交響曲第8番 (ショスタコーヴィチ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クラシック音楽 |
---|
作曲家 |
ア-カ-サ-タ-ナ |
ハ-マ-ヤ-ラ-ワ |
音楽史 |
古代 - 中世 |
ルネサンス - バロック |
古典派 - ロマン派 |
近代 - 現代 |
楽器 |
鍵盤楽器 - 弦楽器 |
木管楽器 - 金管楽器 |
打楽器 - 声楽 |
一覧 |
作曲家 - 曲名 |
指揮者 - 演奏家 |
オーケストラ - 室内楽団 |
音楽理論/用語 |
音楽理論 - 演奏記号 |
演奏形態 |
器楽 - 声楽 |
宗教音楽 |
メタ |
ポータル - プロジェクト |
カテゴリ |
ドミートリイ・ショスタコーヴィチの交響曲第8番ハ短調作品65は、ショスタコーヴィチが作曲した8番目の交響曲である。
交響曲第7番につづいて、交響曲で戦争を描くべく作曲されたが、第7番と比べるとあまりにも暗いため、当初の評判は非常に悪かった。そして、1948年にはジダーノフ批判によって1960年まで演奏が禁止された。しかし最近ではショスタコーヴィチの最も注目すべき作品のひとつとして注目されており、聴衆の人気も急上昇している。
- 演奏時間:約60分
- 作曲時期:1943年夏
- 献呈:エフゲニー・ムラヴィンスキー
- 初演:1943年11月4日、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー交響楽団
[編集] 構成
5つの楽章から構成される。
- 第一楽章 Adagio - Allegro non troppo
- 最も長い楽章。約30分。低弦の力強い序奏に続いて、悲痛な主題が提示される。この主題の他に様々な要素を取り入れながら進み、徐々に緊張感を高めていき、テンポを上げ、金管や各種打楽器を加えた劇的なクライマックスに達する。沈黙の後に主題が虚無感を持っているかのような雰囲気で歌われ、だんだん音楽は静かで内省的なものになっていく。最後にいくぶん慰めを持った主題が反復され静かに結ばれる。
- 第二楽章 Allegretto
- スケルツォ。力強くも、おどけた雰囲気を感じさせる。戦闘なのか、お祭り騒ぎなのか。単調な主題の反復と変形を経て、あっさりと結ばれる。
- 第三楽章 Allegro non troppo
- 戦いを描いたもの。弦の機械的なリズムが繰り返される中、様々な楽器がファンファーレ風の旋律を奏でる。次第に凶暴なものになり、頂点で全楽器が爆発して、この曲の中でも最大のクライマックスを築き、そのまま次の楽章に続く。
- 第四楽章 Largo
- パッサカリア。前楽章のクライマックスを受け継いで、凶暴な音楽が繰り返されるも、突如として静かなものになり、ゆっくりと葬送風の音楽が繰り返される。主題は第一楽章の反復主題に基づいたものである。内省的で暗い、悲痛な雰囲気の中、次の楽章に続く。
- 第五楽章 Allegretto
- 終楽章。一転して田園舞曲風の、楽天的な主題が木管に現れる。しかし、途中から第一楽章のクライマックスが回想される。暗い雰囲気が続くが、だんだん音楽は穏やかになり、主題が戻る。そして速度を落とした後に全曲は静かに結ばれる。
ハ短調という調性は、悲劇を連想させる調として古くから頻繁に使用されてきた(ベートーヴェンの交響曲第5番など)。この交響曲もハ短調で書かれており、その調性のイメージに合った内容の音楽になっている。ショスタコーヴィチの全作品のなかで最も悲劇的であるといわれることもある。
[編集] 編成
- ピッコロ 2
- フルート 2
- オーボエ 2
- イングリッシュホルン 1
- ピコロクラリネット 1
- クラリネット 2
- バスクラリネット 1
- ファゴット 2
- コントラファゴット 1
- ホルン 4
- トランペット 3
- トロンボーン 3
- チューバ 1
- 打楽器
- 弦五部
[編集] 作曲の経緯
スターリングラード攻防戦の犠牲者への墓碑として作曲された。