立喰師列伝
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『立喰師列伝』(たちぐいしれつでん)とは、
- 角川書店の雑誌ザ・スニーカーに連載された小説のタイトル。
- 上記小説を原作として製作された2006年公開の日本映画。押井守監督作品。続編は短編作品『女立喰師列伝 ケツネコロッケのお銀 -パレスチナの死闘編-』 (徳間書店の月刊COMICリュウ創刊号DVD付録)。
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[編集] 概要
立喰師とは押井の妄想から生まれた架空の職業。飲食店でうんちく、説教、話術、奇行など様々な手段を用いて店員を圧倒し、金を払わずに店を出る者のこと。またライバル店を潰すために兵隊として雇われることもある。その手法は芸の域に達しており、その点で単なる食い逃げとは異なる。押井本人によれば、タイムボカンシリーズで「立ち喰いのプロ」を登場させたのが始まりだという。以後、押井が関わる作品ではしばしば立ち喰いシーンが登場し(後述)、ライフワークと公言するようになる。その集大成となるのが本作である。
[編集] 小説
単行本は角川書店より2004年2月に出版されている。
書籍情報: ISBN 4048735160
[編集] 映画
登場人物に扮する役者をデジタルカメラで撮影し、それを3DCGの人形に貼り付けて動かすかつてのミニパトを彷彿とさせるペープサート状アニメーションで制作するという手法が採られ、スーパーライヴメーションと命名されている。その技術を駆使し、アニメーションと実写の新たな融合に挑んだ。
石川光久が「もしイノセンスがカンヌ国際映画祭で賞を取れなかったら、押井さんに好きな映画を1本撮らせる」と言ったのがこの映画をつくる契機になったという話もある。
メインの登場人物は、小説『立喰師列伝』でキャラクターのモデルとなっていたのと同じ人物が演じる形となっており、さらに役者の全てが押井の知人である。これは、制作予算を抑えるのと同時に、押井曰く「今まで自分が仕事を通じて関わってきた人々を、この映画で記録として残したい。それに、知っている人間じゃないと、CGでいじくるときにつまらない」という話である。
[編集] スタッフ
- 企画 - 石川光久
- 原作・脚本・監督 - 押井守
- 音楽 - 川井憲次
- 効果:野口透(アニメサウンドプロダクション)
- 演出 - 西久保利彦
- 撮影 - 坂崎恵一
[編集] 出演
- 吉祥寺怪人 - 月見の銀二
- 兵藤まこ - ケツネコロッケのお銀
- 河森正治 - 中辛のサブ
- 鈴木敏夫 - 冷やしタヌキの政
- 石川光久 - 哭きの犬丸
- 寺田克也 - フランクフルトの辰
- 樋口真嗣 - 牛丼の牛五郎
- 川井憲次 - ハンバーガーの哲
- 品田冬樹 - 品田徳満
- 神山健治 - 店長神山
- 山寺宏一 - ナレーション
- 榊原良子 - 監察医・榊原芳子(写真と声)、フランクフルトの辰の母親(声のみ)
- 押井友絵 - 店員
- 山田正紀
- 今野敏
- 乙一
- 滝本竜彦
- 藤本義勝
- 佐藤友哉
- 森岡浩之
- 大川俊道
- 冲方丁
- きうちかずひろ
- きうちえり子
- 立木文彦
[編集] 女立喰師列伝
[編集] スタッフ
- 企画 - 大野修一
- 原作・脚本・監督 - 押井守
- 音楽 - 川井憲次
[編集] 出演
- 兵藤まこ - ケツネコロッケのお銀
- 大塚ギチ - 大塚ギチ男
- アリ・ダエイ - 村山太
[編集] 押井守が関わる作品で立ち喰いが登場するもの
五十音順に
- 紅い眼鏡
- うる星やつら
- テレビアニメ版の第122話「必殺!立ち食いウォーズ!!」は、エピソードそのものが立ち喰いをテーマとしたものである。ケツネコロッケのお銀、中辛のサブ、牛丼の牛五郎が登場する。余談だが、このエピソードでのメガネに相当するのが本作の店長神山となる(公開初日の舞台挨拶より)。
- 機動警察パトレイバー
- 犬狼伝説
- 冷やしタヌキの賢が立ち喰い蕎麦屋(マッハ軒)で丼を使って特機隊員に殺される事件をドキュメンタリー風に描いている。このマッハ軒はうる星やつらでもしばしば出てくる立ち喰い蕎麦屋と同名である。
- 御先祖様万々歳!
- 6話において、犬丸は麿子を探してさすらっている事を立ち喰い蕎麦屋の店主に話すが立食いのプロである事を見破られる。演技派の立食いのプロがどのように店主の情に訴えるかがわかる。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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