中央アルプス市
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中央アルプス市(ちゅうおうあるぷすし)は、長野県の駒ヶ根市、上伊那郡飯島町、中川村で予定されていた市町村合併(平成の大合併)で、合併が実施される場合に使用する予定だった市の名前である。
この3市町村は、合併を前提にした新市名を一般から公募し、その優秀作上位6点について住民に対するアンケート調査を実施。また合併協議会でもこの6点について協議を2005年(平成17年)2月に行った。候補となったのは、(新)駒ヶ根市、駒ケ岳市、伊南市(いなんし)、駒美市(こまみし)、中央アルプス市、美駒市の6点だった。
その結果、トップは(新)駒ヶ根市だったが、「駒ヶ根市だと吸収合併というイメージが強く、地元住民(特に、飯島、中川)からの賛同が得られにくい」との理由で、次点だった伊南市は「隣接する伊那市と名前が似ていて紛らわしい」との理由で、最終的に「3つの自治体が対等な立場で合併して、新しい街づくりを進めるにはそれを共有できる新しい名前にするべきだ」「永久不変である中央アルプスからの眺めは3つの自治体の共有財産で、また3つの自治体を包括、特定しやすい。」という理由で、最終的に中央アルプス市に決定した。
だが、その月に3つの自治体で合併の是非を問う住民投票を行った。その結果、駒ヶ根市と飯島町では反対票が大多数を占めたため、この3つの自治体での合併計画は白紙撤回された。カタカナの市名への抵抗、「駒ヶ根」の名称の消滅などが反対理由としてあげられている。
また、「南アルプス市の二番煎じ」「南アルプス市のパクリ」という声も多く聞かれ、同時期に愛知県における南セントレア市の騒動が大きなニュースになり、それとともに全国ネットのニュースでも話題になり、大きなマイナスイメージとなった。
主役であるはずの住民が無視された形の新市名の決定であり、その不透明さに、住民が大きく反発した結果になった。
合併後の新市名を巡る諸問題で、合併が白紙撤回に戻された事例は、他に南セントレア市(愛知県知多郡美浜町と南知多町が予定していた)、白神市(秋田県能代市・山本郡琴丘町・二ツ井町・八森町・山本町・八竜町・峰浜村が予定していた)、安土市(滋賀県能登川町・五個荘町・安土町)、平泉市(岩手県一関市・西磐井郡平泉町・花泉町・東磐井郡大東町・藤沢町・千厩町・東山町・室根村・川崎村)のケースがある。