リアルバウト餓狼伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『リアルバウト餓狼伝説』(りあるばうとがろうでんせつ、REAL BOUT - )は、1995年12月21日にSNKがMVSで発売した2D対戦格闘ゲームで、餓狼伝説シリーズとしては5作目となる。容量は346メガ。
前作の餓狼伝説3ではテリー・ボガードが永久連続技を持つなどの問題があり不評を受けたため、本作が短期間で続編として製作される事となった。キャッチコピーは、「さらば、ギース」。キャライラストは前作に引き続き森気楼が担当。家庭用への移植はネオジオ(1996年1月26日発売)、ネオジオCD(1996年2月23日発売)、セガサターン(1996年9月20日発売)、プレイステーション(1997年1月10日発売)。またこれ以降、タイトルに「リアルバウト」を冠する続編が作られていく。
目次 |
[編集] 基本ゲームシステム
基本的には前作を踏襲しているが、パンチ・キックの強攻撃を統一して3ボタンにし、残ったDボタンにライン移動を割り当てる事で操作が簡易化されている。
コンビネーションアーツも、A・B・Cの順押しという簡素なものがほとんどのキャラに用意された。
潜在能力も制限がゆるくなり、2本になった体力ゲージが1本の状態でかつパワーゲージを満タン(P.POWER)にすれば出せるようになった。また、パワーゲージを消費してガードキャンセルを行うブレイクショットも追加された。
他にも3D格闘の影響を受けてか、画面端の障害物が破壊される事で、2D格闘では珍しいリングアウトが発生し得る。
[編集] 続編
- リアルバウト餓狼伝説スペシャル
- MVSにて1997年1月28日発売。容量は394メガ。略称はリアスペ、RBS。前作でのリングアウトが不評であったため、画面端を破壊する事で相手が気絶する仕様に変更。隠しでEXキャラクターも追加されている。また、多くのキャラが衣装に変更を受けている。家庭用への移植は、ネオジオ(1997年2月28日発売)、ネオジオCD(1997年3月30日発売)、セガサターン(1997年12月25日発売)、プレイステーション(1998年6月25日発売)。
- リアルバウト餓狼伝説2 -THE NEWCOMER-
- MVSにて1998年3月20日発売。容量は539メガ。略称はRB2。開始前デモや勝利ポーズが省略され、対戦のスピード化が図られた。システムの完成度は高い。また一部キャラの独特な技コマンドが変更され、入力しやすいものになったが不評の声もある。餓狼伝説2やSPECIALにあった、1ラインステージも復活している。今回のみキャライラストは白井影二が担当。家庭用への移植は2006年現在、ネオジオ(1998年4月29日発売)、ネオジオCD(1998年7月23日発売)のみである。
- リアルバウト餓狼伝説スペシャル DOMINATED MIND
- プレイステーション用ソフトとして1998年6月25日発売。RBSの移植版。アルフレッドを主人公にしたストーリーが展開される。複数ライン制ではなくなっているが、ファイナルインパクト(いわゆるスーパーキャンセル)やクイックアプローチ等の独自のシステムも追加されている。また、条件を満たすことで一部キャラに隠し技が追加される。ムービーのアニメはサンライズ製作。
- 熱闘リアルバウト餓狼伝説スペシャル
- タカラより1998年3月27日発売のゲームボーイ版。ゲストキャラとしてKOFの八神庵が登場する。
- 餓狼伝説 FIRST CONTACT
- 1999年5月27日にネオジオポケットで発売。リアルバウトの名は付いていないが、RB2がベースになっている。ネオポケ格闘の例にもれず、ゲーム中のキャラはディフォルメされたもの。
- 餓狼伝説 バトルアーカイブズ2
- プレイステーション2にて2007年発売予定。NEOGEO オンラインコレクションの新作で、『リアルバウト餓狼伝説』『RBS』『RB2』の3タイトルが移植・収録される。
[編集] 登場キャラクター
- テリー・ボガード[Terry Bogard](CV:橋本さとし)
- ついにギースとの決着がつく事に(彼とアンディのEDのみ、タワーから転落するギースを助けるものの手を振り払われるシーンが挿入される)。RB2のEDでは新たな趣味のトローリングに興じる姿が見られる。DMでの隠し技はKOFで使っていた超必殺技「ハイアングルゲイザー」。
- アンディ・ボガード[Andy Bogard](CV:難波圭一)
- 前作から髪を首の後ろで縛って短かったが、RBSでKOFなどと同じように放髪に戻している。DMでは隠し技で「昇龍裂破弾」という超必殺技が追加される。
- 東丈[Joe Higashi](CV:檜山修之)
- DMでの隠し技は、テリー同様にKOFで使っていた超必殺技「爆裂ハリケーンタイガーカカト」。
- 不知火舞[Mai Shiranui](CV:曽木亜古弥)
- 潜在能力「レオタード忍蜂」でレオタード姿を披露したが、RBSでの衣装変更に伴って潜在能力も変更された。RB2のEDではアンディがハゲになる悪夢を見る。
- ギース・ハワード[Geese Howard](CV:コング桑田)
- ボスの座に返り咲く。そして壮絶な最期を遂げる事となった。RBSではナイトメア(悪夢)、RB2では真の秘伝書が生み出した幻として復活。RBSでは家庭用版でのみ使用可能。
- 望月双角[Sokaku Mochizuki](CV:石井康嗣)
- 続編ごとに使役する雷神がその力を増していくように描写され、RBSのEDではその雷神に支配されてしまう。
- ボブ・ウィルソン[Bob Wilson](CV:森川智之)
- 潜在能力「マッドスピンウルフ」は、『ストリートファイター』シリーズで同じ声優が担当するキャラクターのものにそっくりだったりする。
- ホンフゥ[Hon Fu](CV:森川智之)
- RBSで趣味の囮捜査に謹慎を受けるが「RB2」で晴れて解かれる。またRBSのストーリーでは銃の扱いはほとんど駄目なことが判明する。
- ブルー・マリー[Blue-Mary](CV:生駒治美)
- RBS以降衣装が大幅に変更され、緑の袖を折った革ジャンを着たまま闘うように。赤のタンクトップは青のノンタンクトップ、革型のロングリストバンドは黒のライダーズグローブ、靴はロングブーツに変わった。また同作からはスタンガンを使った技も見られる。
- フランコ・バッシュ[Franco Bash](CV:B.J.Love)
- 前作での戦いで息子も解放され、プロへの復帰を決意する。RBS以降は体が一回り大きくなり、水色だったオーバーオールがオレンジに。性格もユーモラスに変化(「RB2」のEDでは着ぐるみで中からRBまでのバッシュが出てくる)。
- 山崎竜二[Ryuji Yamazaki](CV:石井康嗣)
- デフォルトで使用可能になった。潜在能力が投げ技に変更され、RBSで必殺技でも投げ技が追加とやや投げキャラ的な性能になっていった。
- 秦崇秀[Jin Chonshu](CV:山口勝平)
- 彼もデフォルトで使用できるようになり、続編ごとに兄との差別化が図られていく。RB2のEDでは正気を取り戻し、独りキムの元に入門した。
- 秦崇雷[Jin Chonrei](CV:山口勝平)
- 弟と同じくデフォルトで使用可能に。RB2のEDではタンの弟子になり、修行を受けている。
- ダック・キング[Duck King](CV:コング桑田)
- 餓狼伝説SPECIALから再登場。今回からヒヨコのPちゃんを連れて闘う。また、強力な新技が使えるようになる特殊な潜在能力「ダックダンス」を習得。踊る時間が長ければ長いほど、より強力な技が使えるようになる。ちなみに、彼専用のBGMには担当声優・コング桑田氏のファンキーなボーカルが入っている。
- キム・カッファン[Kim Kaphwan](CV:橋本さとし)
- ダックと同じく再登場を果たす(前作に彼がいなかった事は韓国では大変不評だった)。ストーリー内でチョイ・ボンゲらしき人物のセリフがある。前作でもホンフゥのストーリー内で「チームで忙しい」と説明されており、KOFとの関連を思わせる。RB2のEDでは秦兄弟を弟子にしている(前述の兄弟らのEDと食い違うのはあくまで「もしキムが勝った場合」の出来事であるため)。
- ビリー・カーン[Billy Kane](CV:山西惇)
- 使用キャラとして再登場し、中ボスも勤める。ギースに倣ってか、当て身打ち技を習得したり日本語を使うようになった。
[編集] RBS
- タン・フー・ルー[Tung Fu Rue](CV:中井重文)
- 餓狼伝説SPECIALから再登場したが、当時よりもコミカルに。また、勝利ポーズで魂が抜けかけたりとヒヤヒヤする場面も。
- チン・シンザン[Cheng Sinzan](CV:中井重文)
- DMでは(対戦前デモの流用だが)愛車のバンで相手を跳ねる超必殺技が隠し技として追加。
- ローレンス・ブラッド[Laurence Blood](CV:有田洋之)
- かつての三闘士の一人。今回でシュトロハイム城の警備隊長に就任している。
- ヴォルフガング・クラウザー[Wolfgang Krauser](CV:B.J.Love)
- フルネームは「ヴォルフガング・クラウザー・フォン・シュトロハイム」。本来餓狼伝説2で死亡しているはずなのだが、パラレル設定での登場。
- “ナイトメア”ギース・ハワード["Nightmare" Geese Howard](CV:コング桑田)
- 死後、悪夢として現れたギース。クラウザーを倒した後、特定条件下で隠しボスとして登場する。足元にオーラが渦巻いており、キャラ性能も従来のギースよりかなり強化されている。
- EXアンディ・ボガード[EX Andy Bogard](CV:難波圭一)
- 「影」の不知火としてのアンディ(ノーマルの彼は「光」ということになる)。オリジナルの技を幾つか持つ。
- EXブルー・マリー[EX Blue-Mary](CV:生駒治美)
- 人体を破壊する事に喜びを見出すサディスティックな性格になったマリー。「DM」のマリーの性能やカラーは赤と紺がベース。
- EXビリー・カーン[EX Billy Kane](CV:山西惇)
- ギースの死後、壊れてしまったビリー。三節棍に名前を付けて恋人と呼んでいる。性能的には「RB」のビリーがベース。
- EXタン・フー・ルー[EX Tung Fu Rue](CV:中井重文)
- すっかりボケて、テリー達の事も分からなくなってしまったタン。性能は「ガロスペ」時代のものに近い。
[編集] RB2
- 李香緋[Li Xiangfei](CV:金月真美)
- サウスタウンの中華街に在住する、中国系アメリカ人の少女。中華料理店でバイトをして身を立てている。あちこちの流派からのつまみ食い拳法を使う。技の名前はいずれも大阪の地名と、テレビアニメ・特撮の巨大ロボットの名前をもじったもの。
- リック・ストラウド[Rick Strowd](CV:タニー山口)
- ネイティブ・アメリカンの血を引くボクサー。かすかながら自然の声を聞くことができ、明日の天気も分かる。彼の必殺技「ヘリオン」と超必殺技「ガイアブレス」は、KOFシリーズのヴァネッサも使う(彼女の場合、技名は「フォビドゥン イーグル」「ガイア・ギア」となっているがボイスはリックと同じ)。
- アルフレッド[Alfred](CV:結城比呂)
- CPU専用の隠しボス。詳細は『DOMINATED MIND』の項を参照。
- ラオ[Lao](デモキャラ)
- オープニングデモで、香緋やリックに倒されている大男。FIRST CONTACTでのみ隠しキャラとして使用できるようになっている。後に餓狼MOWでリーリンナイツのメンバーとして登場。
[編集] DOMINATED MIND
- アルフレッド[Alfred](CV:結城比呂)
- 今回の主人公で、冒険家を志す飛行機乗りの少年。手刀をメインに使う。亡き父が眠る自分の故郷を手にかけようとするホワイトに、敢然と立ち向かっていく。RB2では、CPU戦において、1コイン、超必殺技で7回以上K.O.または潜在能力で5回以上K.O.した上に全ての試合を(ボス戦も含めて)ストレートで勝ち進むと、最後に隠しボスとして登場、彼に勝っても負けてもそのままエンディングに突入する。
- ホワイト[White](CV:藤原啓治)
- CPU専用キャラ。イギリス出身。マインドコントロールで人を操る超能力者。武器商人でもあり、他にも様々な悪事を働いている。ギース亡き後のサウスタウンに乗り込み、ビリーを洗脳し支配する。格闘技経験がないためガードを全く行えないが、ヒット時一発で気絶させる必殺技やK.O.後に起き上がって放つ飛び道具(喰らうと逆転K.O.される)など掟破りな技が多い。
[編集] 関連項目
カテゴリ: コンピュータゲーム関連のスタブ記事 | 餓狼伝説 | アーケードゲーム | ネオジオ用ソフト | ネオジオポケット用ソフト | プレイステーション用ソフト | セガサターン用ソフト | ゲームボーイ用ソフト | 1995年のコンピュータゲーム