新選組!! 土方歳三 最期の一日
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『新選組!! 土方歳三 最期の一日』(しんせんぐみ ひじかたとしぞう さいごのいちにち)は、NHK大河ドラマ新選組!の続編である。正月時代劇として2006年1月3日(総合、デジタル総合 午後9時~10時29分)と1月1日(デジタル衛星ハイビジョン 午後7時20分~8時49分)に放送された。再放送は1月7日(BS2 午後7時30分~8時59分)。作·脚本三谷幸喜。主演山本耕史。
目次 |
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
新政府軍の総攻撃を翌朝に控えた明治2年(1869年)5月10日夜、土方歳三と新選組は敵に向け奇襲をかけ、敵の兵糧を巻き上げていた。その頃、箱館政府総裁・榎本武揚、陸軍奉行・大鳥圭介ら幹部は武蔵楼で別れの杯を交わしていた・・・。
[編集] 大河ドラマ初の続編
第43作大河ドラマ「新選組!」では、主人公である局長・近藤勇の死によって締めくくられたが、近藤の盟友である副長・土方歳三は新選組を率いて宇都宮まで転戦しているところで終わってしまい、主な転戦地である会津・箱館が描かれなかった。
そのため、番組終了後に視聴者から多数の続編希望がNHKに寄せられ、大河ドラマとしては初の続編が正月時代劇として製作される事になった。2005年9月20日に放送されたNHK改革の番組「NHKは変わります~新生プラン」では、この製作決定への経緯が「視聴者第一主義に立った開かれた番組づくり」として取り上げられている。
近藤斬首後の土方の人生と新選組の足跡は宇都宮・会津・宮古・箱館と「それだけで大河ドラマ一本ができてしまう激動の一年」(三谷談)であり、続編とはいえ正月時代劇枠の89分で土方最期の一年を語り尽くすことには「土方ダイジェストになってしまう」(同)と本意ではなかったため、大河ドラマ放送時と同様『一日の出来事をドラマ化する』という手法をとった。その結果、明治2年(1869年)5月10日夜から5月11日、即ち「土方歳三最期の一日」が採用された。
総合放送当日(1月3日)の前には、異例の総集編「新選組!スペシャル」が再放送された。
第1部『武士になる!』(15:20~16:35)、第2部『新選組誕生』(16:45~18:00)、第3部『愛しき友よ』(19:30~20:45)
新選組!に引き続き、実際に箱館まで土方に追従してきた伍長(続編では頭取)・島田魁と旗持ち・尾関雅次郎も登場した。また、続編のための主要人物として、榎本武揚と大鳥圭介が登場、この2人と土方との3人による五稜郭内の場面における舞台さながらの長セリフによる「ディスカッション」がドラマの大勢を占めることになった。ちなみに榎本役は本編で友情出演した草彅剛(SMAP)から歌舞伎役者の片岡愛之助に変更された。箱館の土方に欠かせない市村鉄之助や新選組末期に活躍した相馬主計らも登場、伝承されているエピソードを巧みに魅せている。そして、回想シーンとして「ぜひ登場させたかった」(三谷談)という会津における近藤に送られた戒名に纏わるエピソードに斎藤一と松平容保が、「自分とずっと見続けてくれた視聴者のプレゼント」(同)として試衛館の仲間(山南敬助・沖田総司・井上源三郎・藤堂平助・永倉新八・原田左之助)による会話シーンが、それぞれ新撮で組み込まれた。だが、近藤勇のみ、ラストシーンにワンカット過去の映像を利用した回想シーンでの出演となっている。これは、近藤役の香取慎吾が西遊記のロケの為、海外に行っていたので収録が不可能だった為である。
ドラマ内で土方が「桶狭間」と「鵯越」と話すセリフがあるが、これはこの年の第45作大河ドラマ『功名が辻』と前年の第44作大河ドラマ『義経』それぞれの第一回放送登場シーンであることから、作者・三谷からのそれぞれの作品へのエールだと思われる。
しかし、裏のフジテレビに同じく三谷が脚本を担当している 「古畑任三郎ファイナル」が放送され(沖田総司役の藤原竜也が犯人役で出演のためか30分遅れで放送開始、ちなみに佐久間象山役の石坂浩二が真犯人役で出演)、三谷ファン泣かせな編成になってしまった。そのため視聴率は古畑の21.5%に対し9.8%と振るわず、これに関してフジテレビ側は「調整が間に合わなかった」と謝罪している。
ドラマのタイトルは『最期の一日』であり、土方歳三が転戦北上した「滅びの美学」をイメージするものではあるが、新選組!最終話において勝海舟(野田秀樹)が近藤を評した言葉「どう死んだかではなく、どう生きたか」を柱に話は進んでいく。これは三谷自身が「正月時代劇なので、新年早々悲しい結末で締めるのではなく、未来に対して明るい希望をもてる結末にしたかった」旨のコメントを残している。実際、土方の死の前は今後の榎本の人生を提示する展開のあるもの(榎本武揚#明治期参照)であり、土方の死で完結ではなく生き残った新選組隊士たちの姿でドラマはエンディングに向かっていく様子は「滅びの美学」を全否定した前向きなものであった。
[編集] スタッフ
- 作:三谷幸喜
- 音楽:服部隆之
- テーマ音楽演奏:NHK交響楽団
- テーマ音楽指揮:広上淳一
- テノール独唱:ジョン・健・ヌッツォ
- 演奏:フェイス・ミュージック
- 題字:荻野丹雪
- 版画:木田安彦
- 時代考証:大石学、山村竜也
- 殺陣武術指導:林邦史朗
- 所作指導:西川箕乃助
- 馬術指導:田中光法
- 資料提供:市立函館博物館、函館市中央図書館、三野行徳、開陽丸、長崎ハウステンボス
- 制作統括:安原裕人、吉川幸司
- 演出:吉川邦夫
- 語り(オープニングのみ):国井雅比古
[編集] 出演
主要登場人物
- 土方歳三:山本耕史
- 榎本武揚:片岡愛之助
- 相馬主計:小橋賢児
- 島田魁:照英
- 尾関雅次郎:熊面鯉
- 山野八十八:鳥羽潤
- 蟻通勘吾:山崎樹範
- 市村鉄之助:池松壮亮
- 武蔵楼女将:南野陽子
- 大鳥圭介:吹越満
- 永井尚志:佐藤B作
回想シーンで登場
- 沖田総司:藤原竜也
- 藤堂平助:中村勘太郎
- 原田左之助:山本太郎
- 永倉新八:山口智充(DonDokoDon)
- 山南敬助:堺雅人
- 井上源三郎:小林隆
- 斎藤一:オダギリジョー
- 松平容保:筒井道隆
- 近藤勇:香取慎吾(SMAP)
[編集] ソフトウェア
[編集] 本
[編集] CD
- NHK大河ドラマ新選組! オリジナルサウンドトラック 第二集 - ジェネオンエンタテインメント株式会社
[編集] DVD
- 新選組!! 土方歳三 最期の一日 - ジェネオンエンタテインメント株式会社
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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