糸魚川静岡構造線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
糸魚川静岡構造線(いといがわしずおかこうぞうせん)とは、親不知(糸魚川市)から諏訪湖を通って、安倍川(旧静岡市)に至る大断層線である。略称は糸静線(いとしずせん)またはISTL(Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line)。
[編集] 名称
1918年に、東北帝国大学(現東北大学)の地質学者・古生物学者である矢部長克(1878年~1969年)によって提唱された。
しばしばフォッサマグナと混同されるが、糸魚川静岡構造線は「フォッサマグナの西辺」であって、「フォッサマグナ」ではない。フォッサマグナは、糸静線から東に大きく広がる地溝帯、すなわち「線」ではなく「面」である。
[編集] 特徴
(ここでは自然地理的な特徴について述べる。人文地理的な特徴は「中部地方」を参照すること。)
糸魚川静岡構造線に沿って日本アルプスが造られており、飛騨山脈や赤石山脈の高山が沿線に連なり、天険を形成する。生態系は、糸静線を境にして大きく異なり、東半分を東北日本、西半分を西南日本という。糸静線沿線の主な山や高地には、白馬岳、乗鞍岳、上高地、赤石岳、身延山などが連なる。
日本海側の東西境界線は親不知であり、内陸側の東西境界線は諏訪湖である。但し、太平洋側については、「糸魚川・静岡」の字義通りだと安倍川であるが、他にも富士川とする説や、大井川(島田市)とする説もある。