沖縄開発庁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
沖縄開発庁(おきなわかいはつちょう)は2001年1月5日まで存在した沖縄の産業振興や開発事務を行う中央省庁。
目次 |
[編集] 概略
1972年5月15日の沖縄返還により沖縄が日本の施政権下に復帰したことを機に、沖縄振興開発計画の所管官庁として沖縄開発庁を設置した。
長官には国務大臣をもって充てる大臣庁とされた。内部部局は総務局と振興局。総務局はいわゆる官房事務を担当するほか、沖縄振興開発計画の作成、沖縄振興開発金融公庫の監督を担当。振興局は沖縄振興開発計画の個別の事務を所管する関係省庁間の調整を担当。関係予算を一括計上した。
2001年1月6日、中央省庁再編の実施に伴い、経済企画庁などとともに総理府の本府に取り込まれ、内閣府の一部局となったが、内閣府の特命担当大臣として沖縄・北方対策を担当する国務大臣は必ず置かれることが法定された。
[編集] 歴代の沖縄開発庁長官
- 辞令のある再任は代として数え、辞令のない留任は数えない。
- 臨時代理は空位の場合のみ記載し、海外出張等の一時不在代理は記載しない。
- 佐藤内閣の山中貞則長官から中曽根内閣の中西一郎長官までの14代の長官は総理府総務長官たる国務大臣が沖縄開発庁長官を兼務した。これは沖縄開発庁という組織が総理府の一部局から発展していった経緯による。
- 中曽根内閣の古賀雷四郎長官から小渕内閣の井上吉夫長官までの19代の長官は北海道開発庁長官と兼務した。このため、新聞・雑誌・放送などにおいては、両長官ポストを兼務した国務大臣を北海道・沖縄開発庁長官と表現するのが通例となっていた。しかしこの表現では、北海道・沖縄開発庁という名称の官庁があったかのような紛らわしさがあり、避けたほうがよい表現である。
沖縄開発庁長官(沖縄開発庁)・総理府総務長官 | |||
1 | 山中貞則 | 第3次佐藤内閣 | 1972年5月15日-1972年7月7日 |
2 | 本名武 | 第1次田中内閣 | 1972年7月7日-1972年12月22日 |
3 | 坪川信三 | 第2次田中内閣 | 1972年12月22日-1973年5月28日 |
4 | 小坂徳三郎 | 第2次田中内閣 | 1973年5月28日-1974年11月11日 |
5 | 小澤辰男 | 第2次田中内閣 | 1974年11月11日-1974年12月9日 |
6 | 植木光教 | 三木内閣 | 1974年12月9日-1976年9月15日 |
7 | 西村尚治 | 三木内閣 | 1976年9月15日-1976年12月14日 |
8 | 藤田正明 | 福田内閣 | 1976年12月14日-1977年11月28日 |
9 | 稲村佐近四郎 | 福田内閣 | 1977年11月28日-1978年12月7日 |
10 | 三原朝雄 | 第1次大平内閣 | 1978年12月7日-1979年11月9日 |
11 | 小渕恵三 | 第2次大平内閣 | 1979年11月9日-1980年7月17日 |
12 | 中山太郎 | 鈴木内閣 | 1980年7月17日-1981年11月30日 |
13 | 田邊國男 | 鈴木内閣 | 1981年11月30日-1982年11月27日 |
14 | 丹羽兵助 | 第1次中曽根内閣 | 1982年11月27日-1983年12月27日 |
沖縄開発庁長官(沖縄開発庁) | |||
15 | 中西一郎 | 第2次中曽根内閣 | 1983年12月27日-1984年11月1日 1984年6月30日まで総理府総務長官兼任 |
16 | 河本敏夫 | 第2次中曽根内閣 | 1984年11月1日-1985年8月14日 |
17 | 藤本孝雄 | 第2次中曽根内閣 | 1984年11月1日-1985年12月28日 |
沖縄開発庁長官(沖縄開発庁)・北海道開発庁長官 | |||
18 | 古賀雷四郎 | 第2次中曽根内閣 | 1985年12月28日-1986年7月22日 |
19 | 綿貫民輔 | 第3次中曽根内閣 | 1986年7月22日-1987年11月6日 |
20 | 粕谷茂 | 竹下内閣 | 1987年11月6日-1988年12月27日 |
21 | 坂元親男 | 竹下内閣 | 1988年12月27日-1989年6月3日 |
22 | 井上吉夫 | 宇野内閣 | 1989年6月3日-1989年8月10日 |
23 | 阿部文男 | 第1次海部内閣 | 1989年8月10日-1990年2月28日 |
24 | 砂田重民 | 第2次海部内閣 | 1990年2月28日-1990年9月13日 |
25 | 木部佳昭 | 第2次海部内閣 | 1990年9月13日-1990年12月29日 |
25 | 谷洋一 | 第2次海部内閣 | 1990年12月29日-1991年11月5日 |
26 | 伊江朝雄 | 宮澤内閣 | 1991年11月5日-1992年12月12日 |
27 | 北修二 | 宮澤内閣 | 1992年12月12日-1993年8月9日 |
28 | 上原康助 | 細川内閣 | 1993年8月9日-1994年4月28日 |
29 | 羽田孜 | 羽田内閣 | 1994年4月28日 内閣総理大臣が事務取扱 |
30 | 佐藤守良 | 羽田内閣 | 1994年4月28日-1994年6月30日 |
31 | 小里貞利 | 村山内閣 | 1994年6月30日-1995年1月20日 |
32 | 小沢潔 | 村山内閣 | 1995年1月20日-1995年8月8日 国土庁長官兼任 |
33 | 高木正明 | 村山内閣 | 1995年8月8日-1996年1月11日 |
34 | 岡部三郎 | 第1次橋本内閣 | 1996年1月11日-1996年11月7日 |
35 | 稲垣実男 | 第2次橋本内閣 | 1996年11月7日-1997年9月11日 |
36 | 鈴木宗男 | 第2次橋本内閣 | 1997年9月11日-1998年7月30日 |
37 | 井上吉夫 | 小渕内閣 | 1998年7月30日-1999年1月14日 1998年10月23日から国土庁長官兼任 |
沖縄開発庁長官(沖縄開発庁)・内閣官房長官 | |||
38 | 野中広務 | 小渕内閣 | 1998年1月14日-1999年10月5日 |
38 | 青木幹雄 | 小渕内閣 | 1999年10月5日-2000年4月5日 |
39 | 青木幹雄 | 第1次森内閣 | 2000年4月5日-2000年7月4日 |
40 | 中川秀直 | 第2次森内閣 | 2000年7月4日-2000年10月27日 |
41 | 福田康夫 | 第2次森内閣 | 2000年10月27日-2000年12月5日 |
沖縄開発庁長官(沖縄開発庁) | |||
42 | 橋本龍太郎 | 第2次森内閣 | 2000年12月5日-2001年1月5日 |
[編集] 関連項目
- 内閣府/総理府
- 沖縄総合事務局
- 沖縄県
- 南方連絡事務局/特別地域連絡局/沖縄・北方対策庁
- 南方連絡事務所
- 立川談志…落語家・元参議院議員。沖縄開発庁の政務次官になるも、「公務より酒が大事」と公言して在任36日で辞任。
[編集] 外部リンク
カテゴリ: 廃止された日本の国家機関 | 総理府