サンデーモーニング
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サンデーモーニング(英字:Sunday Morning)は、TBS系列(JNN)で毎週日曜日の朝にて放送されている関口宏司会のワイドショー・情報番組である。それまで30分単位の番組が当たり前だった各局日曜午前がワイド化する先鞭となった。
裏番組の徳光和夫(当初は中村敦夫)が司会を務める『The・サンデー≪旧:中村敦夫のザ・サンデー⇒ザ・サンデー⇒The・サンデー+30≫』(日本テレビ系列ほか)とは毎週激しい視聴率争いを演じている。2002年以降は『サンデーモーニング』の方がリードしている。
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[編集] 番組概要
1987年10月4日にスタート(当時の放送時間は08:30~09:54、初期のみ一部地域では09:30まで)。1997年10月5日から放送開始が30分繰り上がり、現行の08:00スタートになる。
開始から1997年9月までは『関口宏のサンデーモーニング』というタイトルで、北野大、ケント・ギルバート、三屋裕子、新堀俊明、定岡正二らがレギュラーだった。平日の『モーニングEye』と制作スタッフはほとんど同じだった。
番組開始10年の節目を迎えた1997年10月からは2時間に枠が拡大し、『新サンデーモーニング』とタイトルを変更。アシスタントに中江有里を迎え、コメンテーターには俳優の矢崎滋が登場。テーマ曲も変更するなど、大幅なリニューアルを図った。
しかし、裏番組の日本テレビ系ほかの『ザ・サンデー』やテレビ朝日系(ただし一部系列局除く)のアニメ(朝日放送制作)の影響で視聴率が悪化したことを受け、1999年4月に再びリニューアル。番組タイトルを『サンデーモーニング』と改める。1997年まで使用していたテーマ曲や一部BGMを復活させ、硬派な論客をレギュラーに据えて「ニュースショー」への先祖帰りを図った結果、2002年以降は、関東地区でも15%前後の視聴率を取るようになる。現在も、一時期後塵を拝していた『ザ・サンデー』に大きく差をつけ、安定した視聴率をはじき出している。
『ザ・サンデー』が、最近の報道番組、ワイドショー同様に過剰な演出やナレーションを多用しているのに対し、『サンデーモーニング』では抑制的な演出で比較的落ち着きのあるTBSらしい雰囲気作りがされている。また、芸能の話題はほとんど取り上げず、ニュース、スポーツ中心の内容に徹している(芸能などの軟派な話題は次番組の『サンデージャポン』に譲る形となっている)。最近の情報番組の多くがワイドショー化する傾向が強い中、『サンデーモーニング』の姿勢は、逆に特徴的であり、支持を受けている理由と考えられる。
いわゆるオウムビデオ事件が発覚する1996年までメインスポンサーは花王だった。関口宏はライバル社のライオンのCMに出ているイメージが強いが(主に目薬「スマイル」)、ライオンのCMに出ていた時期もメインのスポンサーは花王であった。現在花王は「ヘルシアシリーズ」として番組のスポンサーに復帰している。
[編集] 出演者
[編集] 司会
[編集] アシスタント
[編集] コメンテーター
[編集] ■週刊御意見番
- このコーナーはナインティナインがパーソナリティをつとめる「ナインティナインのオールナイトニッポン」(ニッポン放送系、木曜25:00-27:00)で「喝」と言うコーナーでパロディ化されている。
[編集] ■週替わり
- 浅井慎平(写真家)
- 浅井信雄(国際政治学者)
- 江川紹子(ジャーナリスト)
- 大宅映子(ジャーナリスト)
- 金子勝(慶應義塾大学経済学部教授)
- 幸田真音(作家)
- 佐高信(ジャーナリスト)
- 高橋和(棋士)
- 田中秀征(評論家)
- 田中優子(法政大学教授)
- 中瀬ゆかり(新潮45編集長)
- 中西哲生(スポーツジャーナリスト)
- 寺島実郎(日本総研理事)
- 辺真一(コリア・レポート編集長)
- 涌井雅之(造園家)
[編集] 主なコーナー
- メインニュース
- 3つ程度ニュースを取り上げ、VTRによる検証とスタジオトークを展開する。
- 週刊御意見番(8:45頃)
- 1999年7月頃より開始。当初は「親分は怒ってるんだぞ」というコーナー名で展開し、やがて現在の形態となった。野球解説者の大沢啓二と張本勲が「球界のご意見番」としてスポーツのさまざまな話題(プロ野球を筆頭にメジャーリーグ、大相撲、ゴルフそして4年に1度のオリンピックやワールドカップ等)についてコメントしている。
- 番組名物ともなっている「喝」「あっぱれ」が出た場合は、雑誌の中吊りをイメージした「週刊御意見番」項目表に関口がワッペンを貼る。大沢、張本がニュースに関して物申したい場合は「喝」、誉めたい場合には「あっぱれ」という評価をつけながらコメントしていく。
- 余談ながら大沢は「あっぱれ」、張本は「喝」をよくつける傾向にある。ただ、稀に意見が割れた時は先輩である大沢の判断が優先される。また、関口が「喝」「あっぱれ」をつけるように二人に促す場合もある。
- 大沢、張本共に野球以外のスポーツに関しては素人同然であり、的外れな視点や見識に則ったコメント、更には精神論や根性論のみの「喝」や批判などが多く、スポーツファンからの評判は必ずしも良くないが、視聴者はそれを承知した上で受け入れているようで、人気コーナーのひとつになっている。また、大沢、張本はともに野球以外のスポーツに関してはむしろ素人もしくはスポーツアスリートの先輩の視点から意見を述べるというスタンスをとっているようにも見える。
- また大沢が全国野球振興会の元理事長で、振興会が設立に深く関わったプロ野球マスターズリーグ議長職を務めているため、よく野球のマスターズリーグを紹介することが多い。
- サッカーに関しては怪我、ラフプレー、トラブル等のネガティブな話題を取り上げる事が多く、逆に明るい話題は無視するため、サッカーファンからの評判はすこぶる悪い。中西哲生出演時は中西が解説をおこない、理論面からサポートする。サッカーに関する話題に限り、中西が「喝」「あっぱれ」を入れることがある。
- 最近のプロ野球人気の低下を危惧しており、メジャーリーグの話題も「日本人選手のことが気になるだけで、別にどこが勝とうがどうでもいい」、プロ野球中継が地上波放送でされないことに「なぜこんないい試合(=プレーオフや国内のペナントレース)をテレビでやらないのか」とコメントしている。
- 最近は大沢がその1週間で中心になった人物に関する自作自演歌(多くは替え歌)を歌いながら登場するのがこのコーナーのお決まりになっている。
- 大沢や張本が地方の仕事でスタジオに来られない場合は、バーチャル出演する事もある。この場合、地方のスタジオから生出演している大沢や張本の姿を、東京のスタジオの本来のポジションに合成する。
- プロ野球のハイライトでは時折実況音源がよく流れている。基本的にはテレビ放送からの中継音源だが、ラジオ放送から(TBS系でのテレビでの中継放送がないとき)の音源や、取材用に収録した音源が使われていることもある(テレビ・ラジオ放送の音源はTBS系列局からの放送のみ使用)。
- 一週間のニュース・週間天気(9:20頃)
- サンデーモーニング開始以来続くコーナー。テーマ曲をBGMにして、前半で取り上げなかったその週の主なニュースを紹介。
- 風をよむ(9:35頃)
- ニュースよりも主に世相の動きを取り上げ、通行人のインタビューを織り交ぜながら、コメンテーターの見解を聞いていく。「今の日本は、何かを忘れてしまった」など、現代の世相をそぎ切りつつ、明日の日本、世界を展望する。現在のタイトルになったのは2001年になってからで、2000年までは「ブリッジ21」というタイトルで放送していた。
[編集] 終了したコーナー
- ニュースグラビア 早わかり一週間
- 番組冒頭で、一週間のニュースをコンパクトに振り返る。
- ニュースのその後
- 世間を騒がせたニュースの現場の「その後」を、当時出演していた長岡杏子アナウンサーらが取材。
[編集] テロップ捏造問題
- 2003年11月2日の放送で、石原慎太郎東京都知事の「私は日韓合併を100%正当化するつもりはないが、(以下略)」という発言に「私は日韓合併を100%正当化するつもりだ」という正反対のテロップをつけた。コメンテーター達もそのテロップに沿って都知事のバッシングを行った。さらには後の番組のサンデージャポンでは普通に石原都知事の発言を出していた(岸井成格はこの発言の翌日に石原都知事と面会したと発言していたが、テロップミスに気付いていなかった)。翌週の番組内にこの放送に関しての謝罪があったが、あくまでもこの謝罪は「テロップミス」に対する謝罪であり、誤ったバッシングに対する謝罪はなかったので、一部からこれは故意的な捏造報道ではないかという疑惑がかけられ、批判された。石原知事は告訴し、2004年12月14日、番組制作にかかわったプロデューサーら4人が名誉毀損の疑いで書類送検されたが、その後刑事処分は不起訴となった。
尚、2006年6月22日にはTBSが石原東京都知事側に8000万円支払う事で和解が成立した。
[編集] 備考
- 愛媛県では、1987年10月の番組スタートから南海放送(日本テレビ系)でネットされた。1992年10月にTBS系新局として伊予テレビが開局してからも、スポンサーの都合で半年間南海放送でネットされていたが、1993年4月に、伊予テレビ(現:あいテレビ)に移行した。
- 開始当初から、関口宏の事務所「三桂」所属の文化人、タレントを多く起用していたことから、関口による「番組の私物化」という批判が起きた。これを受けて、1997年のリニューアル時に、キャスター陣をすべてTBSのアナウンサーに代えた時期もあった。現在は三桂のほか、同業事務所「セントフォース」からもフリーアナウンサーを起用している。コメンテーター陣は現在も三桂所属が多い。
- コメンテーターの氏名紹介テロップでは、「○○○○さん」と敬称をつけて表示している。
- ニュースのVTRはナレーターではなくサブキャスター陣が生で原稿を読み上げることが多い。また、週刊御意見番と一週間のニュースは、VTRを長く時間をとるものはサブキャスター陣、それ以外は関口自身が原稿を読み上げる。
- 日曜朝のくつろいだ雰囲気を出すためか、ネクタイを締めている男性出演者はいない(関口はシャツの下にアスコットタイを締めることが多い)。
- 関西地区(毎日放送)・北部九州地区(RKB毎日放送)では常時15%以上の高視聴率を得ている(週間視聴率ベスト20にランクインされることもしばしばである)。特に関東において裏番組「THE・サンデー」が全盛であった頃も、関西地区・北部九州地区ではむしろ本番組の方が安定した視聴率を確保していた(これは「THE・サンデー」が読売ジャイアンツ贔屓の内容であるためと考えられる)。
- 2006年下半期からはアシスタントが夏休みの自由研究のような、手書きのフリップを用意してニュースの解説を行うことがある。
[編集] スタッフ
- 構成:大野剛ほか
- 製作プロデューサー : 藤原康延
- 制作協力 : 東京ビデオセンター、ファーストハンド、MB、C3、81NEWS、東放制作、泉放送制作、千代田ラフト、TBSスポーツ(現TBSテレビ・2004年9月まで)
- 協力 : Sankei
- 制作 : TBSテレビ(2004年9月まではTBSライブ)
- 製作著作 : TBS
[編集] 地上デジタル放送
「みのもんたの朝ズバッ!」「はなまるマーケット」と同じく、この番組を1080i方式のHD放送で流しているのは製作局のTBSだけで、地方ネット局の地上デジタル放送では全て525i方式のSD放送(一部系列局は画角16:9のSD放送)となる。このように全国同時放送の一つの番組を同じ地上デジタル放送という環境であるにもかかわらず、キー局だけがHD放送で流し、地方ネット局がSD放送で流すという事態(番組により一部地方局でもHD放送となる場合もある)は、ごく稀なケースといえよう。しかし、2006年6月4日深夜にNTT中継回線が完全にデジタル回線に切り替わったため、前述に挙げたケースは徐々に解消される見込みである。
[編集] ネット局
- 東京放送
- 北海道放送
- 青森テレビ
- IBC岩手放送
- 東北放送
- テレビユー山形(1989年10月の開局から)
- テレビユー福島※
- テレビ山梨
- 新潟放送
- 信越放送
- テレビユー富山(現:チューリップテレビ)(1990年10月の開局から)
- 北陸放送
- 静岡放送
- 中部日本放送
- 毎日放送
- 山陰放送(かつては後半30分を放送せず)
- 山陽放送
- 中国放送※
- テレビ山口
- 南海放送(日本テレビ系)→伊予テレビ(現:あいテレビ)(1993年4月から)
- テレビ高知
- RKB毎日放送
- 長崎放送
- 熊本放送
- 大分放送
- 宮崎放送
- 南日本放送
- 琉球放送※
備考
- 琉球放送は、12月の第一日曜日に限りNAHAマラソン中継のため、午後からの時差放送。
- テレビユー福島は11月中旬の日曜に「ふくしま駅伝」を中継するため、9時半から時差放送。その後のサンデージャポンは休みになる。
- 中国放送では8月6日が日曜と重なった場合では原爆記念式典を生中継するため時差ネットとなる。2006年の場合は8:30~10:24であった。