国際競走
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国際競走(こくさいきょうそう)とは、開催している主催者に所属している競走馬のほか、外国に厩舎を置く調教師に管理された競走馬(以下、外国馬と呼ぶ)も出走できる競走である。ただし、外国馬については最大出走可能頭数が、全ての競走馬の最大出走可能頭数とは別に定められていることが多い。
アメリカやヨーロッパでは多くの競走で外国馬にも門戸を開いているが、日本では外国馬に門戸を開いている競走はかなり限られている。
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[編集] シリーズ戦
近年は、国際競走が世界各地で多くなってきており、その賞金額も年々増加傾向にある。そこで強い競走馬を出走させたくなるような魅力的な競走を提供すべく取り入れられたのが複数の競走からなるシリーズ戦の導入である。シリーズ内の競走に複数勝利した場合や、シリーズによって定められているポイントによる上位馬にボーナス賞金を出すことによって、シリーズへの参加を促している。2006年現在、日本の競走が組み込まれているシリーズ戦は以下の3つである。
- ワールドレーシング・チャンピオンシップ(2006年は休止)
- グローバル・スプリント・チャレンジ
- アジアマイルチャレンジ
国際競走とは異なるが、中央競馬の夏季開催を盛り上げる為に、2006年にサマースプリントシリーズとサマー2000シリーズが行われる。
[編集] 日本における国際競走
2006年現在、日本では中央競馬のみで100近くの競走が国際競走として指定されている。 しかし、ジャパンカップなど一部の競走を除いて海外からの選出馬が発表されたものの、その後選出馬の関係者(馬主、調教師ら)が出走辞退を発表して、結果的に中央競馬所属馬のみで競走が行われる事例が多数ある。これは日本のGIシーズンが海外の競馬においてもGI競走が比較的多く行われ、そこに照準を合わせて調教を行う馬が多いことや、海外から出走する場合に行われる検疫検査を行うための厩舎などの施設が充分整えられていない(現在は千葉県白井市の競馬学校、兵庫県三木市の三木ホースランドパークなど)ことなども挙げられる。 また、国際競走として外国馬には門戸を開く一方で、地方競馬所属馬に一切門戸を開いていない競走も数多く存在している問題も挙げられる。
2006年現在、地方競馬では国際競走は行われていない。
[編集] 歴史
1981年にジャパンカップが創設されて以後、国際競走を盛んに行うようになり、過去10回の実績を踏まえて1991年にジャパンカップが国際GI競走に指定された。2004年の時点では国際指定競走は24競走(平地22、障害2)が対象となっており、そのうちジャパンカップのほか、安田記念、宝塚記念、マイルチャンピオンシップの4競走が国際GI競走に、京王杯スプリングカップ、毎日王冠、阪神大賞典なども国際グレードに指定された(次項参照)。また近年は有力外国馬に国際指定競走に出走してもらうよう促進するため、一定のレーティング基準を満たした外国馬が出走する場合の輸送費とその馬の関係者の宿泊費などの諸費を全額日本中央競馬会(JRA)が負担する制度も設けられている。
中央競馬では2005年から2009年の「新5カ年計画」で、2007年度までに国際指定競走を従前の22から111前後(重賞、オープン特別含む)に増やす予定にしており、2005年度については春秋の天皇賞について各5頭までの外国馬に門戸を開放することや、GI以外の重賞21、オープン特別13の36競走(全て平地競走)を国際競走に指定し、国際競走指定競走は60(平地58、障害2)と大幅に拡大される。また2007年からは有馬記念も国際指定競走となる(但し2-3歳のクラシックに直結する競走については生産者保護の観点から対象から外れる)。
これはSITA(国際サラブレッド競売人協会)の国際格付け(世界各地の競馬先進国をパート1,2,3と分類している)において、従来日本がパート2に格付けされていたことから、それをパート1に昇格できるようにするための準備の一環とされている。
2007年の競馬番組でこの5ヵ年計画の目標が達成される見込みとなったため、IRPAC(国際格付番組企画諮問委員会)に申請を行い、2006年11月にSITAで承認、日本のパート1国への昇格が決まった。これに従い2007年度から以下に示す競走が国際競走の指定をうけることとなる。しかしSITAでは、同時に「外国人馬主に関する制度の改善が行われない限り、これ以上国際グレードに指定される競走を増やすことはない」との警告も行っている[1]。
[編集] 日本中央競馬会主催の国際競走
[編集] 国際GI
[編集] 国際GII
[編集] 国際GIII
[編集] 国際グレードなし
[編集] GI
- 2006年度から国際指定
- ヴィクトリアマイル(2006年度新設)
- 2007年度から国際指定(予定)
[編集] GII
- 2006年度から国際指定
- 日経新春杯
- アメリカジョッキークラブカップ
- 阪神牝馬ステークス
- 東海ステークス
- 阪神カップ(2006年度新設)
- 2007年度から国際指定(予定)
[編集] GIII
- 根岸ステークス
- 東京新聞杯
- 京都牝馬ステークス
- 阪急杯
- オーシャンステークス
- CBC賞
- 中京記念
- アンタレスステークス
- 新潟大賞典
- エプソムカップ
- プロキオンステークス
- マーメイドステークス
- 関屋記念
- アイビスサマーダッシュ
- 朝日チャレンジカップ
- 府中牝馬ステークス
- 京阪杯
- 2006年度から国際指定
- 中山金杯
- 京都金杯
- ガーネットステークス
- 平安ステークス
- シルクロードステークス
- ダイヤモンドステークス
- 中山牝馬ステークス
- マーチステークス
- ダービー卿チャレンジトロフィー
- 七夕賞
- 新潟記念
- 京成杯オータムハンデキャップ
- シリウスステークス
- 福島記念
- 鳴尾記念
- 2007年度から国際指定(予定)
[編集] 障害競走
- ペガサスジャンプステークス(グレード外)
- 中山グランドジャンプ(J・GI)
[編集] オープン特別(グレード外)
- 白富士ステークス
- コーラルステークス
- エイプリルステークス
- 谷川岳ステークス
- テレビ愛知オープン
- 欅ステークス
- NSTオープン
- ペルセウスステークス
- ポートアイランドステークス
- カシオペアステークス
- キャピタルステークス
- ギャラクシーステークス
- ディセンバーステークス
- 2006年度から国際指定
- 大阪城ステークス
- メトロポリタンステークス
- 関越ステークス
- 北陸ステークス