個人
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法律用語としては講学上「自然人」(英語 "natural person")と呼び、法人や団体の対義語である。
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[編集] 自然人の問題
[編集] 人の始期
自然人の場合、いつから「人」として線引きするのかという線引きをどう解釈するのかは法律を行使していく上で、大きな問題として存在している。
例えば、民法などの私法(民事法)上は、いつから権利能力の主体となるのか(いったん権利能力を享有したのか、一度も享有しなかったのか)が問題となり、刑法上は、いつから殺人罪などの身体・生命に対する罪による客体となるのかが問題となる(殺人罪か堕胎罪か)。
[編集] 人の終期
反対にどの状態をもって、法律上の「人の死」とするべきかという解釈も大きな問題として存在している。
臓器の移植に関する法律(平成9年法律第104号)の解釈としては、6条が「死体(脳死した者の身体を含む。以下同じ。)」と規定している事から、心臓死を前提としながら、臓器移植をする場合に限りドナーの生前の自己決定と遺族の同意を条件として脳死をも人の死と認めるという相対的な概念を採用したと理解される。
なお、民法では一定期間不在であり失踪宣告がされると死亡したとみなされるが、不在者の利害関係人の法律関係を確定させる制度であり、権利能力自体が消滅する訳ではない。