矢切
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北から順に上矢切(かみやきり)、中矢切(なかやきり)、下矢切(しもやきり)に分かれている。 本来の地名の呼称は「やきり」であるが、駅名、バス停留所名は「やぎり」と表記されている。後述の歌謡曲『矢切の渡し』も「やぎりのわたし」と読ませているために、「やぎり」と呼ばれるケースが多くなった。
江戸川の渡し舟として有名な矢切の渡しの由来でもある。この渡しは江戸時代初期、地元民のために徳川幕府が設けた利根川水系河川15ヶ所の渡し場のうちのひとつであり、旅行者向けのものではない、この矢切と東京都葛飾区柴又を結んでいる。矢切の渡し乗り場へは、矢切側は京成バス矢切高校バス停などから。柴又側は京成金町線柴又駅より徒歩で10分。渡船の料金は大人100円(2005年現在)。
この渡しが全国的に有名になったのは、明治時代、伊藤左千夫の小説『野菊の墓』(1906年)によるところが大きい。現在、矢切にこの小説の文学碑が建立されている。
このほか、1982年(昭和57年)には細川たかしの歌謡曲『矢切の渡し』(作詞:石本美由起、作曲:船村徹)の大ヒットにより、再び脚光を浴びた。
また、映画「男はつらいよ」の作中にも登場する。
またこの地は戦国時代には北条氏と里見氏による国府台合戦の戦場となった場所であり、この付近から市川市国府台付近にかけては同合戦にちなむ伝説や史跡が多く伝わっている。
1994年(平成6年)より下矢切商和会の主催で矢切ビール祭りが開催されている。(毎年8月上旬に開催)
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[編集] 矢切地区への交通
- 鉄道
- 最寄り駅は北総線矢切駅。野菊の墓文学碑は徒歩10分以内。
- 松戸駅西口~矢切駅~国府台駅~市川駅を結ぶ京成バス市川線は本数が多く、主に中矢切~下矢切の住民によく利用される。
- 道路
- 国道6号(水戸街道)、国道298号(東京外環自動車道、一部開通)、千葉県道1号市川松戸線(松戸街道)なお、東京外環自動車道の高速道路部分については、現在工事中であり矢切地区の北側に松戸インターチェンジの設置が予定されている。
[編集] 矢切の渡しへの交通アクセス
- 鉄道
- JR常磐線、新京成線松戸駅西口より京成バス矢切高校行きで終点下車、田園地帯・堤防を歩き凡そ20分。
- JR常磐線、新京成線松戸駅西口より京成バス矢切駅経由市川駅行きで下矢切停留所下車の場合は、野菊の墓文学碑を経由する散策が可能。
- 北総鉄道北総線の矢切駅から。
- ※矢切の渡しのみの場合(矢切界隈の散策をしない場合)は、矢切側は鉄道駅・集落との間が離れている[1]ため、柴又側からの往復利用が無難。
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