀座四丁目~月島通八丁目)
- 都電12系統(新宿駅前~四谷見附~須田町~岩本町・両国駅前)
- 都電13系統(新宿駅前~飯田橋~万世橋~水天宮前)