ピアノソナタ第15番 (ベートーヴェン)
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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのピアノソナタ第15番ニ長調作品28は、かの有名な《月光》の次に作曲されたピアノソナタである。《田園》の通称で親しまれているが、これはベートーヴェン自身がつけたものではなく、ロンドンの出版社が勝手に命名してから定着してしまったものである。しかし、8分の6拍子を基調とした牧歌的な響きが全楽章を支配しているため、パストラーレ(田園風)と称するのもさほど見当はずれではない。
- 作曲時期:1801年完成。
[編集] 曲の構成
ピアノソナタ 第15番 ニ長調 作品28《田園》
- 第1楽章 Allegro ニ長調
- ソナタ形式。華やかな主題の下を、絶え間なく打ち鳴らされる持続低音が支えており、これが生み出す牧歌的な雰囲気が全曲を支配している。
- 第2楽章 Andante ニ短調
- 三部形式。第一楽章と同じ趣の持続低音を持つ。中間部では3拍子の長調となって新鮮な主題を提示する。
- 第3楽章 Scherzo. Allegro vivace ニ長調
- 第4楽章 Rondo. Allegro, ma non troppo ニ長調
- ロンド形式。ベートーヴェンのロンドではよく見られる対位法的な書式が用いられているが、第一楽章で提示された持続低音による牧歌的情緒はここでも失われていない。コーダはテンポを高めて終結に導く。
[編集] 解説
ベートーヴェンの《田園》といえば交響曲第6番の方があまりにも有名だが、このピアノソナタは全楽章にわたってのどかな雰囲気がほとんど崩れないという点で交響曲第6番との共通点は見いだせるものの、作曲時期は大きく離れており、むしろほぼ同時期に作曲されたヴァイオリンソナタ《春》との関連性が類推される。
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