ピョートル・クロポトキン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピョートル・アレクセイヴィチ・クロポトキン(Пётр Алексе́евич Кропо́ткин, Pjotr Aljeksjejevich Kropotkin, 1842年12月9日 - 1921年2月8日)は、ロシアの思想家、貴族。彼がその生涯大半で主張した社会は、政府のない共産主義社会「アナキズム」であった。彼はその著書および19世紀後半から20世紀前半の無政府主義者としての活動により「アナキスト・プリンス」として知られた。彼は『パンの略取』『相互扶助論』に代表される多くの著書、論文を残した。また1911年のエンサイクロペディア・ブリタニカに寄稿もしている。彼の思想は日本に於いて幸徳秋水や大杉栄に大きな影響を及ぼした。
[編集] 生い立ち
ピョートル・クロポトキンはモスクワで生まれた。彼の父親アレクセイ・ペトロヴィチ・クロポトキンはキエフ大公国以来の古いロシアの貴族であった。彼の母親はドン・コサック出身のロシア軍の名門スーリマ将軍の娘で、文学の素養を持っていた。
ペテルブルク少年侍従隊卒業後コサック騎兵隊入隊、シベリアと(当時の)満州を調査、除隊後「地理学協会」入会。