松山中央公園野球場
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松山中央公園野球場 (坊っちゃんスタジアム) |
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Matsuyama Central Park Baseball Stadium (Botchan Stadium) |
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施設統計 | |
所在地 | 愛媛県松山市市坪西町625-1(松山中央公園内) |
開場 | 2000年 |
所有者 | 松山市 |
管理・運用者 | 松山市施設管理公社(指定管理者) |
グラウンド | 内野:クレー舗装 外野:天然芝 ファウルエリア(内野側):透水性人工芝 |
照明 | 大屋根先端投光器:4基、照明塔:4基 最大照度:投捕間2500Lx 内 野2500Lx 外 野1200Lx (照度可変) |
設計者 | |
使用チーム、大会 | |
愛媛マンダリンパイレーツ(四国アイランドリーグ、2005年~) 東京ヤクルトスワローズが秋季キャンプ地として使用(2004年~) |
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収容能力 | |
30,000人 | |
規模 | |
グラウンド面積:14,300m² 両翼:99.1 m 中堅:122 m |
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フェンスの高さ | |
4.9 m |
松山中央公園野球場(まつやまちゅうおうこうえん・やきゅうじょう)は、愛媛県松山市の松山中央公園内にある野球場。愛称 坊っちゃんスタジアム(ぼっちゃん-)。施設は松山市が所有し、松山市施設管理公社が指定管理者として運営管理を行っている。
目次 |
[編集] 歴史
以前、松山市には松山城山公園内に松山市営球場があった(2003年5月末用途廃止、2004年撤去)。1948年に市民の勤労奉仕(ボランティア)などを得て、盛り土スタンドで開場し、1967年に鉄筋コンクリートのスタンドが完成。社会人野球、高校野球など県下のアマチュア野球公式戦で使用された他、プロ野球の公式戦・オープン戦も開催された。しかし1980年代以降は老朽化の著しさが問題となり、市は公園内のその他の施設とも併せ、フィールドの拡張やスタンドの改修などを検討したものの、球場のある城山公園は松山城を控える国の史跡であることが、改修工事を行う上での最大のネックとなった。結局、現地での施設維持は極めて難しいと最終的に判断され、市は1993年3月、松山中央公園内に新市営球場をはじめとするスポーツ施設の建設計画を発表。そして2000年5月に、四国4県で唯一3万人規模の収容人員を有する野球場として完成したのが松山中央公園野球場である。一般公募により、愛称「坊っちゃんスタジアム」が付与された。また2003年には、坊っちゃんスタジアム北側にほぼ同規格のフィールドを有するサブ野球場「マドンナスタジアム」が開場した。供用開始以降、高校野球、社会人野球などアマチュア野球公式戦が行われている。また公式戦の一部は坊っちゃんスタジアムの他、マドンナスタジアムでも行われている。
松山市はスタジアム完成を前後してプロ野球の誘致を特に積極的に行っており、毎年少なくとも1カード2試合の公式戦が行われている。また2002年7月13日にはサンヨーオールスターゲーム第2戦も開催され、これが四国地方4県では初のオールスターゲーム開催となった。試合は4-2で全パの勝利、MVPは大阪近鉄バファローズ(当時)の的山哲也(現オリックス・バファローズ)が獲得した。2004年からはヤクルトスワローズの秋季キャンプが行われている。
この他、2005年に設立された独立リーグの四国アイランドリーグ所属4チームのうち、愛媛県をホームとする愛媛マンダリンパイレーツは、この坊っちゃんスタジアムを本拠地として使用している。
尚、開場当初のスコアボードは全面磁気反転式だったが、オールスター誘致にあたって日本野球機構側から「磁気式は夜間の視認性が悪い」という指摘を受けて、2002年シーズンから電光式に入れ替えられている。またスコアボード右側には磁気反転式で3色表示が可能なフリーボードが設置されている。
なお、市施設管理公社では、グラウンドに設備や客席などを設けるようなイベント(コンサートなど)には使用を許可していない。これは天然芝などフィールド部分の損傷を防ぐための措置。
[編集] 愛称の由来
公募により命名された愛称「坊っちゃんスタジアム」は、松山市を舞台にした夏目漱石の小説「坊っちゃん」に因んでいる(松山市内にはこの他にも「坊っちゃん」という愛称を冠するものが多数ある)。
もともと「野球」という言葉は、松山市出身で夏目漱石らとも交遊関係にあった俳聖・正岡子規が作ったといわれる俗説がある。子規の本名は「升」(のぼる)であるが、これに引っ掛けてベースボールを「野(の)・ボール」と称し、これが「野球」になったとされる。実際に子規自身も野球らしきものを楽しんでいたという。こうした関係もあり、現在に至るまで松山市をはじめ愛媛県内は高校野球が特に盛んで、全国的に名を知られる強豪校も多い。
このような背景に因んで、坊っちゃんスタジアムの開場当初、正面入口横には愛媛県の野球史を紹介する展示コーナーなどを有する「まつやま野球ランド」が設けられた。しかしその後、改修して展示内容を充実させることになり、2003年5月24日に野球歴史資料館「の・ボールミュージアム」に改称した。
また、スタジアムの最寄駅である予讃線・市坪駅が輸送力増強のため改修され、2002年7月13日、同日のオールスターゲーム第2戦開催と正岡子規の野球殿堂入りを記念して「の・ボール駅」の愛称が付与された。
[編集] 主なエピソード
- 2005年4月24日に東京ヤクルトスワローズ捕手・古田敦也(現・捕手兼監督)が2000本安打を達成した。大卒社会人としては史上初の2000本到達で、また四国の野球場での記録達成も史上初。同年秋には記念碑が建てられた。
- ドカベン (スーパースターズ編) に登場する四国アイアンドッグスのホーム球場である。
[編集] 施設概要
- 松山中央公園野球場(坊っちゃんスタジアム)
- 2000年5月14日完成
- グラウンド面積:14,300m²
- 両翼:99.1m、中堅:122m
- 外野フェンス高:4.9m
- 内野:クレー舗装、外野:天然芝、ファウルエリア(内野側):透水性人工芝
- スコアボード:全面電光式、磁気反転式メッセージボード(3色表示)
- 照明設備:大屋根先端投光器×4基、照明塔×4基(最大平均照度:投捕間2500Lx、内野2500Lx、外野1200Lx)
- 収容人員:30,000人(内野スタンドは2階建て)
- 内野1階:10,200人、内野2階:9,800人、外野:6,200人、立見:3,800人(うち車椅子席136席)
- 野球歴史資料館「の・ボールミュージアム」併設
- 投球練習場(屋外ブルペン)併設
- 松山中央公園サブ野球場(マドンナスタジアム)
- 2003年6月1日開場
- 両翼:99.1m、中堅:122m
- 内野:クレー舗装、外野・ファウルエリア(一部):透水性人工芝
- スコアボード:磁気反転式
- 照明設備:照明塔×4基(最大平均照度:内野500Lx、外野300Lx)
- 収容人員:2,000人
- ネット裏、一・三塁側のみ
[編集] プロ野球等実施状況(球団名は当時のもの)
- プロ野球公式戦(日本野球機構=セ・パ)
- 左から日付、対戦カード(左側が主催チーム)、観客数。
- 2000年7月15日 広島東洋カープ対中日ドラゴンズ 30,000人
- 2000年7月16日 広島東洋カープ対中日ドラゴンズ 21,000人
- 2000年8月20日 日本ハムファイターズ対西武ライオンズ 27,000人
- 2001年5月24日 広島東洋カープ対横浜ベイスターズ 15,000人
- 2001年7月7日 日本ハムファイターズ対千葉ロッテマリーンズ 15,000人
- 2002年4月20日 ヤクルトスワローズ対中日ドラゴンズ 13000人
- 2002年4月21日 ヤクルトスワローズ対中日ドラゴンズ 17,000人
- 2002年5月6日 広島東洋カープ対横浜ベイスターズ (雨天のためノーゲーム)
- 2002年6月23日 日本ハムファイターズ対福岡ダイエーホークス 12,000人
- 2003年5月24日 ヤクルトスワローズ対阪神タイガース 30,000人
- 2003年5月25日 ヤクルトスワローズ対阪神タイガース 25,000人
- 2004年5月29日 大阪近鉄バファローズ対千葉ロッテマリーンズ 11,000人
- 2004年5月30日 大阪近鉄バファローズ対千葉ロッテマリーンズ 11,000人
- 2004年6月19日 ヤクルトスワローズ対広島東洋カープ 20,000人
- 2004年6月20日 ヤクルトスワローズ対広島東洋カープ 18,000人
- 2004年8月31日 読売ジャイアンツ対横浜ベイスターズ 30,000人
- 2005年4月23日 ヤクルトスワローズ対広島東洋カープ 14,984人
- 2005年4月24日 ヤクルトスワローズ対広島東洋カープ 17,913人
- 2005年8月6日 阪神タイガース対広島東洋カープ 20,073人
- 2005年8月7日 阪神タイガース対広島東洋カープ 16,706人
- 2005年9月1日 読売ジャイアンツ対ヤクルトスワローズ 23,171人
- 2006年4月15日 東京ヤクルトスワローズ対中日ドラゴンズ (雨天中止)
- 2006年4月16日 東京ヤクルトスワローズ対中日ドラゴンズ 16,581人
- 2006年8月5日 阪神タイガース対広島東洋カープ 20,843人
- 2006年8月6日 阪神タイガース対広島東洋カープ 18,003人
- NPB主催試合
- 左から日付、試合名、観客数。
- 2000年7月21日 フレッシュオールスターゲーム 18,000人
- 2001年10月13日 ファーム日本選手権 西武ライオンズ対阪神タイガース 14,000人
- 2002年10月12日 ファーム日本選手権 西武ライオンズ対阪神タイガース 10,000人
- 2002年7月13日 サンヨーオールスターゲーム第2戦 27,063人
- 2003年11月23日 OBオールスターゲーム 23,000人
他にもオープン戦9試合、プロ野球マスターズリーグ3試合、ファーム(公式戦)3試合、プロ野球対四国アイランドリーグ(選抜または1球団)4試合、ファーム対社会人1試合が行われている。
[編集] 交通
- JR四国予讃線・市坪駅(野球 ~の・ボール~ 駅)下車すぐ
- プロ野球等開催時は、臨時列車が運行される他、特急「宇和海」臨時停車あり
- 伊予鉄道松山市駅から、伊予鉄道バス
- 「(51)坊っちゃんスタジアム・マドンナスタジアム」行で「坊っちゃんスタジアム」下車後徒歩約5分
- 松山市駅1番のりばから毎時35分発。マドンナスタジアムへは終点「マドンナスタジアム」下車すぐ(いずれも市駅から運賃250円)
- 「(32)市坪・はなみずき循環」で「市坪」下車後徒歩約10分
- 松山市駅から40~60分間隔で運行。市坪まわり(市駅から市坪まで運賃250円)は1番のりば、はなみずきまわり(同300円)は7番のりばから発車
- プロ野球等開催時は、松山市駅より臨時バス運行あり
- 「(51)坊っちゃんスタジアム・マドンナスタジアム」行で「坊っちゃんスタジアム」下車後徒歩約5分
[編集] 関連画像
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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