大迫忍
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大迫忍(おおさこ しのぶ、1945年8月13日 - 2005年6月18日)は大分県出身の日本の実業家。地図会社ゼンリンの社長を務めた。
中央大学文学部卒業後すぐに父正冨の興した善隣出版社(後の株式会社ゼンリン)に入社し、跡を継いで1980年に代表取締役社長に就任。実地調査を元に地図情報のデータベース化を推し進め、電子地図やカーナビゲーションなど時代を先取りした事業展開を行い住宅地図業界で売り上げ日本一を達成し、カーナビゲーションソフト業界の大手にも育てて海外進出も果たした。1994年に福証、次いで1996年に東証・大証の各2部に株式上場を果たした。
「長期政権は弊害を生む。55歳で引退する」との言葉を残し、2001年に21年間務めた社長を退任。その後は北九州経済の浮揚に奔走し、小倉そごう跡に小倉伊勢丹を誘致。また新北九州空港の運営会社、北九州エアターミナルの社長を引き受け、同空港就航を目指す新規航空会社スターフライヤーの立ち上げを支援するなど、北九州市内外の経済界でリーダーシップを発揮。多くの人望を集めたが、59歳という若さで永眠。
また、1995年にJRAの馬主資格を取得。「ゼンノ」の冠名で知られ、ゼンノエルシド、ゼンノロブロイといったGI優勝馬のオーナーとなった。また、南関東地方競馬でも馬主として活動し、こちらでもサプライズパワー[1]などで東京ダービーを制している。