カラムシ
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カラムシ | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Boehmeria nivea | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Ramie |
カラムシ(苧、苧麻(ちょま)、学名Boehmeria nivea)は、イラクサ目・イラクサ科の多年生植物。南アジアから日本を含む東アジア地域まで広く分布し、古来から植物繊維をとるために栽培されてきた。苧の代わりに「紵」の字を用いる場合もある。古代日本においては「ヲ」とも呼ばれていた。
同様に繊維をとるために栽培されるラミー B. nivea var. candicansはカラムシの変種である。
[編集] 特徴
葉はつやがなく、特に若葉は細かいしわがある。葉の縁には細かい鋸歯(ギザギザ)がある。また、葉の裏側は細かい綿毛が密生していて白く、ふとしたことで葉が裏返ると白く目立つ。葉は茎に互生する。葉の大きさは最大15cmほどで、葉柄は葉が大きくなるほど長くなる。
花は8月-10月にかけて咲き、葉柄の根もとに小さな花が房状につく。雄花と雌花があるが雌雄同株で、雌花が株の上のほうにつく。風によって花粉を運ぶ風媒花で、鮮やかな花びらもなくあまり目立たないが、カラムシが多い地域では花粉症の原因ともなる。
林の周辺や道端、石垣などのやや湿った地面を好む。地下茎を伸ばしながら繁茂するので群落を作ることが多い。刈り取りにも強く、地下茎を取り除かなければすぐに生えてくる。地上部の高さは1mほどだが、刈り取りがない環境では秋までに高さ2mに達し、株の根元付近が木化する。地上部は寒さに弱く、霜が降りると一斉に葉を黒褐色にしおれさせて枯れてしまうが、地下茎は生き残って翌春には再び群落を形成する。
[編集] 利用
今でこそしつこい雑草として嫌われる場合もあるが、茎の皮からは衣類、紙、さらには漁網にまで利用できる丈夫な靭皮繊維が取れるため、分布域では6000年前から栽培されてきた。このため日本に自生するカラムシは、繊維用に有史以前から栽培されてきたものが野生化した、史前帰化植物であった可能性が指摘されている。『日本書紀』持統天皇7年(693年)条によれば、天皇が詔を発して役人が民に栽培を奨励すべき草木の一つとして「紵(カラムシ)」が挙げられている。新潟県の十日町市で江戸時代から織られている伝統的な織物、越後縮はこれで織られている。
現在ではブラジルなどでもカラムシ、または栽培種のラミーを栽培している。刈り取りに強いことから、条件が合えば年に6回収穫できる。
また、こどもの文化として、葉を服にくっつける遊びや、片手に葉を乗せて強く叩き、破裂音とともに葉を破く遊びがある。
[編集] 集まる昆虫
カラムシを食草とし、集まる昆虫類には以下のようなものがいる。これらはカラムシが繁茂する夏から秋にかけてよく見られる。
アカタテハ Vanessa indica
フクラスズメ Arcte coerulea
- ヤガ科のガ。幼虫は細長いケムシで、7cmほどにもなる。頭が橙色か黒色、体側に黒い線、背中に白黒の横しま模様がある。幼虫は危険を感じると頭部を反らせ、緑色の液体を吐き出しながら頭部を激しく横に振る。たまに大発生し、カラムシ群落の葉を食い尽くした上で地上を徘徊することがあり、嫌われる。
ラミーカミキリ Paraglenea fortunei
- カミキリムシ科の甲虫。幼虫は茎の中で成長し、大きくなると地下茎にまで食い込む。成虫は5月-8月に発生し、カラムシ群落の周囲で活動し、葉脈を葉の裏から齧って食べる。1cm-2cmほどの小型のカミキリムシだが、青白色と黒に色分けされた鮮やかな体色でよく目立つ。前胸背板の模様はあたかもジャイアントパンダの顔のように見える。日本には明治以降に栽培種のラミーとともに入ってきた外来種と考えられており、日本での分布は西日本に限られる。