大車輪 (麻雀)
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基本的には筒子のみの役であり、九連宝塔、緑牌索子と緑発による緑一色と並ぶ数牌による役満の形態である。
の形となり、断ヤオ九、清一色、七対子が複合した和了形である。
ルールによってはからやからでも可としたり、萬子や索子でも成立するとするルールもあるが、一般的にはこの大車輪自体が採用されないことが多い。 からやからを小車輪と呼ぶ場合もある。 また、索子で同様に作った物を大竹林という別の役とするケースもある。
初代ゲームボーイのゲームソフト・役満では筒子による七対子で大車輪扱いとなっている。
[編集] 役として認めない場合の飜数
大車輪を役として認めない場合、または筒子に限定するルールにおいて萬子や索子で同じ並びで和了した場合には、以下の計算で飜数を計算することになる。
まず、その並び方から以下の2種類に見解が分かれる。
七対子と二盃口は複合せずどちらかのみを採用することになるが、高役優先の法則により二盃口が優先される。
また、2・5・8のいずれかが待ち牌だった場合は一見するとその待ちだった牌の単騎待ちとなり、平和にならないという見方ができる。しかし、見方を変えれば以下のように両面待ちでもあることになり、平和が成立することになる。
- 2待ちの場合 - 5~8については2つの順子と雀頭となり、2~4が1つの順子(2~4)と1つの両面塔子(34)となる。
- 5待ちの場合 - 2を雀頭として見れば、6~8を2つの順子、3~5を1順子と1つの両面塔子として見ることができる。8を雀頭とした場合は2~4を2順子、5~7を1順子1両面塔子とする。
- 8待ちの場合 - 2~5を2つの順子と雀頭の組み合わせとし、6~8が1順子と1つの両面塔子となる。
3もしくは7が待ちであったケースも、一見すると嵌張待ちに見える。しかし、これも以下のように見方を変えれば両面待ちでもあることが証明される。
- 3待ちの場合 - 2を雀頭、6~8を2順子とし、3~5が1順子&1両面塔子となる。
- 7待ちの場合 - 8を雀頭、2~4を2順子とし、5~7が1順子&1両面塔子となる。
4もしくは6が待ちであったケースは、14枚の並びを、6枚の方に和了牌が含まれるように8枚と6枚で分ければ、8枚の方は2順子と1雀頭となり、6枚の方が1つは既にできていた順子、もう1つが和了牌を含める事で順子になる両面塔子であることが容易に理解できる。
- 4待ちの場合 - 5~8が2順子と1雀頭、2~4が1順子&1両面塔子となる。
- 6待ちの場合 - 2~5が2順子と1雀頭、6~8が1順子&1両面塔子となる。
つまり、どのケースであっても平和が成立することになり、平和の1飜が加えられる。よって、大車輪を役満としない場合の飜数は純正で1(断ヤオ九)+3(二盃口)+1(平和)+6(清一色)=11飜となる。これは3倍満に相当する。これにドラや立直が絡み、ルールによっては数え役満になることも多々あるため、大車輪自体を役として認めない場合でも大役となるのである。
1~7や3~9で和了した場合でも、最低でも二盃口と清一色は成立する。これらの場合については、待牌によっては平和が成立しないケースが発生する。それでも9飜もしくは10飜(どちらも倍満)と大きな役となる。
1~7の事例で平和の成否を以下に挙げる。
- 純正の2/5/8待ちに相当するケース
- 1待ち(1223344556677) - 4~7を2順子+雀頭、1~3を1順子+1両面塔子とすることにより平和が成立する。
- 4待ち(1122334556677) - 1~3を2順子、7を雀頭として見れば4~6が1順子+1両面塔子となり平和が成立する。
- 7待ち(1122334455667) - 1~4を2順子+雀頭、5~7を1順子+1両面塔子とすることにより平和が成立する。
- 純正の3/7待ちに相当するケース
- 2待ち(1123344556677) - 1を雀頭とし、5~7を2順子、2~4を1順子+1両面塔子とすることで平和が成立。
- 6待ち(1122334455677) - 7を雀頭とし、1~3を2順子、4~6を1順子+1両面塔子とすることで平和が成立。
- 純正の4/6待ちに相当するケース
- 5待ち(1122334456677) - 1~4を2順子+雀頭とすれば5~7が1順子+1両面塔子となり平和が成立する。
- 3待ち(1122344556677) - 4~7を2順子+雀頭として見ると辺張待ちとなり、5~7を2順子とし1を雀頭として見ると嵌張待ちになる。そのため、このケースでは平和が成立しない。
同様の理論で、3~9で作成した場合の7待ち(3344556678899)も平和が成立しない形となる。