樋口真嗣
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樋口真嗣(ひぐち しんじ、1965年9月22日 - )は、東京都出身の日本の特技監督で、映画監督。茨城県立古河第三高等学校卒業。
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[編集] 経歴
- 1984年、高校卒業後に『ゴジラ (1984)』で怪獣造形に携わることで映画界に入る。
- 1984年、『八岐之大蛇の逆襲』などで親交のあった庵野秀明らが設立したガイナックスに参加し、『王立宇宙軍~オネアミスの翼』で助監督をつとめる。
- 1992年、村濱章司らとともにGONZOを設立。
- 1995年、『ガメラ 大怪獣空中決戦』は日本アカデミー賞特別賞を受賞。
- 2002年、『ミニモニ。THE(じゃ)ムービー お菓子な大冒険!』で映画監督デビュー。
- 2005年、『ローレライ』監督
- 2006年、『日本沈没』監督
- 2007年、『新世紀エヴァンゲリオン』の新劇場版(前編)の絵コンテを担当することが2006年9月に発表された。
[編集] 人物
彼の画作りは高く評価されており、非常に多くの映画に画コンテを提供している。また、彼は庵野秀明と親友で、『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジの名前の由来であることも有名である(更にシンジは、『踊る大捜査線』で柳葉敏郎演じる「室井慎次」の名前の由来となった)。
異常な酒量と食欲の持ち主で、20歳代には50キロ台だった体重はその後見る見る増加の一途を辿り、今ではその面影を見ることは出来ない。2005年の監督作『ローレライ』撮影時に一切の炭水化物を断って20キロの減量に成功するが、翌年には元通り。
『クレヨンしんちゃん』の監督・原恵一を「強いトルクを持つ男」「恐ろしい男」と称し、敬い畏れている。また樋口がアニメ作品に深い関わり(TVシリーズの監督など)を持たないのは原恵一がいるためだと公言している。
小説家の福井晴敏とも深い交流がある。福井の著作『亡国のイージス』を読んだ樋口が感動、福井に「第二次世界大戦」「潜水艦」「女」の三つのテーマを基に作劇を依頼、その草案を基にした映画『ローレライ』を監督した。福井曰く、「雷と共にやってきた男」。
富野喜幸(富野由悠季)を「神」と呼び、近年の監督作では必ず出演させている。(ちなみに『日本沈没』では京都の名刹の高僧。袈裟の色は勿論<赤>)
押井守との親交も深いが、スタッフとして参画した『G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR(ガルム戦記)』は凍結に追い込まれている。
[編集] 作品
[編集] 監督作品
[編集] 特撮監督作品
- 『ガメラ 大怪獣空中決戦』(1995年)
- 『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年)
- 『宇宙貨物船レムナント6』(1996年)
- 『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』(1999年)
- 『さくや妖怪伝』(2000年)
- 『修羅雪姫』(2001年)
- 『ピストルオペラ』(2001年)
- 『G.R.M. THE RECORD OF GARM WAR(ガルム戦記)』(現在凍結中)
[編集] 出演
- 『リリイ・シュシュのすべて』(1999年)
- 『GAMERA1999』(1999年)
- 『リターナー』(2001年)
- 『立喰師列伝』(2006年 牛丼の牛五郎 役)
[編集] その他参加作品
- 1984年『ゴジラ (1984)』(手伝い)
- 1986年『八岐之大蛇の逆襲』(特撮)
- 1988年『トップをねらえ!』(絵コンテ・設定)
- 1988年『帝都物語』(コンテ作画)
- 1990年『ウルトラQ ザ・ムービー 星の伝説』(絵コンテ)
- 1990-1991年『ふしぎの海のナディア』(絵コンテ・島編監督)
- 島編で監督を庵野秀明から譲り受けた(庵野は「総監督」となる)ことから、当時「樋口は作品の内容に怒ったNHKが送り込んだ老人演出家」というデマがファンの間で語られた。一説にはこのデマはガイナックスが意図的に流したともいわれる(ガイナックスとカドカワの共犯か!?)。
- 1992年『未来の想い出』(特技監督)
- 1993年『ウルトラマンパワード』(怪獣&メカニックデザイン)
- 1997年『新世紀エヴァンゲリオン』(絵コンテ・脚本)
- 2001年『劇場版とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』(CG監督)
- 2003年『劇場版ポケットモンスター七夜の願い星ジラーチ』(絵コンテ)
- 2003年『ドラゴンヘッド』(視覚効果デザイン)
- 2004年『CASSHERN』(バトルシーンコンテ)
- 2004年『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』(画コンテ)
- 2005年『トップをねらえ2!」』(絵コンテ)
- 2005年『戦国自衛隊1549』(企画協力)