都道府県警察航空隊
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都道府県警察航空隊(とどうふけんけいさつこうくうたい)とは、全国の都道府県警察本部に所属し、ヘリコプターを使用して、各種警察活動を行う組織である。
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[編集] 任務
- パトロール(警ら)活動
- 犯人の捜索・追跡活動
- 交通状況調査、交通情報の提供、交通安全広報活動
- 公害事案の監視活動
- 廃棄物不法投棄等の監視活動
その他、山岳警備隊が置かれている県の警察では、山間部における救助活動を行う。
また、大規模災害発生の際には、広域緊急援助隊を速やかに被災地に派遣し、重大事件(テロ)発生の際には、特殊急襲部隊(SAT)を現場に展開させる等の活動を行う。
[編集] 装備
配備されているヘリコプターの種類や保有数は、都道府県警察により異なる。
主にアメリカ、ベルヘリコプターテキストロン社製の「ベル206」や、「ベル412」、川崎重工業製の「BK117」、ヨーロッパ(EC)、ユーロコプター社製の「AS365ドゥーハン」等を使用している。
また、警視庁、大阪府警察、千葉県警察の航空隊には、ユーロコプター社製の「AS332スーパーピューマ」が配備されている。スーパーピューマは大型のヘリコプターで、海上保安庁の特殊救難隊や、特殊警備隊(SST)も使用している。
さらに、一部の警察は山岳警備、救助活動用にイタリア、アグスタ社製の「A109」型を使用している。
一部のヘリコプターは、テレビカメラで地上の状況を中継する「ヘリコプターテレビシステム(通称ヘリテレ)」や、夜間飛行用の赤外線カメラ、ロープ降下用の器具等を装備している。
また、山岳警備隊が配属されている地域では、救助用の各種機材を装備している。
[編集] 航空隊のテロ対策機
近年、一部地域の航空隊に、テロ対策機能を強化したヘリコプターが配備されている。中型ヘリコプター「ベル412EP」に、夜間飛行用の赤外線カメラや、電線を切断するためのワイヤーカッター等を装備したもので、機体は坑弾仕様であると言われている。これらのヘリコプターは特殊急襲部隊(SAT)と連携して運用するため、SATが置かれている都道府県に配備されている。
各機体の所属、名称、登録番号は以下のとおりである。
これらのヘリコプターは必ずしも「SAT専用機」ではなく、航空隊の警戒飛行にも使用され、防災訓練の際には、広域緊急援助隊等も使用する。また、これらの機体だけで、多数のSAT隊員を搬送することは不可能であるため、他の航空隊機も併用するといわれている。
千葉県警察、神奈川県警察、沖縄県警察にはSATが置かれているが「ベル412EP」が配備されていないため、代替機として、「スーパーピューマ」や「ドゥーハン」を使用している。
[編集] 隊員
隊員はパイロット、「ヘリテレシステム」等を操作する搭乗員、整備員等の役割に分かれている。
パイロットは外部で研修を受けさせて養成することが多いが、陸上自衛隊のパイロットを幹部待遇(警部)で採用することもある、と言われている。