軽装甲機動車
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軽装甲機動車(けいそうこうきどうしゃ)は、主に陸上自衛隊の普通科に配備されている軽装甲車両である。2002年(平成14年)度から部隊配備が開始された。
陸上自衛隊のイラク人道復興支援活動部隊に用いられていたことで世間によく知られるようになった。「ライトアーマー」との愛称が定められてはいるが、部隊にはさほど浸透しておらず、英語の頭文字をとって「LAV」という略称で呼ばれることが多い。
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[編集] 概要
防衛庁技術研究本部と小松製作所によって開発され小松が量産している。現在、既に装甲化が済んでいる第2・第7師団以外の各普通科部隊への配備がこの手の装備としては異例の速さで進んでおり、平成14年の制式化以来毎年、年間調達数は100両を超えており、2005年(平成17年)度には160両、2006年(平成18年)度には180両の調達が予定されている。更に航空自衛隊も基地警備部隊向けに導入を行っており、平成17年度に8両、平成18年度にも8両の調達が予定されている。生産数は平成17年度調達分(空幕含む)までで736両である。平成19年度も173両の調達が計画されており、今後もこのような大量調達がつづくとみられる。
まれに、車体に日の丸などを貼った車両があるが、国内の運用車両では広報用を除き、実際このようなものは無い。よく知られるイラク派遣部隊の車両は武装勢力から攻撃対象にされること防ぐために、随所に国旗をあしらい、英語とアラビア語で「Japan」と表記されている。また、塗装も他国の軍隊の車両と異なり、砂漠用に塗り直さずにOD色のままである。これ等によって戦闘や治安維持を目的としない人道復興支援活動部隊である事を強調していた。
国連のPKO部隊でも使われているフランス、パナール社のVBL(Vehicule Blinde Leger)にデザインが似ており、陸上自衛隊の派遣先であったサマーワ地域で活動していたオランダ兵の中には本車種をパナール社製だと信じて疑わない者も居た様だ。アメリカ軍ではこの種の車両を汎用車両であるハンヴィー(HMMWV)に装甲を施すことで対応しているが、急造装甲車の域を抜け出せていないようである。同種の車両にスイスのイーグルなどがある。
2004年(平成16年)にタミヤがイラク派遣仕様を1/35スケールでプラモデル化しており、海外ではむしろこちらで同車の存在を知ったミリタリーファンも多い。タミヤからは更にラジコンカーが市販され、2006年にはタカラトミーからトミカとしても販売されており、人気のほどがうかがえる。
[編集] 仕様
[編集] 車体
- 全長:4.4m
- 全幅:2.04m
- 全高:1.85m
- 空車重量:約4.4t
- 戦闘重量:約5.5t
- 乗員:4名
- 行動距離:約500km
- 最高速度:約100km/h
- 登坂能力:60%
- 製造:小松製作所
- 価格:約2,625万円(平成17年度調達価格)
[編集] 武装
固有の兵装は持っていないものの、全周旋回可能な車体上面ハッチの防楯に5.56mm機関銃MINIMIまたは89式5.56mm小銃を据え付けて射撃することができる。上面ハッチ上からは01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)を発射可能である。また、一部の車両は4連装発煙弾発射機を2基備えている。
2006年1月に行われた「平成18年度第一空挺団降下訓練始め」の訓練展示では、12.7mm重機関銃M2を装備(第1空挺団が訓練展示へ向けて独自改造)した車両が登場し空砲による射撃を行った。また、各地駐屯地で行われる創立記念行事での訓練展示では、87式対戦車誘導弾を装備した車両や、上面ハッチ上から84mm無反動砲を構える隊員が確認されている。
[編集] 装甲
自衛隊の装甲車両の分類では、
となっている。
軽装甲機動車の車体は全面的に避弾経始が考慮された形状である。イラクに派遣された車両には上面ハッチ全周をカバー出来るように装甲板が追加されており、警備・パトロールの際の隊員の安全性が向上している。また、ワイヤーカッターも装備されている。
[編集] 登場作品
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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