塩化アンモニウム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩化アンモニウム(えんか―、ammonium chloride)は、化学式 NH4Cl、分子量 53.50 の塩。
無臭で、無色または白色粉末。337.8 ℃で昇華する。結晶は立方晶系。比重は1.53。水溶液はほとんど中性で、味は苦い。
天然では火山活動及び泥炭の自然発火により生じる。鉱物としての名前はSal Ammoniacである。
[編集] 用途
- 塩酸にアンモニア、またはアンモニアに塩酸を近づけると白煙(塩化アンモニウムの微結晶)を生じるので検出の際に多用される。
- 肥料、食品添加物、染色、火薬の原料、他 (食品添加物グレードの塩化アンモニウムは2006年で国内生産を中止、大創産業やシンワフーズケミカル株式会社ら食品添加物業者が海外品を輸入している。)
- イカの仲間には、浮力を得るために、塩化アンモニウムを体内に保有している場合がある。(特定のイカにある”えぐみ”はこのためである。)
- フィンランドなど北欧諸国で人気のあるサルミアッキ(リコリス菓子)というキャンディには塩化アンモニウムが使用されているため塩味とアンモニア臭がする。日本人の口に合わないため「世界一不味いアメ」として知られている。