ポケモンコロシアム
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ポケモンコロシアム | |
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ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ |
発売元 | 株式会社ポケモン 任天堂 |
人数 | 1~2人、4人 |
メディア | 光ディスク |
発売日 | 2003年11月21日 |
価格 | 6,090円 |
売上本数 | 約65万本(日本) |
その他 | メモリーカード59同梱 |
『ポケモンコロシアム』は、2003年11月21日に任天堂から発売されたニンテンドーゲームキューブ用ゲームソフト。ポケットモンスターシリーズの一つで、NINTENDO64の『ポケモンスタジアム』シリーズの続編ともいえる作品。
目次 |
[編集] 概要
「対戦モード」でゲームボーイアドバンス(以下「GBA」)版のポケモンシリーズとGBAケーブルを用いた連携により3D画面でポケモン対戦を楽しんだり、「シナリオモード」でシリーズ初の本格派3DRPGを楽しむことができる。2つのモードの世界観は共通であるが、それぞれが独立したゲームである。
キャラクターデザインにヒロモト森一を起用し、西部劇風のサイバーパンクとでも言うべき、従来のポケモンとは一線を画す雰囲気も特徴的。ただし本編と異なる世界や時間軸というわけではなく、あくまでも「遠く離れた地方」という位置付けである。
[編集] 対戦モード
GBA用ソフト『ポケットモンスター ルビー・サファイア』(後に発売された『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』『ポケットモンスター エメラルド』にも対応)で育てたポケモンで、ノンプレイヤーキャラクター、または他のプレイヤーと対戦することができるモード。システム的にはほぼ『ポケモンスタジアム』の踏襲である。アイテムの使用などは一切不可能であり、使用ポケモンや持たせるアイテムの重複も不可能。
『スタジアム』からの追加要素として、クリア特典で獲得できる「ポケクーポン」が挙げられる。クリアしたものの難易度に応じて獲得できるポイントであり、貴重なアイテムと引き替えができる。
対戦モードではいずれも使用するポケモンに制限は無いが、いわゆる「伝説のポケモン」を使用すると、勝ち抜いたときにもらえる「ポケクーポン」が減額されるデメリットがある。
[編集] トーナメント
レベル50以下と無制限の2つのレベルがあり、それぞれ3段階の難易度とシングルバトル/ダブルバトルを選択できる。『ポケモンスタジアム』のように、使用ポケモンが制限されるルールは無い。トレーナーに勝利するごとにポケモンは完全回復し、8連戦を勝ち抜けばクリアとなる。「ひんし」ポケモンを出さずにトレーナーに勝利するとコンティニューの回数が増える。
[編集] バトル山
「ジムリーダーのしろ」に相当するモード。こちらのポケモンに合わせたレベルのトレーナーと100連戦をすることになる。コンティニュー制なども含め、基本的なルールはトーナメントに準ずる。敵ポケモンの能力が低めに設定されているため、初心者でも根気があればクリアできる作りになっている。
[編集] フリーバトル
GBA版のプレイヤー同士、あるいはGBA版とシナリオモードのプレイデータの間で対戦をすることができる。
GBA版を使用している場合、コマンド入力は各自のGBA本体の画面で行うことになる。これにより他人に手の内を明かさずにコマンドを選択することができる。
[編集] シナリオモード
謎の組織との戦いを繰り広げながら、彼らによってココロを閉ざされ、戦闘マシーンと化したポケモン「ダークポケモン」を「スナッチ」(奪い取ること)し、「リライブ」という手段でココロを開き、元のポケモンに戻していく事が冒険の目的である。目的を達成したあとは、GBA版とポケモンの通信交換が可能となる。
基本的に、GBA版ポケットモンスターとほぼ同じものを踏襲しているが、戦闘は主に、ポケモンを2体ずつ繰り出す「ダブルバトル」で行われる。なお、セーブはゲーム内のパソコン端末でしか行えない。このシステムは不評であったためか、次作では本編同様どこでもセーブできるようになった。
発売された時点で、「今までGBA版では入手できなかったポケモンを入手できる」ことを売りにしていた。主に『金・銀』で初登場したポケモンを集めることができる。しかし、後発の『ファイアレッド・リーフグリーン』『エメラルド』でこれらのポケモンはほとんど入手できるようになってしまった。
[編集] 拡張ディスク
本作の予約購入者には、特典として「拡張ディスク」が配布された。『ポケモンチャンネル ~ピカチュウといっしょ!~』の体験版と、本作を有利にプレイするためのコンテンツが収録されている。
[編集] セレビィ
幻のポケモンであるセレビィをもらうことができる。手に入れるには本作のシナリオモードをクリアしていなければならない。同じくクリアした状態のGBA版があれば、そちらからも受け取ることができる。 2006年夏に「ポケモンジャングルツアーズ」が開催されるまでは、国内版において唯一のセレビィ入手法であった。
なお、北米版においてはセレビィの代わりにジラーチが手に入る。こちらは日本では外部のキャンペーンでしか入手することができないポケモンであった。
[編集] ポケクーポンのボーナス
今までに獲得したポケクーポンの累計に応じて、ポケモンやアイテムを手に入れることができる。
[編集] 世界
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
本作は、オーレ地方が舞台となっている。野生ポケモンは生息していないと言われている。 オーレ地方のマップは、アメリカ合衆国アリゾナ州フェニックス市がモデルとなっている。
[編集] 地名一覧
※通常字体は町・村など、斜体字 はダンジョンを表す。
- フェナスシティ - 溢れるほどの水を讃える砂漠の中の水都。オアシスと呼ぶににふさわしい、綺麗で静かな街だが、水面下は…。
- パイラタウン - "由緒正しき"ゴロツキの町。周囲の者は怖がって近付こうとせず、町にはフル稼働の警察署が常設している。
- アゲトビレッジ - 伝説の時渡りポケモン・セレビィをまつるほこらがあり、老人たちが静かに暮らす自然豊かな村。かつて伝説のトレーナーと呼ばれた、ローガンが住んでいる。
- バトル山 - トレーナーの修行のための施設。ブースが100あり、それぞれトレーナーと戦うことができる。
- アンダー - パイラタウンのアンダーグラウンドにある地下都市。ダークポケモン研究所と地下鉄で結ばれている。無法地帯であり、独自に生息し続けるネオンの街。
- ダークポケモン研究所 - 一見砂漠の中にぽつんと佇む小さな施設だが、地下には巨大な根を張る、シャドーの研究所。ダークポケモンを研究しているらしい。
- ラルガタワー - 膨大な金額で急激に開発が進められてきた、シャドーが活動の本拠地としている白亜の塔。
- スナッチ団アジト - 爆破され、復旧中のアジト。
[編集] 本作の評価
主に『ポケモンスタジアム』のファンから、本作に対する厳しい意見が投げかけられることが多い。具体的には以下のような『スタジアム』にあったのに今作では無くなった要素についてである。
- パーティを1つしか登録できない。対戦モードに参加するには登録必須なので、保存目的で登録することもできない。
- しかもGBA版で手持ちにいるポケモンしか登録できない。
- 『ルビー・サファイア』で新登場したポケモン以外は、ほぼ『スタジアム』から流用されたCGであるため、新旧のギャップが目に付く。
- 鳴き声が本編同様の電子音である(『スタジアム』ではアレンジされていた)。
- 対戦ルールはダブルとシングルを選べるのみで、レベルやポケモンを制限した特殊ルールが存在しない。
- 個性的なトレーナーのセリフが無くなった。
- ミニゲームが無くなった。
- 膨大な数の為かレンタルポケモンがいない。
- 実況が無くなり、試合の臨場感が無くなった。
その他にも、本作のメインと言っても過言ではないシナリオモードにも、
- バトルが全てダブルバトルであり、やりごたえはあるものの、初心者には厳しすぎてテンポも悪い。
- 人物のポリゴンがNINTENDO64並。
- スナッチからリライブまでの流れが悪い。
と、厳しい評価が多い。また、これらのシステムは、続編であるポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギアにも、ほとんど改善されること無く引き継がれた。
しかし、本作の音楽はなかなか高く評価されており、ファンの間では未だにサウンドトラックの発売を希望する声が止まない。
[編集] 関連項目
- ポケットモンスター
- ポケモンXD 闇の旋風ダーク・ルギア(続編といえる作品)