アンリ・ポアンカレ
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ジュール=アンリ・ポアンカレ(Jules-Henri Poincaré, 1854年4月29日 - 1912年7月17日)はナンシー生まれのフランスの数学者。数学、数理物理学、天体力学などの重要な基本原理を確立し、功績を残した。 フランス第三共和制大統領・レーモン・ポアンカレはアンリの従弟(いとこ)。
位相幾何学の分野では、ホモロジー概念の発見や、ポアンカレ予想など、重要な活躍をしている。また、フックス関数と非ユークリッド幾何学との結びつきについての数学的な発見をした際に、その過程の詳しい叙述を残して、その後の数学研究の心理学的側面の研究にも影響を与えた。
その他、ヒルベルトの形式主義に対する批判をして、初期の数学的直観主義の立場を表明した。
広範な範囲で生産的な活動をしたが、その論文には多くの不正確な部分がある。数学者のダルブーはポアンカレの学位論文を読んで、その曖昧さを指摘している。何よりも直観を信じるポアンカレの立場は「数学者とは不正確な図を見ながら正確な推論のできる人間のことである」という彼の言葉が示す通りであった。
[編集] 受賞
- ボヤイ賞(1905年)
[編集] 主要著作
- 科学と仮説
- 科学の価値
- 科学と方法 吉田洋一訳 岩波文庫 33-902-2 ISBN4-00-339022-9
- 晩年の思想 河野伊三郎訳 岩波文庫 33-904-4 ISBN4-00-339024-5
数学研究については次の著作が訳されている。
- ポアンカレ トポロジー 斉藤俊弥訳
[編集] 関連項目
- 特殊相対性理論
- ポアンカレ予想
- ポアンカレ・ベンディクソンの定理
- ポアンカレ写像
- アカデミー・フランセーズ 席次24
- 第15代: 1908年-1912年
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- 先代:
- アルマン・プリュドンム
- 次代:
- アルフレッド・カピュ