ブリタニカ百科事典第11版
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ブリタニカ百科事典第11版(1911年版ブリタニカ百科事典、1911 Encyclopædia Britannica)は、20世紀初頭の知識の集大成である。この版はブリタニカ百科事典の中でも最も優れたものであると、現在でも言われることが多い。他の百科事典と比べて10倍も書き込まれた記事を多く持つとも言われている。
いくつかの記事は当時の著名な研究者たちによって書かれている。例えば、エドムンド・ゴス (Edmund Gosse)、J・B・バリー (J. B. Bury)、アルジャーノン・チャールス・スウィンバーン (Algernon Charles Swinburne)、ジョン・ミューア (John Muir)、ピョートル・クロポトキン (Prince Peter Kropotkin)、トマス・ヘンリー・ハクスリー (T.H. Huxley)、ウイリアム・ミッチェル・ロゼッティ (William Michael Rossetti)、アルベルト・アインシュタイン (Albert Einstein)、ヘンリー・フォード (Henry Ford)らが挙げられ、その他にも現代では無名になってしまった多くの研究者が参加している。執筆者の多くは第9版から引き継いでおり、最小限の変更にとどめたものや大きすぎる記事を見やすいように分割したもの、大きく要約したものも多い。多くの記事は現代の読者や研究者にとってもなお価値が高く興味深いものである。しかしながら、著名な執筆者は、1つの記事か、記事の中の一部分を書いただけである。大部分はジャーナリスト、大英博物館スタッフ、大学スタッフらによって執筆されている。これらの当時無名だった執筆者の中からは、アーネスト・ラザフォード (Ernest Rutherford)やバートランド・ラッセル (Bertrand Russell)など、後に有名になった人もいる。
1768年に最初の3刊が発行されたブリタニカ百科事典は、第11版において大幅に再編成され書き直された。この版は後の版の基として長く使われ、それは1974年に最新の情報に基づいて大幅に刷新された第15版が発行されるまでの間続いた。
ケネス・クラーク卿 (Sir Kenneth Clark)は「芸術の森のなかで」の中で第11版のことを次のように述べている。「読者は一つの記事から他の記事へと飛び跳ねる。それは精神的な戯れと著者の特質によって魅了され、また事象や時代をも魅了する。情報というものはわずかな偏見に色付けられることによってのみ記憶に残るものになるという前提に基づいたDigerotの慣習に従った最新の百科事典であることに間違いない。「窓辺に座ってブリタニカ百科事典を読み、巻き上げられる魂」とT・S・エリオット (T.S. Eliot) が書いたとき、彼は確かに第11版のことを考えていたのである。」
1911年版は既に著作権に縛られることなく、近代的な使い方ができるようになっている。
[編集] グーテンベルク百科事典
グーテンベルク百科事典プロジェクトは、ブリタニカの商標を回避するために、1911年版ブリタニカ百科事典につけられた別名である。ただし、2004年10月現在でプロジェクト・グーテンベルクによって電子化されているのは第1巻だけである。現在、プロジェクトの校正者たちが1911年版ブリタニカ百科事典を完全に電子化するために分散作業を続けている。完了した際には、これはプロジェクト・グーテンベルクによって公開される予定になっている。第2巻-第5巻の校正された部分はDP's Post Processing pageで閲覧することができる。
Volume 2.1: | ANDROS, SIR EDMUND | — | ARGENTINA |
Volume 2.2: | ARGENTINA | — | AUSTRIA |
Volume 3.1: | AUSTRIA, LOWER | — | BASSOON |
Volume 3.2: | BASSOON | — | BISECTRIX |
Volume 4.1: | BISHÂRÎN | — | BORGIA, LUCREZIA |
Volume 4.2: | BORDEAUX | — | BRÉQUIGNY |
Volume 4.3: | BRÉQUIGNY | — | BULGARIA |
Volume 4.4: | BULGARIA | — | CALGARY |
Volume 5.1: | CALHOUN, JOHN CALDWELL | — | CAPE COLONY |
Volume 5.2: | CAPE COLONY | — | CAT |
Volume 5.3: | CAT | — | CERAMIC |
第5巻、第6巻の2004年10月時点での未校正の文書 (CERAMIC—CHATELAINE) は、[1]から参照できる。
[編集] 関連資料
- Alexander Coleman, Charles Simmons: All There is to Know: Readings from the Illustrious Eleventh Edition of the “Encyclopædia Britannica” 1994. ISBN 0-671-76747-X
- Gillian Thomas: A Position to Command Respect: Women and the Eleventh Britannica New Jersey: The Scarecrow Press, 1992. ISBN 0810825678.
[編集] 外部リンク
- LoveToKnow™ Free Online Encyclopedia WWW版。これはOCRで読み取った直後の状態のもので校正されていないため、誤字が多く図版が入っていない。しかし、無料で利用でき、検索もできる。
- 1911 Encyclopædia Britannica 第1巻
- Online Encyclopedia OCR読み取り直後の状態。検索可能。
- ClassicEB.com CD-ROM版。数千に及ぶ金属版画や線画などの図版が含まれている。しかし、300dpiの図面であるため単語検索はできない。ブリタニカ百科事典第11版とその他の版に関する情報についてもふれられている。
- www.robinsoncurriculum.com 1911年版ブリタニカ百科事典と250の本、家庭での初等教育カリキュラムが、120,000ページ、22枚の商用CD-ROMに納められている。この本の中の図版はほとんど著作権保護されているが、いくつかはパブリックドメインである。著作権の取り扱いに関しては法的な検討が求められる。