ダイレクトメール
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ダイレクトメール(Direct Mail、略称:DM)は、個々人宛に商品案内やカタログを送付する方法による宣伝(販促)手段。
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[編集] 概要
これらは主に、過去に利用したことのある小売店や、入会しているクレジットカード会社などの顧客情報のデータベースから購入頻度などの属性で抽出され、郵便やメール便を利用して届けられる。
これらは商品やサービスの宣伝であるが、通信販売では定期的にカタログが最新のものとして送られてきて、消費者はこれを見て商品やサービスを購入する事が出来る。また、これら通信販売の楽しみ方として、定期的に送られてくるカタログを眺める事を趣味とするなど、一定のメディアとしての機能も持ち、通信販売会社側では読まれたらすぐに捨てられるカタログではなく、一種の雑誌として編集、情報価値をもたせるケースも見られる。
なお、全く面識のない企業から送付されてくるものもあり、この場合は単なる宣伝と考える人が多く、そのまま捨てられることが多い。こちらでは「面識が無い」という点で消費者の不安を煽る傾向も見られ、またファクシミリを利用しての「FAX DM」では一方的に送りつけられる広告の中に、闇金融のものと見られるチラシまで見受けられるなど、これにまつわる社会問題まで発生している。これらの送付先の個人情報は、いわゆる「名簿業者(名簿屋とも)」が保有している情報がほとんどである。
[編集] ダイレクトメールにまつわる問題
ダイレクトメールは広義の通信販売にあたるため、特定商取引法により幾つかの決まり事が適用される。これには虚実の内容を記載したり、あるいは誤解を招く表現や販売目的を隠しての勧誘などが禁じられている。しかし悪徳商法の多くでは、「プレゼントが当たりました」や「特別優待」の形で、実際には商品を売り付けたりするようなプレゼント商法的な行為も横行している。
また、振り込め詐欺のような実質的な犯罪行為でも、その前駆として一般のダイレクトメール同様の「無差別郵送」を行っている。これは迷惑メールによる「アダルトサイト利用料金未払いの請求」と同種の事例が報告されており、これの類型で低金利消費者金融を装って、「返済能力をチェックするため、指定消費者金融から所定金額を借り、指示先に送金して欲しい」とする融資詐欺(俗に「保証金詐欺」とも)事例も報じられており、近年では振り込め詐欺の関係で偽名口座の開設が難しくなった関係で、エクスパック500で送金させるという事例も報じられており、2005年頃から同種被害が相次いだ愛知県では、愛知県警が警戒を呼びかけている。
この他には名簿業者が名簿の情報を売る相手は選ばない事にも絡み、これにまつわるトラブルも古くから後を絶たず、子供の進学シーズンを狙ってダイレクトメールが大量に舞い込んだりするケースも見られ、消費者からの苦情も少なくなかった。これにより何等かのサービス利用後にその名簿が名簿業者の手に渡り、さらにダイレクトメール業者や悪徳商法や詐欺による悪用を防ぐ意図もあり、個人情報の適正な取り扱いが求められ、個人情報保護法などの法整備が進んでいる。