細雪
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細雪(ささめゆき)は日本の作家谷崎潤一郎の小説。
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[編集] 概略
谷崎は第二次世界大戦中の1942年秋に河口湖畔の勝山に滞在し、月刊誌『中央公論』で「細雪」の執筆を始めるが、1943年に軍部から、戦時にそぐわないとして掲載を止められる。1944年(昭和19年)には私家版を作り、友人に配ったりしていたが、それも軍により印刷配布を禁止される。終戦後、京都に住まいを移し、1948年(昭和23年)に作品を完成させる。 『細雪』は評価され、谷崎は毎日出版文化賞(1947年)や朝日文化賞(1949年)を受賞する。 また、作家の三島由紀夫はこの『細雪』をエッセイ等で幾度か取り上げ、高い評価をくだした。 また『細雪』は2000年度国文学学生指定図書にも指定された。
映画化されたのは1950年の新東宝制作の作品(阿部豊監督。高峰秀子出演)を初めとして、1959年の大映作品(島耕二監督。京マチ子・山本富士子出演)、1983年の東宝作品(市川崑監督。岸惠子・佐久間良子・吉永小百合出演)があり、3度とも日本映画史を代表するトップ女優達が出演している。
『細雪』の舞台となった神戸市東灘区の谷崎の旧邸は保存運動がNPO法人谷崎文学友の会と地元住民によって進められ、1990年に移築保存に成功し、『倚松庵』と名づけられている。
[編集] あらすじ
[編集] 映像作品
[編集] 映画
- 1950年 - 製作:新東宝、監督:阿部豊、出演:花井蘭子、轟夕起子、山根寿子、高峰秀子、伊奈井寛、河津清三郎、田中春男、田崎潤、浦辺粂子、藤田進、香川京子、横山運平ほか
- 1959年 - 製作:大映、監督:島耕二、出演:轟夕起子、京マチ子、山本富士子、叶順子、信欣三、山茶花究、根上淳、浦辺粂子、三宅邦子ほか
- 1983年 - 製作:東宝、監督:市川崑、出演:岸恵子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子、伊丹十三、石坂浩二、岸部一徳、桂小米朝、江本孟紀、小林昭二、辻萬長、常田富士男、浜村純、横山道代、三宅邦子、細川俊之、三條美紀、仙道敦子、頭師孝雄、橋爪淳ほか
[編集] テレビドラマ
- 1957年 - 日本テレビ系、脚本:西村みゆき、出演:坪内美詠子、万代峯子、谷崎恵美子、清水将夫ほか
- 1959年 - NET(現・テレビ朝日)系、脚本:菊田一夫、出演:乙羽信子、浦島千歌子、八千草薫、太刀川洋一ほか
- 1965年 - 日本テレビ系、脚本:井出俊郎、出演:淡島千景、草笛光子、司葉子、水野久美ほか
- 1966年 - フジテレビ系、出演:浦島千歌子、児玉利和、岡田茉莉子、神山繁ほか
- 1980年 - よみうりテレビ系、演出:田井洋子、出演:島田陽子、新珠三千代、加茂さくら、吉沢京子ほか
[編集] 参考文献
- 谷崎潤一郎『細雪』(中央公論新社 1983年1月 ISBN:412200991X)
- 谷崎潤一郎『細雪』(上巻)改定版(新潮社 1997年4月 ISBN:4101005125)
- 谷崎潤一郎『細雪』(中巻)改定版( 新潮社 1997年4月 ISBN:4101005133)
- 谷崎潤一郎『細雪』(下巻)改定版( 新潮社 1997年4月 ISBN:4101005141)
- 谷崎松子『湘竹居追想 谷崎潤一郎と「細雪」の世界』(中央公論新社 1986年10月 ISBN:412201364X、谷崎の妻の著作)
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 倚松庵 谷崎が家族と住んでいた『細雪』のモデルとなった家。
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