猛暑
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猛暑(もうしょ)とは、普段と比べて猛烈に暑いときのことである。酷暑(こくしょ)と類義。しばしば報道や日常会話で使われるが、気象用語としての定義はない。
一般に、夏季において、背の高い高気圧に覆われて全層に渡って風が弱く、周囲の比較的冷たい空気や湿気の流入が弱く快晴状態の場合に起こりやすい。内陸の盆地状地形では、周囲の山岳により外部の大気との混合が妨げられ、昇温した空気が滞留しやすいため、他の地域よりも「猛暑」となりやすい。
またフェーン現象が発生すると、山塊の風下部では乾燥した高温の大気によって盛夏でなくても猛暑となりやすい。日本の気象官署での最高気温記録 40.8℃が山形市で記録されたときも、このフェーン現象が原因であった。
近年、首都圏を中心とする都市部ではヒートアイランド現象の影響が著しく、近年都市部で最高気温の記録更新が相次いでいるのは、これが原因のひとつと考えられる。 また日本では2000年~2002年に3年連続で猛暑となるなど1990年代以降、猛暑となる年が急増している。 2004年7月20日、東京都心で39.5℃、千葉県市原市牛久で40.2℃など観測史上最高の猛暑を記録したのは、ヒート・アイランド現象に加えて背の高い高気圧、フェーン現象が重なった最悪の例といえよう。
[編集] 影響
冷房などの空調設備の稼動増により電力需要が急増する他、ビールや清涼飲料水、冷菓、氷菓、殺虫剤及び虫指され薬などの販売が大きく伸び、外出先ではプール、海水浴場、また冷房の効いた屋内施設などの利用者が増えるなど、経済活動によい影響がある。またコメが豊作になりやすいという長所もある。
しかし、熱中症など猛暑が原因となる病気で倒れる人も少なくないため、高齢者などは外出時に注意が必要である。また、温泉施設やラーメン屋、ゴルフ場などは客足が鈍り、温かい料理を敬遠するため、ガスの需要は大きく下がる。
[編集] 過去の猛暑
- 日本:1978年、1984年、1985年、1990年、1994年、1995年、2000年、2001年、2002年、2004年、2005年(北日本を除く)、2006年
- フランス:2003年
- 米国東部:2006年