高山宏
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高山 宏(たかやま ひろし、1947年 - )は日本の英文学者、翻訳家、主として美術、表現芸術の評論家。岩手県出身。東京大学院人文科学研究科修士課程修了。首都大学東京都市教養学部人文・社会系国際文化コース教授。専門は17、18世紀を中心とする英文学。
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[編集] 概要
澁澤龍彦、種村季弘、由良君美などの著作に学生時代に耽溺、東京大学に進むも、学生紛争のまっただ中、授業そっちのけで各種文献を読み漁る。東大大学院ではメルヴィルの『白鯨』で修士号を取得。博士後期課程を単位取得退学後、助手として東大英文科に就職するとともに、青土社の雑誌「ユリイカ」などに寄稿。
1976年、デレック・ハドソンの『ルイス・キャロルの生涯』を翻訳、東京図書より刊行。1981年、ルイス・キャロルに取材した原稿などを中心とし、単独著書『アリス狩り』を刊行。その後、文学のみならず、美術、建築、文化史、思想史、哲学、デザイン、大衆文学、映画、江戸文化、コミック、そのほかの学問領域を「横断」した各種論文、エッセイを執筆。マニエリスムのようなくねるような文体と妄想すれすれの「連想」により、近世以降の主に英語圏を中心とする欧米文化史を、巨視的に捉えつつ修辞を駆使する一連の著述により、各方面に大きな波紋を呼ぶ。また、翻訳に関しても精力的で、マリオ・プラーツ、バーバラ・スタフォード、タイモン・スクリーチ、マージョリー・ニコルソンなどを翻訳する。
高山は、その最初より「マニエリスム」という、ルネサンス時代とバロック時代の間に起きた美術潮流をメイン・テーマに掲げており、「奇想」「異端」というものを常に追い求めてきた。これらの発想はグスタフ・ルネ・ホッケの影響下にあり、ホッケ及び当人の理解によれば、マニエリスムは古典主義と交替でどの時代にも必ず表れうる時代相であり、一美術潮流に限られるものではないという。
学者としては東京都立大学(当時)人文学部英文科に在籍、都立大再編においては人文学部の文学系学科をとりまとめる中心人物のひとりとなった。
[編集] 代表的な作品
[編集] 著作
- アリス狩り
- 殺す・集める・読む 推理小説特殊講義
- ふたつの世紀末
- ブック・カーニバル
- 終末のオルガノン
- 黒に染める
- 魔の王が見る
[編集] 翻訳
- 鏡の国のアリス(ルイス・キャロル著、マーティン・ガードナー注)
- ガードナーの数学サーカス(マーチン・ガードナー)
- 道化と笏杖(ウィリアム・ウィルフォード)
- 世界幻想文学大系44 月世界への旅(マージョリー・ホープ・ニコルソン)
- 独身者の機械(ミッシェル・カルージュ)
- アートフル・サイエンス(バーバラ・A・スタフォード)
- ムネモシュネ 文学と視覚芸術との間の平行現象(マリオ・プラーツ)