ローマ条約
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ローマ条約(ローマじょうやく)とは、欧州経済共同体 (EEC) 設立に関する、フランス、西ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ及びルクセンブルグが1957年3月25日に調印した条約である。もとの正式名称は、欧州経済共同体設立条約 (Treaty establishing the European Economic Community) であった。しかしマーストリヒト条約により、他の事項とともに共同体と条約両方の名称から"経済"を除去する修正を受けた。この結果、本条約は欧州共同体設立条約又はEC条約と呼ばれている。
もう一つの条約が同日に調印され、欧州原子力共同体 (Euratom) が設立された。2002年に失効した欧州石炭鉄鋼共同体設立条約と連動する両条約は、ローマ諸条約(仮訳/Treaties of Rome)として知られてきた。Euratom条約と同様にローマ条約は、1958年1月1日に発効した。
原条約は、その後に続けて成立したEUの諸条約によって改正されてきた。ニース条約は全ての条約を一つの文書へとまとめようとしたが、修正されたEC条約はこの文書の中で、独立した条項番号を持つ一つの節のまま残っている。
1993年にマーストリヒト条約が発効したことは、欧州統合へ向かう更なるステップであったけれども、共同体としての制度のほとんどの判断は未だ、共同体法規の主たる典拠であり続けるEC条約の法的基礎に基づいてなされている。
条約は次のメンバにより署名された:
- Paul-Henri Spaak及びJ. Ch. Snoy et d'Oppuers(ベルギー代表)
- Konrad Adenauer及びWalter Hallstein(西ドイツ代表)
- Christian Pineau及びMaurice Faure(フランス代表)
- Antonio Segni及びGaetano Martino(イタリア代表)
- Joseph Bech及びLambert Schaus(ルクセンブルグ代表)
- Joseph Luns及びJ. Linthorst Homan(オランダ代表)
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