山鼻
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山鼻(やまはな)は札幌市中央区の南側に位置する地域の名称である。
1876年、東北地方の元士族240戸、男女1114人が屯田兵として移住、琴似に次ぐ2つ目の屯田兵村が開村し、開墾が始まった。かつては未開の原生林に覆われ、アイヌ語で「ユクニクリ」(鹿の住む林)と言われた一帯であったが、南西部に位置する藻岩山(やま)の端(は、はな)という意味で、後に「鼻」の字を当てて山鼻村と名付けられた。1899年、札幌に区制が施行され、1910年に山鼻村は札幌区へ編入された。1909年から1918年までは札幌石材馬車鉄道があり、1923年に札幌市電山鼻線、その8年後に山鼻西線が開通し、また行啓通・西屯田通・東屯田通などの沿道は、商業地域として古くから発展した。藻岩山麓一帯は昭和30年代まで畑地の広がる近郊農業地帯であったが、その後公宅やマンションが立ち並ぶようになり、住宅街として発展を続けている。現在、住居表示上は「山鼻」の表記は残っておらず、また上述の山鼻村の範囲についても諸説が存在しているが、現在の中央区山鼻・曙・幌西地区の全体、及びこれらと隣接する地域の一部が、市民から山鼻と呼ばれていることが多く、公園や店舗、マンション等の名称にしばしば「山鼻」の文字が見受けられる。
山鼻は古くより「札幌の文教地域」としての顔も持ち合わせている。大正後期から昭和初期にかけて、札幌師範学校(現在の北海道教育大学札幌校)、札幌第一中学校(現在の北海道札幌南高等学校)が山鼻に移転。北海道教育大学札幌校は1987年に北区あいの里へ移転し、その跡地に札幌市中央図書館が1991年に移転した。また、かつて札幌の教育関係者の間で、有名校への進学率の高い中学校(柏・啓明・向稜・伏見・(道教大)附属)の頭文字を取って「3K2F」と呼ばれた時期があったが、このうち4校(道教大附属はのちに北区へ移転)は山鼻地域内の学校であった。
[編集] 主な施設、史跡など
- 札幌市中央図書館
- 札幌市埋蔵文化財センター
- 山鼻郵便局
- 中島公園
- ちざきバラ園
- 山鼻公園(園内に「山鼻兵村開設碑」がある)
- 山鼻屯田兵の像
- 山鼻記念会館
- エリエールスクエア札幌 渡辺淳一文学館
- 伏見稲荷神社
- 札幌市交通局電車事業所
- 啓明バスターミナル
- 地下鉄南北線中島公園駅
- 地下鉄南北線幌平橋駅
- 藻岩山ロープウェイ(山麓駅)
[編集] 交通
[編集] 外部リンク
- 札幌市中央区-地区紹介(山鼻地区、曙地区、幌西地区)
- さっぽろ発展の礎を築いた-山鼻屯田兵
- 山鼻.info