バーチャルボーイ
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バーチャルボーイ(VIRTUAL BOY)は、任天堂が発売した3Dゲーム機。横井軍平が発案。 略称「VB」。1995年7月21日発売、希望小売価格15,000円。
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[編集] 詳細
スタンドに据え付けられたゴーグル型のディスプレイを覗き込むようにしてプレイする。視差の概念を採り入れ、左右の画面に異なる映像を表示させることで立体画面を実現した。テレビに接続せず電池で駆動するが、視界を覆う専用ディスプレイが必要となるため、室内のデスクトップでプレイが主となる特異なゲーム機である。
CPUはPC-FXと同じNECのV810を採用している。V810はカスタムの20MHz、浮動小数点処理も搭載している(この販売時期を考えれば当然であろう)。サウンドはゲームボーイのサウンドとほぼ同じ。波形を32バイトPCMで変更できる。これを利用し短い声をPCMで発音できた。画面の解像度は384x224。色数は単色(赤色LEDによる、赤~黒の4階調)と少ないが画面の明るさを32段階で調整できる。
[編集] 仕組み
バーチャルボーイの立体映像は、アメリカのベンチャー企業リフレクションテクノロジー社の技術を使って開発された。元々は、航空機の整備士などが、大きく扱いにくい整備マニュアルをヘッドアップディスプレイのように専用ゴーグルに投影して作業を効率化するために利用されていた。
バーチャルボーイ内部には、384個(画像の横解像度と同じ)の赤色LEDを並べた1本のバーが配置され、対になった鏡が1枚装備されている。LEDバーは、30分の1秒(?)の間に224回の点滅(画像の縦解像度と同じ)を繰り返し、鏡は30分の1秒(?)の間に一往復の周期で高速に振動する。振動する鏡が、LEDバーの光と同期して光を反射することによって、鏡の上に384x224ドットの画像を作り出した。
この投影システムが、右目用と左目用に個別に用意され、左右の目の視差を利用した位置に配置されることによって、立体的な映像をつくりだしていた。赤色単色ながら、その映像の立体感には画期的な物があった。また、一部では、赤青緑の3色のLEDを利用すれば、フルカラー画像の再現も可能ではないかと考えられていた。
[編集] その他
プレイステーションやセガサターンなどが市場の話題をさらう中で発売され、一般にほとんど受け入れられないままわずか数ヶ月で消えていったハードである。事業失敗の原因としては「赤黒のモノトーン映像は、同世代機に比べどうしてもインパクトに欠ける為、映像メディアや印刷媒体での広報に限界があった」「身動きができないプレイスタイルやプレイヤー以外の観衆には画面が見えないことなどから、試遊台での広報活動も効果的でなかった」などが挙げられる。
「ファミリーコンピュータ向けに3Dスコープを発売していた経験から開発されたのではないか」と噂される事があったが、表示方式が明らかに異なり、かつ3Dスコープの失敗から5年以上の間を空けての発売である事を考えれば、関連性は薄い。
一般に「目に悪い」という説が出回っていたが、画像に遠近感があるために焦点の(上下左右のみでなく)前後移動を要するので、逆に目の筋肉を鍛え目を良くするという研究結果もでている。そのため医療分野での開発も計画されていた。また一部のSFアニメ、例えば『OVERMANキングゲイナー』では、ゴーグルタイプのゲーム機が登場しており、ある意味では非常に先進的なゲーム機であったといえるかもしれない。
余談だが、『バーチャルボーイ』という名前は、コピーライターの糸井重里氏によるもの。糸井氏は、ゲームボーイ、NINTENDO64の名付け親でもある。 また、製品の型番などに見られるVUEは、Virtual Utopia Experienceの略で、バーチャルボーイのコードネームでもある。
[編集] 基本仕様
- CPU:カスタムV810(20MHz)
- RAM:1MB
- SRAM:512KB
- 画面:4階調モノクロ、384x224ドット、画面の明るさを32段階で調整可能
- サウンド:16ビットステレオ
- コントローラ:ボタン6個、十字キー2個、電池ボックス付属
- 通信ポート:シリアル通信ポートらしき端子が存在しているがこれを使用するような周辺機器は存在しない。日本国外ではこの端子は削除された。
- 電源:単3電池6本使用
[編集] バーチャルボーイのゲームタイトル一覧
全て1995年。日本で発売されたもののみ発売日順に記載する。全19タイトル。
- 7月21日 レッドアラーム(T&E SOFT、税別4,900円)
- 7月21日 とびだせ!ぱにボン(ハドソン、税別4,900円)
- 7月21日 ギャラクティックピンボール(任天堂、税別4,900円)
- 7月21日 テレロボクサー(任天堂、税別4,900円)
- 7月21日 マリオズテニス(任天堂、税別4,900円)
- 8月11日 バーチャルプロ野球'95(ケムコ、税別5,480円)
- 8月11日 T&E ヴァーチャルゴルフ(T&E SOFT、税別6,500円)
- 8月12日 バーティカルフォース(ハドソン、税別4,900円)
- 8月25日 V-テトリス(BPS、税別4,980円)
- 9月28日 スペーススカッシュ(ココナッツジャパンエンターテイメント、税別4,900円)
- 9月28日 マリオクラッシュ(任天堂、税別4,900円)
- 9月29日 ジャック・ブラザースの迷路でヒーホー!(アトラス、税別4,980円)
- 10月6日 バーチャルフィッシング(パック・イン・ビデオ、税別5,800円)
- 10月13日 インスマウスの館(アイマックス、税別4,900円)
- 12月1日 スペースインベーダー バーチャルコレクション(タイトー、税別4,980円)
- 12月1日 バーチャルボーイ ワリオランド(任天堂、税別4,900円)
- 12月8日 バーチャルLAB(J・ウイング、税別5,500円)
- 12月22日 バーチャルボウリング(アテナ、税別5,800円)
- 12月22日 SDガンダム DIMENSION WAR(バンダイ、税別5,800円)
この他に、日本国外のみで発売されたタイトルあり。Category:バーチャルボーイ用ソフトも参照。
[編集] 外部リンク
家庭用ゲーム機(任天堂) | |
据え置き型 : | ファミリーコンピュータ(ソフト) - スーパーファミコン(ソフト) - NINTENDO64(ソフト) - ニンテンドーゲームキューブ(ソフト) - Wii(ソフト) |
携帯型 : | ゲームボーイ/カラー(ソフト) - ゲームボーイアドバンス/SP/ミクロ (ソフト) - ニンテンドーDS/Lite(ソフト) |
その他 : | バーチャルボーイ |
周辺機器 : | ファミリーベーシック - ディスクシステム(ソフト) - スーパーゲームボーイ - サテラビュー - 64DD - ゲームボーイプレーヤー |
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