メリー・ポピンズ
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メリー・ポピンズ(Mary Poppins)は、
- オーストラリアの作家P・L・トラヴァースの児童文学作品。
- 『風にのってきたメアリー・ポピンズ』とも言う。この作品はシリーズ化されて7作まで出版されている。日本語訳は、最初の4作が岩波書店から、以後の3作が篠崎書林から刊行されている。
- 1.を原作とした映画。以下に記述。
メリー・ポピンズ(Mary Poppins)は、1964年のアメリカ映画。ファンタジー映画。
ウォルト・ディズニー・カンパニー製作のミュージカル映画。米アカデミー賞5部門を受賞。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] ストーリー
1910年。ロンドンの桜通りに住むジョージ・バンクス氏は厳格で気難しい銀行家。妻のウィニフレッドも婦人参政権運動に夢中で子どもは全て乳母任せだった。 二人の子どもである、お姉さんのジェーンと弟のマイケルは悪戯好きで乳母がすぐに辞めてしまっていた。
そんなある日、新しい乳母を募集しようと広告の文章を考えているバンクス氏に、子どもたちは優しくて、美しく、親切でおもしろい、そんな乳母の広告を書いて見せる。父は子どもたちの意見を取り上げるどころか、紙片をストーブに放りこんでしまった。
しかし、ジェーンとマイケルの広告は煙突から空高く飛んでメリーのもとに届いた。翌朝、バンクス氏の出した広告を見て集まった乳母候補がバンクス家の玄関の前に並んでいると、子供の書いた紙片を持ったメリー・ポピンズが飛んでくる。
メリーは自己紹介もほどほどに子ども部屋へ行き、指をぱちんと鳴らすと魔法のように散らかった部屋が片づき、不思議な鞄からは何でも出す。子どもたちはすぐにメリーと仲良くなった。散歩のときには大道芸人バートの描く絵の中に入って遊び、メリーゴーランドの馬に乗って狐狩り、笑いが止まらないために宙に浮かんだままになってしまった人、不思議な体験をしていく。
メリーがやって来てからは家中が朗らかになり、普段不機嫌な家政婦やコックが歌まで歌いだしたのがバンクス氏は不思議でたまらない。バンクス氏は子供たちに自分の働く姿を見せ、厳格にしつけようと考えた。
銀行の老頭取が無理に預金をさせようとしたので、子どもたちは思わず「私のお金を返して!」と大声をだした。それを聞いた預金者たちは銀行が危ないのではないかと勘違い、あわてて払いもどしに殺到、取り付け騒ぎで銀行は大混乱に陥った。
逃げだした子供は途中で煙突掃除夫姿のバートに出会った。煙突だらけの屋上に上ると、煙突の中からメリー・ポピンズが現れ、あちこちからバートの友達の煙突掃除夫が現れて、煤にまみれながら皆で踊りつづけた。
その夜、バンクス氏は銀行の重役に呼び出され、クビを宣告される。そのときになってバンクス氏はメリー・ポピンズの魔法の言葉「スーパーカリフラジリスティックイクスピアリドーシャス」を思い出して、クビになったことなど気にも留めず楽しそうに銀行から去って行き、そのまま行方不明になってしまう。
翌朝帰ってきたバンクス氏は、本当に大切なものは仕事ではなく家族・子どもたちだったことに気づき、一家揃ってタコあげにでかける。凧揚げをしているバンクス氏のもとに、同じく凧揚げに興じる老頭取の息子が話しかけられ、バンクス氏が去った後、頭取はバンクス氏のジョークで笑って死んだことを告げられる。重役たちはバンクス氏を重役にすることを決めて、みんなで凧揚げを楽しむ。
あれだけメリーに懐いていた子どもたちもやはり本当の父と母が一番だった。自分の役目は終わったと感じたメリーは次の子どもたちのために旅立つことを決意する。
「さよならメリー・ポピンズ」凧売りに転じたバートに見送られてメリー・ポビンズは風に乗って空に舞い上がった。
[編集] キャラクター
[編集] メリーとバート
- メリー・ポピンズ(ジュリー・アンドリュース)
- 魔法が使えるナニー。ジェーンとマイケルの書いた乳母募集の広告を見てバンクス家にやってくる。
- バート(ディック・ヴァン・ダイク)
- 大道芸人で煙突掃除人なメリーの友達。恋人ではない。なおディック・ヴァン・ダイクは別役にも扮しており、最後のクレジットで特別趣向で明かされる。
[編集] バンクス家の人々
- ジェーン・バンクス(カレン・ドートリス)
- バンクス家の長女でお姉さん。
- マイケル・バンクス(マシュウ・ガーバー)
- バンクス家の長男で弟。
- ジョージ・バンクス(デビッド・トムリンスン)
- 銀行に勤める厳格なお父さん。すべてをきっちりとしなければ気がすまない。
- ウィニフレッド・バンクス(グリニス・ジョーンズ)
- ジョージの妻で、ジェーンとマイケルのお母さん。子どもたちのことは乳母に任せっきりにして女性の選挙権を主張する運動に夢中。
[編集] その他
- ケイティ・ナナ(エルザ・ランチェスター)
- メリーの前任の乳母。子どもたちに手を焼きすぐに辞めてしまう。
[編集] スタッフ
- 監督 : ロバート・スティーブンソン
- 脚本 : ドン・ダグラディ / ビル・ウォルシュ
- 製作 : ウォルト・ディズニー
- 撮影 : エドワード・コールマン
- 音楽 : リチャード・M・シャーマン / ロバート・B・シャーマン
- 編曲 : アーウィン・コスタル
- SFX : ピーター・エレンショー / ユースタス・ライセット / ロバート・A・マッティ
- アニメーション : ハミルトン・S・ラスケ
- 美術 : ウィリアム・タントク / キャロル・クラーク
- 編集 : コットン・ウォーバートン
- 振付 : マーク・ブロウ / ディ・ディ・ウッド
[編集] 受賞
- アカデミー主演女優賞
- アカデミー作曲賞
- アカデミー歌曲賞
- アカデミー視覚効果賞
- アカデミー編集賞
[編集] 収容曲
- チム・チム・チェリー
- 古い鎖を断ち切って
- バンクス氏の主張
- お砂糖ひとさじで
- 笑うことが好き
- スーパーカリフラジリステックエクスピアリドゥーシャス
- 2ペンスを鳩に
- 凧をあげよう
- 踊ろう、調子よく(ステップ・イン・タイム)
- 楽しい休日
[編集] 外部リンク
- allcinema
- メリー・ポピンズ スペシャル・エディション - ディズニーによるDVD情報
- Mary Poppins - Internet Movie Database