南極大陸
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南極大陸(なんきょくたいりく)は地球の最南端の大陸。南極を中心に位置している。
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[編集] 大陸概要
平均高度は2200mであり、全大陸中最も高い。南極大陸は南極海によって周囲を囲まれており、南極横断山脈によって二分されている。年間を通じて気候は非常に寒冷であり、ほとんどが雪と氷の世界である(氷雪気候)。そのため、沿岸地域に生息するわずかな動植物を除いてほとんど生物は生息していない。南極大陸は1千4百万平方キロメートルの面積を持ち、オーストラリアに続いて2番目に小さい大陸である。そして南極の98%が氷で覆われている。水蒸気の供給がないため、ほとんど降水がない。海岸部分を除いて、大陸の内部は世界中で最も大きい砂漠とも定義できる。また大陸の中では唯一永住する人間の住民がおらず、歴史的にも一度もいない。寒さに耐えることができる動植物だけが生息することができ、例としてペンギン、オットセイ、蘚類、地衣類、藻類などが挙げられる。
1959年に12の国が署名し採択した南極条約では、各国の領有権の主張が凍結されており、どの国にも属さない土地となっている。トップレベルドメインは.aqが割り当てられている。南極大陸には大量の資源が眠っているが、生態系保護の観点により、採掘は禁止されている。現在は、南極大陸各地に科学観測のための基地が設置され、約4000人が地球環境や天体観測などを行なっている。また、日本はドームふじ基地において、2503mの氷床コアを掘り出した。氷床コアは、過去に降り積もった雪が固まって氷となったもので、当時の空気を含んでいる。氷床コアを研究することにより、過去の気象状況などを知ることができる。数千メートルの厚さを持つ積雪層の重みにより、南極大陸の地盤は徐々に沈下している。
[編集] 南極大陸の移り変わり
南極大陸は、かつてのゴンドワナ大陸が分裂してできたものである。ジュラ紀までは現在のアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、オーストラリア大陸と陸続きだったが、白亜紀に入るとアフリカ大陸、インド亜大陸が分裂し、さらに5000万年前頃には南アメリカ大陸、オーストラリア大陸が分裂して完全に孤立した大陸となった。それまでは大陸に沿って暖流が流れてきていたので、現在とほぼ同じ位置に移動してきた後も温暖な気候を保っていたが、孤立した大陸となった結果南極大陸を取り囲むように周南極流と呼ばれる寒流が生まれ、暖流を遮った。このため急激に寒冷化し3000万年前頃には現在のような氷の大陸となった。大陸移動によって南極圏を通過しているためにこの名で呼ばれるが、以前は南極圏外にあったし、将来は南極圏から離れる可能性もある。将来出現するといわれているアメイジア大陸に合流するかどうかは不明のようである。
[編集] 南極に生息する動物
- ペンギン
- アザラシ
- クジラ
- L.L. Ivanov et al, Topographic map of Livingston Island and Greenwich Island
- Antarctic Place-names Commission of Bulgaria
[編集] 関連項目
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